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液状化リスクは首都直下地震の想定でも 起こりやすい場所は? 能登半島地震では震度4で発生も

  • 2024年1月9日

能登半島地震では、新潟県など各地で液状化の現象が確認されています。今回の地震では震度4程度の揺れの地域でも液状化が確認され、新潟県から福井県にかけての広い範囲で起きたとみられるということです。液状化による被害は、これまで首都圏でも発生していて、首都直下地震でも起きると想定されています。被害にどう備えるか調べました。

液状化 自治体は予測マップ公表

「液状化」は地盤が揺さぶられることで地下水と泥や砂が噴き出す現象です。どのような場所で液状化が起こりやすいかは多くの自治体が予測マップを公表しています。

首都圏の1都3県のうち、東京都では東部の荒川や隅田川沿い、それに東京湾岸の埋め立て地などで液状化の可能性が高いと予測されています。

また、神奈川県では横浜市や川崎市の沿岸、埼玉県では東部の荒川沿い、千葉県では東京湾岸の埋め立て地や江戸川沿いの低地などで液状化の可能性が高いと予測されています。

各都県ではホームページや行政の窓口などにある予測マップで自分の住む地域のリスクを確認し、備えを進めるきっかけにしてほしいと話しています。

液状化被害の課題 東日本大震災で浦安市は

東日本大震災で千葉県内では25の市町で液状化が発生し、各地で住宅が傾いたり道路が壊れたりする被害が出ました。このうち浦安市では市内の面積の8割以上で液状化が発生し、8741棟の住宅が被害を受けました。

国の交付金を活用して地盤を液状化しないよう改良する工事が各地で検討されたものの、工事は地区全体で行う必要があり、費用負担の面で、すべての住民の合意を得るのが難しいということです。

住宅の液状化対策は

液状化のリスクにどう向きあっていくか、住宅の災害リスクの調査を行っている建築士の田村啓さんは、液状化対策には家を建てる前の対策が重要だとしています。
そして、家を建てる際は基礎の一部ではなく、全部をコンクリートで覆う「ベタ基礎」と呼ばれる工法を取ることで、傾いたあとでも直せる可能性が高まるということです。

建築士 田村啓さん
「これから家を建てる場合はあらかじめ地盤の調査をして液状化のしやすさを出すことができる。リスクが高いとなった場合には万全ではないものの、強固な地盤まで鉄の杭を打って傾きにくくするとか、傾いてもあとで直しやすい、そういった対策をする事が重要です。リスクが高いということであれば地震保険には入っておく」

震度4でも液状化発生

今回の地震の「液状化」の現象について防災科学技術研究所の先名重樹主任専門研究員が、分析した結果、新潟県、富山県、石川県、福井県にかけての広い範囲に及んでいました。
一般に、液状化は震度5程度以上で発生し、震度4程度ではこれまであまり確認されていませんでしたが、今回の地震ではこうした地域でも起きていたということです。

先名研究員は、地震の規模が大きく揺れが続いたのは1分程度と長かったことや、北陸や新潟県の沿岸部に液状化しやすい地下水位が高い砂地の地盤が広がっていたことなどが要因とみてさらに分析を進めることにしています。

防災科学技術研究所 先名重樹 主任専門研究員
「今回は震度4でも発生していて驚いている。関東でも沿岸部や川沿いの低地では液状化しやすい地域も多い。液状化してから対応するのは難しく、住もうとしている場所のリスクを確認し、リスクがある場合は地盤改良などの対策を検討してほしい」

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