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さいたま国際芸術祭2023 テーマ「わたしたち」に込めた思いは

  • 2023年10月11日

現代アートの作品展「さいたま国際芸術祭2023」が10月7日から始まりました。その前日、メイン会場の「旧市民会館おおみや」で内覧会が開かれ、プロデューサーやディレクターらが芸術祭への思いを語りました。

2016年から3回目の開催

「さいたま国際芸術祭」は文化や芸術活動の活性化につなげようと、さいたま市が開いています。
3年前の前回2020年は新型コロナの影響で規模を縮小しましたが、ことしは市内各地で作品の展示などが行われます。

プロデューサー 芹沢高志さん
「2016年から続いてきた芸術祭なので今回3回目に当たります。いちばん最初から、ともに作る、参加するという、基本的な理念を立ててやってきましたから、ただ見るだけの芸術祭ではない形を作りたいと、みんな努力して参りました。今回はディレクターに、現代アートチーム 目[mé]が就任してくれて、それを徹底的に進めていった感じがします」

テーマは「わたしたち」 そこに込めた思いは

現代アートチーム 目[mé]

芸術祭のディレクターを務めるのは、現代アートチーム 目[mé]の3人です。埼玉県内を拠点に活動する3人は、見た人を不思議な感覚にいざなう数々の作品を発表してきました。

芸術祭のテーマは「わたしたち」。そこに込めた思いを南川憲二さんが説明しました。

現代アートチーム 目[mé] 南川憲二さん
「『わたしたち』をテーマとしたさいたま国際芸術祭2023は、気候変動、社会格差、分断、戦争など、さまざまな人類的課題が切迫する、この現代社会の中でいかに『わたしたち自身をもう一度見つめることが出来るか』、そんな問いを元に準備を進めてきました。日本を代表する生活都市さいたまから、芸術祭、また私たちのくらしやまち、さらにはこの世界というものを改めて捉え直す、そんな機会につなげたいと思ってます」

かつての市民活動の場がメイン会場に

旧市民会館おおみや

メイン会場の「旧市民会館おおみや」は、1970年から去年2022年3月に閉館するまで半世紀にわたって、コンサートや演劇、発表会など、文化や芸術を中心に市民活動の場として親しまれてきました。
芸術祭の期間中は、さまざまなアート作品が展示されるほか、大ホールで連日イベントが開催されます。

南川憲二さん
「芸術祭のメイン会場はタイムベースという考え方を持ちまして、連日、めくるめく変わっていく、そんな状況を作っていきます。
いつどこで誰と、この芸術祭を見たのか、それによって芸術祭の経験というものが大きく変わっていってしまうと、そんな芸術祭のあり方というものを考えました。
あの作品よかったな、今回の芸術祭よかったなという鑑賞者の経験、あり方、いろいろあると思うんですが、さらにそれをもう一歩踏み込んで、その日その時そこにいることを選んだ鑑賞者自身の行動行為によって芸術祭の見え方が生まれて行ってしまう、そんな一人一人に固有の鑑賞体験が生まれる、そんな芸術祭にしたいと考えて構想してきました」

現代アートチーム 目[mé] 荒神明香さん
「来てくださった方に、日常の中で目に焼き付けておきたいと思えるような景色に出会える体験につながる芸術祭にしていきたいと思ってます」

現代アートチーム 目[mé] 増井宏文さん
「この会場は、南川が説明したようなコンセプトや意図だけではなくて、もっといろいろな何か考え方のヒントや気づき、発見が出来るような会場なのではないかと思って、自分自身、すごく楽しみにしています。ぜひ、いろいろ巡ってみて何かに出会ってもらえたらなと思います」

日々変化する芸術祭 一人一人の鑑賞体験を

メイン会場の展示の一つ、アーティスト、谷口真人さんの作品「私たちは一つの物語しか選べないのか?」は、透明のアクリル板にアクリル絵の具を塗り重ねて人物を描いたものです。
背後に置かれた鏡にその裏側が映っていて、人物の別の表情を同時に見ることができます。

カナダ出身のフォトグラファー、マーク・ペクメジアンさんらによる「ポートレイト・プロジェクト」は、さいたま市の男性を撮影した縦横およそ2メートルの写真が飾られていますが、今後、市内の小学生などが撮影した写真に毎日変わっていくということです。

南川憲二さん
「日々変化していく芸術祭であることが見どころです。近所の公園にふらっと遊びに来る感覚で、気軽に見に来てほしいです。自分で何かを見つけたり、それぞれに自分の鑑賞方法を見いだしていただけるとうれしいです」

こうしたアーティストによる展示やプログラムのほか、さまざまな市民参加のプロジェクトやイベントも行われます。
また、メイン会場以外でも、さいたま市内各地の文化施設や公共施設、街なかなどで、関連する展示やイベントが数多く予定されています。

さいたま国際芸術祭2023
期間:10月7日(土)〜12月10日(日)
メイン会場:さいたま市 旧市民会館おおみや
その他会場:RaiBoC Hall、大宮盆栽美術館、漫画会館、岩槻人形博物館、鉄道博物館、埼玉県立近代美術館、うらわ美術館、さいたま市文化センター、その他さいたま市内各所

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