ことし(2023年)1年の世相を漢字ひと文字で表す「今年の漢字」。
京都の清水寺で発表され、「税」の文字が選ばれました。
筆を執った清水寺の森清範貫主は「税」が選ばれたことについて「国民がシビアに税の行方を見ている。税に対する意識が非常に強いことを改めて感じた」などと話しています。
記事後段では、これまでに選ばれた「今年の漢字」についてもまとめています。
「今年の漢字」は京都市に本部がある「日本漢字能力検定協会」が、その年の世相を表す漢字ひと文字を一般から募集し、最も多かった字が選ばれています。
ことしは11月1日から12月6日までの14万7878票の応募の中から、最も多い5976票を集めた「税」の文字が選ばれました。
京都市東山区にある清水寺では、午後2時すぎ、森清範貫主が大きな和紙に「税」の字を一気に書き上げました。
「税」が選ばれたのは、消費税率が引き上げられた2014年(平成26年)以来、2回目です。
◇理由について◇
「税」の字が選ばれた理由について協会は、1年を通して増税の議論が行われたことに加えて、所得税などの定額減税が話題にのぼったことのほか、インボイス制度の導入やふるさと納税のルールの厳格化など、「税」にまつわるさまざまな改正や検討が行われたことなどをあげています。
筆を執った清水寺の森清範貫主は「税」が選ばれたことについて、次のように話していました。
森清範 貫主
「国民がシビアに税の行方を見ている。税に対する意識が非常に強いことを改めて感じた。世の中は不穏な空気ばかりだが、来年こそは世界の人々が和むような『和』という字が選ばれることを願っている」
「今年の漢字」は、京都市に本部がある「日本漢字能力検定協会」が1995年(平成7年)に始めました。
その年の世相を表す漢字ひと文字を全国から募集し、最も多かったものを「今年の漢字」として、毎年12月12日前後に京都市東山区の清水寺で発表しています。
大きな和紙に一気に書き上げる様子は師走の風物詩になっているほか、その年を振り返るきっかけのイベントとして注目を集めています。
◇第1回1995年は◇
第1回の1995年に選ばれたのは「震(しん)」でした。
この年には阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが起きました。
◇20年前の2003年は◇
20年前の2003年は(平成15年)は「虎(とら)」。
この年、阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を果たしました。
◇15年前の2008年は◇
15年前の2008年は(平成20年)「変(へん)」でした。
この年はアメリカの大統領選挙で変革を訴えたオバマ氏が当選するなど、政治や経済などで変化が多い年でした。
◇10年前の2013年は◇
10年前の2013年は(平成25年)「輪(りん)」でした。
この年、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定しました。
◇9年前の2014年は◇
9年前の2014年は(平成26年)ことしと同じ「税」が選ばれました。
消費税率が17年ぶりに引き上げられた年でした。
◇5年前の2018年は◇
5年前の2018年は(平成30年)「災(さい)」。
北海道胆振東部地震や西日本豪雨など大きな災害が相次ぎました。
◇4年前の2019年は◇
4年前の2019年は(令和元年)「令(れい)」。
元号が「平成」から「令和」となりました。
◇3年前の2020年は◇
3年前の2020年は(令和2年)「密(みつ)」。
新型コロナが流行し、感染防止のため「3密」を避けるよう呼びかけられました。
◇おととし2021年は◇
おととし(2021年)は「金(きん)」。
夏の大会としては57年ぶりに日本で開催された東京オリンピック・パラリンピックで日本選手が多くの金メダルを獲得しました。
◇去年2022年は◇
そして、去年(2022年)は「戦(せん)」。
現在も続くロシアによるウクライナ侵攻が始まった年でした。