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  • 2023年9月20日

新型コロナ支援策どう変わる 治療薬 入院医療費の自己負担 10月からは

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新型コロナウイルスは感染症法上の位置づけが、ことし5月に「5類」になった以降も厚生労働省は患者や医療機関への支援を一部継続してきましたが、段階的な見直しが行われています。見直しで10月から適用される支援策の内容や自己負担額など、これまでと変わる点などについてまとめました。

支援見直し 患者では治療薬や入院医療費

今回、見直されるのは、患者に対しては、コロナ治療薬の公費負担、入院医療費の補助額、医療機関などに対しては、補助金「病床確保料」、診療報酬の特例加算、高齢者施設への支援です。

このうち、9万円を超えるものもある高額なコロナ治療薬の費用については、全額の公費負担が続けられてきましたが、10月からはほかの病気との公平性を考慮してコロナ治療薬で一部自己負担が求められることになりました。

コロナ治療薬 一部自己負担 懸念は

東京都・渋谷区のクリニックの医師は、今後、薬の一部が自己負担となると処方を断る人や受診を控える人が出てくるのではないかと懸念しています。

クリニックではこれまで、新型コロナに感染した人のうち、基礎疾患がある人や高齢者などの重症化リスクが高い患者、それに症状が重い患者に対しては、自己負担なしで利用できる新型コロナの治療薬を処方してきたということです。

みいクリニック代々木 宮田俊男 理事長
「財政上やむをえない部分もあると思うが、新型コロナの治療薬は新薬で高額なので、薬が一部自己負担になると薬を飲むことを断る人が出るかもしれない。感染初期でないと投与の対象にならない薬もあるため、治療の選択肢を広げる意味でもクリニックにかかって欲しい。家で我慢したことで重症化してしまうのではないかと懸念している」

コロナ治療薬 一部自己負担の内容

コロナ治療薬の一部自己負担について具体的には、年齢や所得によって変わる医療費の自己負担割合が1割の人は3000円、2割の人は6000円、3割の人は9000円となります。

厚生労働省の試算によりますと、新型コロナ疑いで外来の医療機関にかかった場合、治療薬のほか検査料や医療費をあわせると、75歳以上で自己負担割合が1割の人の場合は4090円、3割の人は1万2270円の負担が必要になるということです。

入院医療費の補助額 最大2万円から1万円に

このほか患者への支援では入院医療費についても10月から見直されることになりました。これまで、1か月あたりの医療費が高額になった場合に「高額療養費制度」を適用した上で、さらに最大2万円が補助されてきましたが、10月からは補助額が半額の最大1万円となります。

厚生労働省の試算では、住民税非課税世帯ではなく、年収がおよそ370万円までの75歳以上の高齢者が、新型コロナで7日間入院した場合、コロナ治療薬の費用を除く自己負担額は所得に応じて3万9800円から4万7600円となるほか、食事代が別でかかります。

病床確保料・診療報酬特例措置見直し

医療機関が新型コロナの入院患者の受け入れに備えて病床を空けた場合、「病床確保料」として補助金を支払う、いわゆる「空床補償」をしてきましたが、10月からは感染状況が一定の基準を超えて拡大するまで支給しないことになりました。

また、感染が拡大し、補助金を支給する場合も、対象を、酸素投与や、人工呼吸器が必要などの、症状が重い患者のための病床を確保した場合に限ることにしています。

また、新型コロナの医療提供体制を維持するための診療報酬の特例措置についても見直しが行われます。具体的には、必要な感染対策を実施した外来の患者を受け入れる医療機関や重症や中等症の入院患者を受け入れる医療機関に対する診療報酬などが縮小されます。

高齢者施設などへの支援

重症化リスクの高い高齢者が暮らす施設などへの支援については、「感染が落ち着いている状況であっても医療崩壊を防ぐために一定程度、施設内療養ができる環境を維持する必要がある」として、要件や金額を見直して支援を継続することになりました。

支援策の見直し 専門家はどう見る

感染症が専門で、厚生労働省の感染症部会の委員も務める国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、今回の支援策の見直しについて次のように述べています。

〇治療薬の自己負担
医療のひっ迫を防ぐためには、重症化リスクの高い人が適切に治療薬を使うことも大切だ。10月からは治療薬に自己負担が求められ、薬を使うべきか悩む患者も出てくると思うので医療従事者側がどのような人に治療薬を使うべきなのか、理解をした上で丁寧に患者とコミュニケーションを取ることが求められる。

〇医療機関への支援
新型コロナの患者を受け入れる医療機関は、十分に増えているとは言えない。さらに10月から、病床確保料などの支援策が削減され、入院患者を受け入れる医療機関が減り、ベッドを探すのが難しくなる恐れがある。新型コロナの患者を受け入れる医療機関の労力は今でもとても大きいので、それに見合うような支援策のあり方ついては今後も検討するべきだ。

〇感染対策
新型コロナに関する情報が減ってきていると感じているが現在でもリスクの高い人が感染すると命に関わる病気であることに変わりはない。そのことを認識し、対策を行ってほしい。

2024年4月からインフルエンザと同様にする方向

厚生労働省は例年、年末年始にかけて感染が拡大する傾向にあることから、医療提供体制の状況などを検証し、2024年4月からは季節性インフルエンザなどの感染症と同様の対応とする方向で見直しを行うことにしています。

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