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高校生就活 求人倍率3倍超 採用者どう確保 30年ぶり高水準で競争激化

  • 2023年6月28日

ことし3月末の高卒者の求人倍率は3.49倍で、統計を取り始めた昭和63年以降、最も高くなりました。ことしは新型コロナの5類移行などから求人が増えるという見方があり、高卒での就職希望者が減る中で、獲得競争が激しくなりそうです。求人倍率をはじめとした高卒者採用のデータや企業側の動きなどをまとめました。

高卒者求人 生徒公開は7月1日

来年春(2024年)に卒業する高校3年生を対象にした企業の求人は7月1日から生徒などに公開されます。
就職活動の事実上スタートを前に、都内では、6月27日、合同企業説明会が開かれ、就職を希望したり、検討したりしている高校3年生などおよそ60人が、ホテルや建設業、製造業など17社の説明を聞いたり仕事を体験したりしました。

このイベントを主催した会社がことし4月に行ったインターネットのアンケートでは、高卒者を採用する企業の採用担当者およそ300人のうち、今年度の高卒採用を増やすと答えたのは31.6%、減らすと答えたのは6.4%、変動しないと答えたのは55.9%でした。

増やすと答えた企業の半数以上は、理由として「若手人材の層を厚くする」ことや「人材不足」を挙げたということです。

採用大幅増の方針 資格取得のサポートも

合同企業説明会に参加した立川市のホテルは、昨年度は1人だった高卒者の採用を大幅に増やし、今年度は最大で8人程度採用する方針です。

ホテルでは、特に調理場での人材不足が深刻なため、今年度は調理師候補として5人程度の高卒者の採用を目指しているということです。
就職時に調理師免許がなくても、その後取得を目指すのであれば、育成や資金面でサポートする方針です。

藤倉雄次業務部長(採用担当)
「コロナ禍のあと、調理師を中心に人材不足が深刻になっている。経験がない高校生の採用は新しい挑戦だが、不足の解消に向けて力を入れていきたい」

高卒者の求人倍率 過去最高の3.49倍

【求人倍率】
ことし3月末の高卒者の求人倍率は3.49倍で、去年の同じ時期に比べて0.6ポイント増え、統計を取り始めた昭和63年以降、最も高くなりました。
統計をまとめている厚生労働省によりますと、これまで過去最高だった平成4年の3.34倍を超え、およそ30年ぶりに記録が更新されました。

【都道府県別】
都道府県別にみますと、東京が10.79倍、大阪が6.35倍、京都が4.32倍などとなっていて、大都市圏を中心に倍率が高くなっています。

【産業別】
去年の同じ時期と比べた求人数を産業別にみますと、宿泊、飲食サービス業が42.8%、運輸、郵便業が20.5%、不動産、物品賃貸業が19.2%、それぞれ増加していました。

厚生労働省の担当者
「新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行して求人が大幅に増加している。一方で、少子化と進学率の高まりで就職を希望する人は少なくなっていて、結果的に求人倍率は過去最高という結果となった。ただ、求人はまだコロナ以前には戻っておらず今後も増加するとみられ、求人倍率はさらに高くなる可能性がある」

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