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  • 2023年6月26日

火葬ができない 12日間待ちも “多死社会” 年間死亡者数が過去最多

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国内で死亡した日本人は去年1年間で156万人余りと、統計を取り始めて以降、過去最多となりました。亡くなる人の数が増加する中で、すぐに火葬することができない「火葬待ち」が長期化するケースも出てきて、必要な費用がかさむケースも出ています。遺族が直面した状況や「多死社会」に対応しようとする自治体やメーカーの動きです。

火葬 11日後 遺体の保管費用も

神奈川県茅ヶ崎市に住む40代の女性は、ことし2月、94歳の祖母を亡くしました。女性は、高齢の両親の代わりに孫にあたる自分が葬儀会社と必要な手配を行うことにして、葬儀は行わず火葬場でお別れをする「直葬」のプランを選びました。

しかし、火葬の予約をしようとすると、混雑しているため一番早くても祖母が亡くなってから11日後になると言われたということです。 
また、遺体の保管にかかる料金として1日あたりあわせて1万3千円、12日間で15万円以上が追加でかかることになりました。

もう少し待つ日にちが少ない、ほかの自治体の火葬場も考えましたが、移動料金などで費用の総額は変わらず、そのまま11日後に火葬して祖母を見送ったということです。

女性 
「年金生活の両親にとって追加の費用は大きな負担になりました。待つ日数が長いことも、費用がかさむことも初めての経験で、本当に驚いてしまいました」

冷蔵設備への需要に伸び

川崎市にある冷蔵設備メーカーはこれまで主にコンビニエンスストア向けの冷蔵庫を手がけていましたが、遺体を安置するために使用する冷蔵庫の2022年の受注件数は4年前の2019年に比べて5倍に増え、ことしはさらに増えているということです。

首都圏などの葬儀会社からの受注が増えたほか、新型コロナの感染拡大を背景に葬儀を行わない「直葬」が増えたことや、火葬場が混雑し遺体の安置期間が長引くケースがあることから火葬場からの注文も伸びているということです。

「たつみ工業」岩根弘幸 代表取締役 
「冷蔵設備はご遺体の保管にも適していて、冷蔵庫メーカーとして培った技術で貢献できればと思っています」

横浜市 「友引」も受け入れ 新施設建設も計画

主に大都市部で亡くなった人の火葬までの時間が長期化するケースも出る中で、新たな火葬場の建設や改修などで受け入れられる件数を増やそうとする自治体もあります。

政令市の中で最も人口が多い横浜市では2022年度、4か所ある市営の施設で3万4千件の火葬が行われましたが、市によりますとすぐに予約をとるのは難しく、平均すると5日から6日程度待つということです。

このため、これまで「縁起がよくない」として行われていなかった「友引」の日にも受け入れる火葬場の数を増やす対応を進めているということです。 
しかし、今後も市内で最期を迎える人の数はさらに増えていく見込みであることから、現在、3年後の運用開始を目指して新たな施設を建設する計画を進めています。

横浜市 山口真 斎場整備担当課長 
「増え続ける需要に対応して、安定した火葬を提供しなけれればならないので既存の施設での努力と、新しい施設の着実な整備を進めていきたい」

火葬場建設に抵抗感も イメージ変える工夫を

一般社団法人・火葬研 武田至代表理事 
「人口が集中する都市部では火葬能力が追いついておらず、新たに建設するにも、用地や住民の合意を得る難しさから進まない自治体もある。お別れや収骨を短時間で終わらせるなど時間の制限を行うことで何とか対応しているという状況だ近くに火葬場ができるとなると抵抗を感じる人も多いと思うが、例えば、景観のよい所にある施設を増やして施設のイメージを変えていくなど、できる工夫をしていく必要もあるのではないか」

年間死亡者が過去最多 平成元年の2倍に

厚生労働省の人口動態統計によりますと、2022年の1年間に国内で死亡した日本人の数は、概数で、156万8961人と、前の年より12万9105人、率にして8.9%増え、1899年に統計を取り始めて以降、最も多くなりました。 
死亡する人の数は平成元年と比べるとおよそ2倍、この20年でも1.5倍に増えています。

国立社会保障・人口問題研究所がまとめた将来推計人口によりますと、1年間に死亡する人の数は今後も増え続け、2040年には約167万人に達する見込みです。

元気なうちにするべきことは

人生の終わりへ向けた準備を行う「終活」に詳しいシニア生活文化研究所の小谷みどり代表理事は葬儀や火葬のあり方について、次のように話しています。

シニア生活文化研究所 小谷みどり 代表理事 
「今後はさらに高齢化が進み、亡くなる人を家族の力だけで支えることができないという問題や、増えていく死者を誰が弔うのかという問題が出てくる。人生をどう締めくくり、亡くなったあとに誰に知らせて欲しいのか家族で話し合ったり、家族以外でも近くの人や友人など自分の意思を託せるつながりを元気なうちに持っておくことが大事だと思う」

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