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梅雨の時期は食中毒に注意 家庭で気をつけるポイントとは?

  • 2023年6月22日

気温や湿度が高くなる梅雨どきのいま、注意が必要なのが「食中毒」です。
5月から8月にかけて増える傾向があり、厚生労働省によりますと去年は6月に最も多く発生しました。そこで、食中毒を家庭でどう防げばいいのか、お伝えします。

食中毒…5月から8月にかけて増える傾向

気温が上がり、湿度も高くなる梅雨の時期、注意が必要なのが「食中毒」です。
食中毒は5月から8月にかけて増える傾向にあり、厚生労働省のまとめによりますと、去年1年間に全国で発生した食中毒は962件で、このうち6月が128件と最も多くなっています。

この時期多いのが…細菌性の食中毒

食中毒の種類としては、主にノロウイルスなどの「ウイルス性」、カンピロバクターなどの「細菌性」、アニサキスなどの「寄生虫」によるものがありますが、特にこの時期に多いのが「細菌性」の食中毒です。

細菌性の食中毒には、卵につきやすい「サルモネラ」や、肉類につきやすい「カンピロバクター」などがあり、特に「カンピロバクター」は、気温が高くなる5月ごろから夏にかけて増えやすく、生の鶏肉が感染源となることが多いということです。

また、「黄色ブドウ球菌」は健康な人の皮膚などにも存在していますが、手洗いや消毒が不十分な場合や手荒れや化のうなどから媒介された際に食中毒になる可能性が高いということです。

食中毒に詳しい東京農業大学総合研究所 五十君靜信 教授
「6月は気候が変わってくる時期なので、どうしても食材の温度管理が甘くなってしまいます。本当に暑くなってくると、皆さん保冷剤を入れるなど対策を取りますが、この時期は中途半端な時期なので、発生が多くなる1つの要因だと思います」

細菌性の食中毒 防ぐポイント?

厚生労働省は、細菌性の食中毒を防ぐ3原則として以下のポイントをあげています。

(1)細菌を食べ物に「つけない」
調理をする前は、食品や手、調理器具を洗うことを徹底する必要があります。

(2)食べ物に付着した細菌を「増やさない」
食品を常温で放置せず、冷蔵庫や冷凍庫で保存すること。調理したものはできるだけ早く食べて、残ったものは冷蔵庫で保存することで、細菌の増殖を防ぐことができます。

(3)食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」
食品を加熱する際は、内部までしっかりと火を通すこと。加熱の目安は中心部を75度で1分以上です。

2回の手洗いを!

保健所に手洗いのポイントを聞きました。

まず、手を洗う前に、どれほど汚れがついているのか、蛍光塗料を塗った手にブラックライトを照らすと…。手のひらや甲、爪の間が白く光っていて、びっしりと汚れがついていることがわかります。
特に手のひらは、いろんなものを触ったりするため多く付着しています。

手を洗う際には、はじめに水洗いをして汚れを全体的に落とします。

その後、洗剤をまんべんなくつけて、手のひら、甲、指の間をしっかりとこすりながら洗います。
続いて爪の間を手のひらでよくこすり、最後に手首も洗って、流水で流します。

もう一度ブラックライトを当てると、ほぼきれいに落ちていますが、爪の間や手のひらのしわのある部分には若干汚れが残っています。

このため保健所では、2回の手洗いを推奨しています。

シンクや調理器具などはどうする?

シンクの内側にも汚れや菌が付着している可能性があるため、調理が終わったあとスポンジなどで洗い流す必要があります。

シンクを洗浄する際は…
食器を洗うものと分けて、洗浄用のスポンジを使用。
家庭用の台所用洗剤をつけてシンク全体をふきます。洗剤の界面活性剤の効果で汚れを浮かせて洗い流すことが目的です。
※スポンジ自体も水で濡れて菌が繁殖しやすい状態なので、定期的にお湯や薬剤で消毒することも大切です。

まな板は…
長く使っていると、傷のすき間に菌や汚れが残りやすくなるので、洗剤でまな板全体を洗って、塩素や熱湯による消毒が有効です。

八王子市保健所生活衛生課 和田隆課長
「梅雨の時期は気温が高くなるので細菌が増殖し、家庭でも食中毒が発生する可能性があります。予防の3原則の中でも、一番は菌を増やさないことが重要なので、手洗いや調理器具の消毒に加えて、この時期は特に、食品を室内に置かない、調理したものはすぐに食べることを徹底してほしい」

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