首都圏ネットワーク

  • 2023年6月16日

Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下オープン “映画を通じて世界を感じて”

キーワード:

東急百貨店跡地の再開発に伴い、長期休館中の複合施設「Bunkamura」内にある映画館が、JR渋谷駅近くに移転し、「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」として6月16日にオープンしました。
新たな場所での営業について運営を担当する中村由紀子さんに聞きました。

「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」

JR渋谷駅から歩いて1分ほどのところに移転した「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」。
かつての「渋谷TOEI」をリニューアルし、6月16日にオープンしました。
スクリーンの数はこれまでと同じ2つ。座席数は7階部分が268席、9階部分が187席となっています。

ロビーには、「Bunkamura」で長年親しまれた「ドゥ マゴ パリ」のスタンドカフェも併設され、映画を鑑賞する前後に、かつてのような優雅な時間を過ごせるようにという工夫も施されています。

こだわりは…女性に視点をあてた作品

今回オープンする新しい映画館の前身「ル・シネマ」は、1989年の「Bunkamura」とともに開館しました。

フランスの女性彫刻家の生涯を描いた映画「カミーユ・クローデル」や、北イタリアの避暑地を舞台に17歳と24歳の青年の恋の痛みと喜びを描いた「君の名前で僕を呼んで」など、ベルリン国際映画祭やアカデミー賞など、世界的な映画祭で高い評価を受けた話題作を上映してきました。

そんな映画館のプログラム構成を開館当初から担当してきたのが東急文化村シネマ運営部の中村由紀子担当部長、新しい映画館の運営担当も務めます。

開館から34年、女性に視点をあてた作品の上映にこだわり、幅広い年代の女性から支持を得てきました。その原点となった作品は、フランスの彫刻家ロダンの弟子だった「カミーユ・クローデル」の半生を描いた作品でした。

東急文化村シネマ運営部 担当部長 中村由紀子さん
「ル・シネマのオープニング直後に上映した『カミーユ・クローデル』は、当時、東急百貨店で彼女の作品展が開催されて話題になっていたのです。その影響もあって予想以上の大ヒットとなり、特に女性から支持を得たんです。映画を見たお客様は、映画への興味だけではなく、彼女の生き方に共感しているようでした。その時に、こういう作品を上映していこうと思いました」

若い世代の来館を目指した挑戦

「女性に視点をあてた作品を」と中村さんは、カンヌ映画祭やベルリン国際映画祭などに足を運んで上映作品の選定。これまでにヨーロッパやアジアを中心とした作品をロングラン上映するなど、国内外から注目される映画館となりました。

ミニシアターが数多くある渋谷で独自の路線で映画ファンの心をつかんだ中村さんですが、新しい映画館では、これまでにない取り組みにも挑戦していきたいと考えています。

中村さん
「これまでの客層は50代以上でしたが、新しい映画館はMIYASHITA PARKに近く、そこに集う20代や30代の若い世代にも来館してもらいたいという願いを込めて館名に“渋谷宮下”を加えました。そして、若いスタッフと同じ映画を見ても世代間で受け止め方の違いを実感したところなので、これまでの女性に視点をあてた作品に加え、少しチャレンジングなジャンルを新作と旧作を交えながら上映していきたいです」

若い世代の心をつかもうと新たな挑戦に挑む中村さんは、映画を通じて発信していきたいことがあると言います。

中村さん
「いま世界に目を向けるとロシアによるウクライナへの軍事侵攻、スーダン国内で起きている武力衝突、それにLGBTをめぐる問題など、さまざま動きがあります。こうした問題に対する多様な価値観があると思います。だからその時代性を意識しながら作品を選定し、劇場に訪れた人たちに世界の常識や価値観が日本とどう違うのか?映画を通じて発信してきたいです」

最後に中村さんに新しい映画館をどのような場にしていきたいか聞きました。

中村さん
「映画は、生き物でその時代の空気感や出来事などを表現したものだと言われています。娯楽である一方、見た人の見聞が広がる教材のようなものだと思うので、新しい映画館は幅広い年代の人たちに多様な価値観に触れられる場にしていきたいと考えています」

あわせて読みたい

ページトップに戻る