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  • 2023年3月28日

渋谷 Bunkamura長期休館で営業どうなる 代替施設へのアクセスは?

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閉店した渋谷の東急百貨店本店に隣接する「Bunkamura」。 
4月10日からオーチャードホールを除いて、東急本店跡地の再開発に伴い、長期休館となります。若者が集う街で最新の芸術や文化を発信してきた複合文化施設の歴史を振り返るとともに休館中の営業はどうなるのか、まとめました。

Bunkamuraとは?

JR渋谷駅から文化村通りを抜けたところにあるのが「Bunkamura」です。 
賑やかな繁華街から少し離れた落ち着いた雰囲気の街角に建つ建物は、ルーブル美術館などを手がける世界的な建築士、フランス人のジャン=ミッシェル・ヴィルモット氏が手がけました。

ヨーロッパを意識した建物の特徴は、中庭です。柔らかく暖かい日差しが差す空間は、どこか西洋の香りが漂います。

そんな異国情緒漂う「Bunkamura」には、▽クラシックコンサートをメインにオペラなどの公演が行われるコンサートホールの「オーチャードホール」。▽演劇やダンスなどの公演が行われてきた劇場「シアターコクーン」。▽ヨーロッパやアジアを中心に芸術性の高い映画を上映してきた映画館「ル・シネマ」。▽海外の美術館の名作などを集めた企画展が開かれてきた「ザ・ミュージアム」。▽日々の暮らしの中でアートを身近に感じて触れてもらうことを目的とした「ギャラリー」があります。

新しいカルチャーの発信基地として親しまれてきた「Bunkamura」は、年間約300万人が訪れる渋谷の人気スポットとなっています。

Bunkamuraの役割は・・・“幅広い年代が楽しめる街へ”

そんな施設の歴史は1980年代までさかのぼります。

「渋谷」を都心と郊外とを結ぶターミナルと位置づけたBunkamuraを運営する東急文化村の親会社「東急」は、東急線沿線で暮らす幅広い年代の人たちが楽しめる多様性のある街であることが望ましいと考えていました。

また、将来的な高齢化社会を見据え、年齢を問わず大勢の人に足を向けてもらえる街を目指し質の高い芸術が鑑賞できる文化施設が必要だったのです。

当時は、企業によるメセナ活動=企業の芸術文化活動の支援が活発でした。 
大阪では開局記念として放送局がクラシックコンサート専用の施設を開業したほか、東京でも飲料大手がコンサートホールを借り受ける形で管理するなど企業による文化施設の運営が相次いでいました。

こうした時代背景もあり、Bunkamuraが建設されることになったのです。

そして、こだわったのが「ソフトの優先」でした。 
施設ができて何をやろうかではなく、やりたいことからそれが可能なホールを造ろうという発想でした。このため、設計段階から文化・芸術の第一線で活躍する人たちをアドバイザーとして招き、「使う」側、「見る」側の視点で建設することにしました。

オーチャードホールでは、指揮者の岩城宏之氏、編曲家の前田憲男氏、サウンド・パフォーマーの冨田勲氏、演出家の佐藤信氏。シアターコクーンでは、演出家の串田和美氏、プロデューサーの金子洋明氏。ザ・ミュージアムでは、美術評論家の木島俊介氏や阿部信雄氏からの意見が取り入れられました。

その結果、劇場の搬入口を舞台奥の正面に配置することで道具を持ち込むだけでなく、そこから列車や車を登場させるなどの新しい演出が可能となったほか、客席を可動式として1階中央通路の前方席の下に大きな空間を作り、舞台の下から役者が登場するなどの演出も可能にしました。

また、欧米では、コンサートホールや劇場にそこをベースに活動する音楽団や劇団が存在し、質の高い芸術を提供していることから、Bunkamuraでも各ホールにフランチャイズ制を導入しました。

オーチャードホールは、「東京フィルハーモニー交響楽団」、シアターコクーンは「オンシアター自由劇場」がBunkamuraをベースに活動することになりました。

幅広い世代の人たちに渋谷へ訪れてもらおうと建てられたBunkamuraでこれまでの34年間に開催された自主公演は約2000本。蜷川幸雄氏演出の「パンドラの鐘」や俳優や劇作家など多彩な顔を持つ岩松了さん演出の「ワーニャ伯父さん」など、数多くの話題作が上演されてきました。

オーチャードホールを除いて長期休館へ

そんな施設も東急本店跡地の再開発に伴い、4月10日からオーチャードホールを除いて、長期休館となります。

東急本店跡地には、商業施設のほか、ホテルや賃貸住宅などを備えた地上36階建ての複合施設が2027年度の完成を目指して建設されることになっています。東急百貨店の親会社の東急によりますと、新たに建設される複合施設は、高さが164メートル、地上36階、地下4階建てで、低層階に商業施設を、中層階にはアジアで展開する高級ホテルを設けるとしています。

さらに上層階には、賃貸住宅を整備する計画だということでBunkamuraは、この新しい施設と一体化される予定です。

Bunkamuraを運営する東急文化村の中野哲夫代表取締役社長は、施設の長期休館中も渋谷にこだわらず、代替施設がある街で観覧者の心がつかめるよう今後も挑戦を続けていくと意気込んでいます。

東急文化村 中野哲夫 代表取締役社長 
「Bunkamuraが30年以上の長きにわたり行ってきた活動を通して、渋谷という土地に変化をもたらすことができたかもしれません。そして、これからは、歌舞伎町やみなとみらいなどにも何かの変化を起こしたいです。今、人々は“物語”を求めています。それぞれの街で、『心を動かす』体験をしていただく場を保ち続けていくのがBunkamuraの役割だと思っています」

代替施設とアクセス方法は…

○オーチャードホール

オーチャードホールはBunkamura休館中も日曜日と祝日を中心に営業を継続し、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏会などは開催予定です。

一方、N響オーチャード定期などの公演については「横浜みなとみらいホール」や「めぐろパーシモンホール」など東急線沿線からアクセスの良い会場を使用しながら開催予定です。

□横浜みなとみらいホール 
・みなとみらい駅(東急東横線みなとみらい線)下車徒歩3分 
・桜木町駅(JR京浜東北線・根岸線横浜市営地下鉄)下車徒歩12分

□浜離宮朝日ホール 
・「新橋駅」JR(汐留口)東京メトロ銀座線(1、2番出口)都営浅草線(改札口)~徒歩約15分 
・「汐留駅」都営大江戸線(新橋駅方面改札口)新交通ゆりかもめ(改札口)~徒歩約10分 
・「東銀座駅」東京メトロ日比谷線都営浅草線(6番出口)~徒歩約8分 
・「築地駅」東京メトロ日比谷線(1、2番出口)~徒歩約8分 
・「築地市場駅」都営大江戸線A2出口

□めぐろパーシモンホール 
・都立大学駅(東急東横線)徒歩7分

○シアターコクーン

Bunkamura休館中の自主制作公演は、2023年4月に新宿区歌舞伎町に開業する「東急歌舞伎町タワー」内の「THEATER MILANO-Za」や「紀伊國屋ホール」などの劇場で開催されます。

また、シアターコクーンの芸術監督を務める松尾スズキさんらが講師となり、未来を拓く若手演劇人の養成所「コクーンアクターズスタジオ」が新たに立ち上がります。

□東急歌舞伎町タワー「THEATER MILANO-Za」 
・西武新宿線「西武新宿駅」~徒歩1分 
・都営大江戸線「新宿西口駅」~徒歩6分 
・JR各線、小田急線、京王線、東京メトロ丸ノ内線「新宿駅」~徒歩7分 
・東京メトロ丸ノ内線副都心線、都営新宿線「新宿三丁目駅」~徒歩8分

□紀伊國屋ホール 
・JR線、小田急線、京王線、地下鉄丸ノ内線新宿東口~徒歩5分 
・地下鉄丸ノ内線、副都心線、都営新宿線新宿三丁目駅B7出口

○ル・シネマ

渋谷東映プラザ内の「渋谷TOEI」の跡地にて、2023年6月より新たな映画館「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」がオープンします。こけら落としを飾るのは、香港出身のマギー・チャンさんの『マギー・チャンレトロスペクティブ』回顧上映が行われます。

□「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」

○ザ・ミュージアム

有名絵画はもちろん写真や絵本など、幅広いテーマやジャンルの作品を紹介してきたザ・ミュージアムは、「ヒカリエホール」などで展覧会を開催します。

「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」「ソール・ライターの原点ニューヨークの色」をはじめとし、話題性を持った企画展を開催予定です。

□渋谷ヒカリエ内「9Fヒカリエホール」 
□寺田倉庫G1ビル 
・りんかい線「天王洲アイル駅」B出口~徒歩4分 
・東京モノレール羽田空港線「天王洲アイル駅」中央口~徒歩5分

○ギャラリー

「渋谷ヒカリエ」8階の「クリエイティブスペース8/」の跡に、6月10日「Bunkamura Gallery8/」として移転します。オープニングでは、これまでギャラリーで個展やグループ展を開いたアーティストなどから選出した作家19人の新作展を予定しています。

□渋谷ヒカリエ内「Bunkamura Gallery8/」

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