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  • 2023年3月6日

トルコ・シリア大地震 1か月 被災地の今は 募金など支援のあり方は

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5万人を超える人が亡くなったトルコ南部の大地震から3月6日で1か月です。 
被災地では、多くの人が住まいを失い、テントで避難生活を続けていて暮らしの再建に向けた支援の継続が求められています。

現地でどんな支援が求められているのか、私たちに今、できることは何か、現地への支援を続ける、千葉に住むシリア出身の女性を取材しました。

在日のシリア人 “発災直後から被災地支援”

千葉県内で暮らしているシリア出身のスザンさんです。

5年前に来日し、英語の講師をしながら都内の大学院で国際関係の研究をしています。

日本にいるスザンさんが現地のために取り組んでいるのがSNSを使って被災地のニーズを探り、そのニーズを日本のNGOに伝えることです。

シリア出身のスザンさん 
「友人に何が起こって起こっているのか聞きました。彼らはシェルター・暖房・食料・水などを求めています」

内戦が続くシリアから8年前にトルコに避難し、難民キャンプで現地のNGOの活動をしていたスザンさん。その経験を生かして、地震の発災直後から支援を続けています。

発生から1か月 “被災地の現状”は?

2月6日、トルコ南部で起きたマグニチュード7.8の地震とその後の地震では、トルコで4万5968人、隣国のシリアで5914人、合わせて5万1882人の死亡が確認されています。

トルコ政府によりますと、国内で倒壊などの大きな被害を受けた建物は20万棟にのぼり、人口の16%に相当する1400万人が住まいを失うなどの影響を受けています。

テントでの避難生活を余儀なくされている人は144万人に上るとされ、被害が広い範囲に及んでいることから、被災地では水や食料など生活に必要な支援が行き届いていないという声も上がっています。

さらに被害が大きかった南部カフラマンマラシュでは、今も電気や水道がなくテントの中で地面にマットを敷いただけの避難生活を続けている人たちもいて、家族4人で避難している男性は「寝られる場所や、食料や飲み水、トイレすらなく、政府はここに人が避難していることを把握していないのではないか」と訴えていました。

UNDP=国連開発計画は、トルコだけで1億トンから2億トン余りのがれきが発生したと推定していて、大量のがれきの撤去も大きな課題になっています。

一方、シリアでは、内戦でアサド政権と対立してきた反政府勢力が支配する北西部で大きな被害が出たものの、首都ダマスカスに送られた各国からの支援物資が北西部には十分届いていないとも指摘され、厳しい状況が続いています。

“生活に必要な支援が行き届いていない”

発災から1か月がたち、避難生活の長期化が懸念される中、被災地では生活に必要な支援が行き届いていないといいます。

スザンさん 
「一番必要なのは家です。テントにはずっと暮らせないし、安全で守られ、尊厳を持って前に進むためにも必要です。また、母子には特別な支援が必要です。こうした状況でもたくさんの赤ちゃんは生まれています。しかし、十分な医療的ケアがありません。女性は特別なニーズ(生理)もあります」

また、時間の経過とともに、継続的な支援が滞ることを懸念しています。

スザンさん 
「時間の経過とともに人々の関心が少しずつ薄れてきていると感じています。重要なのは、危機は終わったわけではなく始まったばかりだということです。まだ、がれきに埋もれた遺体もあります。まち全体が墓場のような状態です。第2の危機の可能性を考えて感染症を防ぐことが重要です」

日本の私たちに求められるものは?

日本に住む私たちに、今、何ができるのか。 
スザンさんは、最も効果的な支援は、継続的な寄付だと訴えています。

スザンさん 
「金銭的な支援によって人々は生活を再建し、少額でも子どもを含め家族を救うことはできます。人間こそが人間を救うことができます。絶望的な状況でも希望はあります」

物資の支援だけでなくて、お金の支援、言葉の支援、どれも大事だけど、何より、人間を助けられるのは同じ人間だけです。だからこそ、災害の痛みがわかる日本に、トルコ・シリアにとっての希望になってほしいと話していました。

3月11日には、被災したシリアの人たちを支援するためのチャリティーイベントが東京・恵比寿で開かれ、スザンさんはトークセッションに出席して現地への支援を呼びかけることにしています。会場では募金も呼びかけるということです。

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