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マスク緩和 学校・公共交通機関・高齢者施設 着用の判断どうする

  • 2023年2月13日

3月13日から個人の判断に委ねられるマスクの着用について、文部科学省は、学校での教育活動では4月以降、着用を求めないことを基本とする方針を全国の教育委員会などに通知しました。卒業式の対応を含めた通知内容の詳細に加え、電車やバスに乗る際の考え方、高齢者施設の受け止め方と対応などについてまとめました。

教育活動 “着用求めないことを基本”

文部科学省は、マスク着用について4月以降の新学期や来月の卒業式における考え方を全国の教育委員会などに通知しました。

〇4月以降の教育活動
通知では4月以降の学校での教育活動について、「マスクの着用を求めないことを基本とする」と明記していて、「教育活動」には体育を含めた授業全般や合唱、運動部の活動などが含まれるということです。

〇卒業式
また卒業式についてはマスクを着用しないことを基本としますが、国歌や校歌の斉唱、複数の児童、生徒によるいわゆる「呼びかけ」などではマスクなどの対策をした上で実施するように求めています。

〇卒業式(来賓・保護者)
また来賓や保護者の参加人数について「感染対策上での制限は必要ない」としていて、そうした人たちにはマスクの着用を求め、座席間の距離を確保するということです。

〇必要な指導や対応
あわせて、基礎疾患などさまざまな事情でマスクの着用を希望する児童生徒がいることなどから、学校などがマスクの着脱を無理強いしないようにすることや、差別が起きないよう適切に指導を行うことを求めています。

児童の受け止めは 校長は

卒業式や学校の授業などをめぐるマスクの方針について、児童からはさまざまな声が聞かれました。東京・新宿区にある西新宿小学校の児童に話を聞きました。

6年生

3年ぶりに友だちの顔が見られるし、ワクチン接種もしているので卒業式当日はマスクを外すつもりです。

6年生

感染のリスクが高まるので、わたしはマスクを着けます。みんなと過ごす最後の日なので、個人の考え方は違うかもしれませんが、一緒に卒業式を楽しみたいです。

この小学校は政府の方針を受けて卒業式のマスク着用について改めて検討し、2月中にも保護者に伝えることにしています。

西新宿小学校 長井満敏校長
「マスクを外すことを気にする子どももいるため、徐々に慣れていってもらうことが必要だと思います。マスクについてはさまざまな考えがあるため、できる限り個人や家庭の判断を尊重したいと思います」

公共交通機関でのマスク着用の考え方

政府はマスクの着用についての新たな指針の中で、公共交通機関でのマスク着用の考え方を公表しました。

〇全員着席可能な交通機関
公共交通機関を含め「屋内では基本的にマスクの着用を推奨する」としている現在の取り扱いを改め、3月13日以降は、おおむね全員の着席が可能な新幹線や航空機、船、タクシーそれに高速バスなどではマスクを外すことを容認します。

〇混雑した電車やバス
通勤ラッシュなど混雑した電車やバスでは周りの人に感染を広げないためマスクの着用を推奨するとしています。

〇混雑していない電車やバス
国土交通省によりますと混雑していない電車やバスでのマスクの着用については、「各事業者の判断に委ねる」としています。

国土交通省は今後、こうした考え方について公共交通機関の各業界団体などに周知し、ガイドラインの見直しや利用者への丁寧な対応を求めることにしています。

高齢施設はどう対応 感染リスク懸念も

重症化リスクが高い高齢者が暮らす介護施設では今後、マスクを付けない人が増えれば高齢者に感染させてしまうリスクが増えるのではと懸念の声が聞かれました。

高齢者50人あまりが入居する東京・文京区の介護付きホームでは、3年前の2020年以降、職員のマスク着用は必須で、面会に訪れる家族にも着用を求めています。施設で1人でも感染者が出れば、面会を制限しているということです。

面会した人

マスクを外せるなら外して母親に会いたいと思いますが、こういった施設では高齢で基礎疾患がある人も多いので、予防の観点でも必要だと思います。

施設では、高齢者が重症化しやすいことや施設内で広がるおそれもあることから、今後もマスクの着用を徹底するとしています。

社会福祉法人「三幸福祉会」柳沼亮一 企画開発部長
「これから世の中がどんどん緩和ムードになってくると、マスクを付けない人が増えて、家族も職員も感染しやすくなり、私たちが媒介になって高齢者に感染させてしまうリスクが増えることを懸念している。感染防止の意識を日々確認し、よりいっそう徹底していきたい」

“感染させない配慮を持ってマスクの着用を判断”

基本的対処方針分科会の尾身茂会長は、今後のマスク着用の考え方について「基本的には人々の判断や選択に任せることが重要だというのが専門家の一致した意見だ」と説明しました。その上で次のように述べています。

「マスクは万能ではないが、感染対策には一定の効果がある。高齢化が進んだ日本で高齢者の間でクラスターなど大きく感染が広がれば多くの人が亡くなってしまう。こうした重症化リスクの高い人たちが感染する機会をなるべく減らしたほうがよく、そのために配慮することが重要だ。混雑した公共交通機関を含め不特定多数の人がいて、換気が悪く、密になるような、感染リスクの高い場面ではこれからもマスクの着用を考えてもらってもよいのではないかと思う」

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