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コロナ飲み薬ゾコーバ 副作用の報告は?処方や調剤先を拡大

  • 2022年12月13日

新型コロナウイルスの飲み薬で塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」について、厚生労働省は12月15日から都道府県が選定した医療機関でも処方できるようにすると発表しました。9月に発表された治験による薬の効果や、使用が始まってからの副作用の情報などについてまとめました。

ゾコーバ 重症化リスク低い患者も軽症段階から

塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」は、重症化リスクの低い患者も軽症段階から服用できるのが特徴で、11月22日に使用が緊急承認されました。いわばインフルエンザの「タミフル」のように広く使えるイメージの飲み薬で、12歳以上なら重症化リスクが低い人でも使えるということです。

当初供給先 仕組み同じ薬の処方実績ある医療機関など

「ゾコーバ」は国内の製薬会社が開発した初めての飲み薬でもあり、医療機関などへの安定した供給につながることも期待されています。
ただ、妊娠中の女性などは使用が禁止されていることや、複数の医薬品が併用禁止になっていることから、安全対策として当初の2週間程度は薬が働く仕組みが同様のファイザーの飲み薬を処方した実績がある医療機関などから供給を始め、12月12日の時点で、およそ4800の医療機関などが登録されていました。

都道府県選定の医療機関や薬局で12月15日から

厚生労働省は、その後、大きな問題は報告されなかったことから、特に条件を設けず12月15日から都道府県が選定した医療機関での処方や薬局での調剤ができるようにすると発表しました。
そのうえで安定的に供給できるよう厚生労働省は塩野義製薬と追加で100万人分を購入する契約を結んだということです。
処方可能な医療機関について、今後、都道府県などのウエブサイトで公開するとしています。

“これまでに重篤な副作用の報告なし”

一方、塩野義製薬によりますと、使用の承認後、12月4日までに推定で1024人が「ゾコーバ」を使用したということで、5人が頭痛や下痢などの症状を訴えたものの、重篤な副作用は報告されなかったということです。使用した患者の年代は、20代から50代までがおよそ75%を占めたということです。

“最終段階の治験で症状改善の効果を確認”

「ゾコーバ」について、塩野義製薬はことし9月下旬、最終段階の治験で発熱などの症状が出る期間が短くなり、症状を改善する効果が確認されたと発表しています。

治験は、日本など3か国でことし2月から7月中旬にかけて重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの軽症から中等症のコロナ患者1821人を対象に行われたものです。

発症から3日以内に服用を開始したグループでは、オミクロン株に特徴的なせきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、けん怠感、発熱・熱っぽさの5つの症状すべてが7日前後でなくなり、症状が出ていた期間が約24時間短縮されたということです。

投与は1日1回、5日間行われましたが4日目の段階でウイルスの量が偽の薬を投与された人に比べて30分の1程度に減り、重篤な副作用はなかったとしています。

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