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イベント「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」満員御礼!

ドラマ出演者たちの“実感”をダイジェストでお届けします
  • 2023年12月21日

     

    約250人にご来場いただきました

    土曜ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」のトークイベントを、12月17日(日)中央大学茗荷谷キャンパスにて開催しました。ドラマ出演者・制作者などによるトークを中心に、番組の見どころや、ドラマを通じて、ろう者、難聴者、聴者(耳が聞こえる人)ともに暮らしやすい社会への理解や関心を深めることを目的としたこのイベント、はじめから終わりまで笑顔が絶えない1時間半でした。
     

    4人の登壇者によるトークイベント

    イベントの登壇者は、出演者の那須英彰さん、南雲麻衣さん、中央大学法学部の長島佐恵子教授、ドラマ制作統括の伊藤学プロデューサー、司会は松尾剛アナウンサーです。

    那須さんは、閉ざされた世界に生きてきたろう者・菅原吾朗役を、南雲さんは、殺人事件との関連を疑われるろう者の家族の娘、門奈幸子役を演じています。

    菅原吾朗役 那須英彰さん
    門奈幸子役 南雲麻衣さん

    新たなドラマ作りへの挑戦

    伊藤プロデューサーから、ろう者・難聴者の役を実際のろう・難聴の俳優が演じることを方針に、80人が参加したオーディションを実施したことや、本番撮影前に現場での意思疎通を図るために「模擬撮影」を行ったことなど、新たなドラマ作りに挑戦したことについて紹介されました。

    ↓ 伊藤プロデューサーのブログはこちら ↓ 

    難役を演じるために

    手話には、身振り手振りのような「ホームサイン」や、「日本手話」「日本語対応手話」など、その人によって違いがあります。那須さん、南雲さん双方とも、それぞれの難役を演じるために、手話表現や感情表現について、研究や工夫を重ねて撮影に臨んだことをお話しいただきました。

    那須さん

    演じる菅原の手話は、ホームサインを使います。感情が高ぶるところについては、 実際前にお会いしたろうの方も同じ反応があったんですが、言ってる事が分からないと、気性が荒くなっていろんなものを投げたりと。
    それを激しく演じたのですが、マイクが私の頭にぶつかってしまい「コテン」とマイクが動いてますね(笑)

    南雲さん

    演じる幸子はデフファミリー(家族全員ろう者)ですので、家族が聴者である私は、家庭環境も家族関係も経験したことのない役をどう表現したらよいか。幸子はこれまでどんなことがあったのだろう、どんな性格なんだろう、ということを自分の中に取り入れて演じました。
    撮影現場に行くときも、楽しい気持ちではなく、役作りのため、あえて暗い気持ちで臨みました。

    コミュニケーションの大切さ

    撮影現場において、スタッフ全員で意見を出し合って取り組んだことなど、コミュニケーションをしっかりとったことで、1人ひとりの安心感につながり、チームワークも芽生えたことをご紹介いただきました。
    そこで改めて、コミュニケーションの大切さについて、登壇者の皆さんにお話しいただきました。

    那須さん

    聴者が「当たり前」にしていることと同様に、ろう者の世界でもまた違う「当たり前」が存在します。聴者の方にも、ろう者の世界に入り込んで、双方の世界が広がることになればと。私自身、それを遠慮なく伝えていくことを心がけています。

    南雲さん

    聴者とろう者はコミュニケーションの手段が違うだけです。大切なことは「お互いに伝えていこう!」ということだと思います。「お互いに知ろう!」ということが大切なことじゃないでしょうか。

    長島教授

    聴こえる人はすごく「サボっている」のではないかと、改めて感じました。「お互いわかってるよね」と表現しないで済ませることで、すれ違いが生じてしまうことがよくあります。「お互いわからないことがあるから、コミュニケーションのやり方を学んで理解しよう」というところからスタートする気持ちを、私たちも持っていきたいと思います。

    登壇者の皆さん、ありがとうございました!

    イベント終了後、学生による座談会も開催

    会場である中央大学の学生の呼びかけにより、那須さんと南雲さんを囲んだ座談会も開催されました。学生の皆さんは、那須さんと南雲さんを面前にして最初はかなり緊張していましたが、次第に緊張もほぐれ、和やかに会が進んでいきました。学生の皆さん1人ひとりからの質問に対して、お2人より優しく丁寧に答えていただきました。

    学生による座談会の様子
    南雲さん

    学生の皆さんとお話しできて、本当にうれしかったです。もっともっと知ってほしいことは、たくさんあります。ドラマも見てもらいたいですが、これから先、皆さんには、ろう者・難聴者の世界も、ちょっとのぞいてみてほしいなと思います。

    那須さん

    改めて、議論をする事って大事だなと思いました。その議論が1つずつでも、社会が変わっていくきっかけになりますし、興味を持って質問するということも、社会が変わっていくものだと。
    これからの人生先は長いですから、やって失敗するということは、かまわないことだと思います。やらないよりも、失敗をしたあとにどう変化していけばいいか考えるきっかけになるので。1つずつ「扉」が開いていきますよ!

    座談会の終了後に、参加した学生の皆さんに話を聞きました。 
    「ダイバーシティの実現に向けて、今後どうしていきたいと思いますか?」

    今後人生において、多様性の中で自分らしさを表現していけたらと。まずは、人とコミュニケーションをとる時に、ちゃんと相手の目を見て、表情豊かに笑顔でコミュニケーションをとっていこうと思っています。

    これからは、アンテナを張って意識すれば、情報もどんどん入ってくると思うので、自分と異なる立場にいる人に目を向けたり興味を持つことが、ダイバーシティの実現につながっていくのではないかと思います。

     

    大学生の皆さんとの記念撮影

    12月20日「首都圏ネットワーク」で紹介しました

    NHKプラスの見逃し配信で12月27日(水)19:00までご覧になれます。こちらから

    「首都圏ネットワーク」は“明日につながる、あなたとつながる”1時間。最新ニュースや防災・経済など生活に役立つ情報満載。平日の夕方に毎日放送している、暮らしのヒントが見つかる地域密着番組です。

    土曜ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」

    「あなたは、私たちの味方?それとも敵?」 聞こえない両親をもつコーダ(CODA=children of deaf adults)の荒井尚人(草彅剛)が、法廷での手話通訳をきっかけに過去の事件と対峙する…。現在と過去が複雑に絡みあう社会派サスペンスです。

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