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冬こそ注意!バランス力で転倒防止

  • 2024年1月24日

冬は雪や路面の凍結などによって転びやすいのはもちろん、厚着によって動きにくかったり、寒さで筋肉がかたくなったり、思わぬ転倒が増える時期です。
高齢者に関しては、転倒が要介護のきっかけを作る大きな要因だというデータも…。
バランス力を高め、対策することで、転ばない体を手に入れましょう!

<教えてくださる方>

公益社団法人 日本リハビリテーション医学会理事長
慈恵医大病院 リハビリテーション科主任教授
安保雅博さん

古谷
アナウンサー

転倒しないために必要なのは?

 

安保さん

バランス力。バランス力とは「姿勢を保つ力」とも言えます。平衡機能に加え、筋力や判断力、柔軟性など総合的な力が必要です。ここでみなさんのバランス力をチェックしてみましょう。

 

1つでもチェックがついたら要注意。他にも、片足立ちが何秒できるかというのも大事な指標です。片足を地面から5cmほど浮かせて何秒立っていられるかというもので、平均は20~30秒くらいです。平均以下の方はバランスに問題がありますので、特に対策が必要です。

 

バランス力は鍛えられる?

 

バランス力は総合的な力なので、何かの能力が下がってきても得意なものを伸ばせば補うことができます。トレーニングをすると2週間で変化がみられ、2か月でものになります。

安保さん直伝のトレーニングを3つご紹介!

バランス能力を鍛える!「はさみ足歩行」

 

前後左右の不安定性を制御するためのトレーニングです。不安な場合は、壁や机などすぐにつかまることができる環境で行ってください。

1.両足を揃えて立ち、右足を左足の前を通り越し、左足の左側につく。
2.左足を後ろから抜いて両足をそろえる。
3.5~10歩繰り返す。
4.(1)~(3)を左右を変えて行う。5往復すると効果的。

バランス力×筋トレ!「片尻浮かせ体曲げ」

 

座って行いますが、片足バランスに股関節周りの筋トレが加わったものと考えてください。

1.椅子に座り、座面から右足と右尻を浮かせる。
2.体の中心が真ん中にくるように体を曲げる。
3.5~10秒キープする。
4.(1)~(3)を左右を変えて行う。

総合力を鍛える!「大きな空中歩行体」

 

バランス力UPに筋トレ、柔軟力UPも加えたトレーニングです。

1.こぶしを握って脇をしめ、ひじは90度に曲げる。
2.右手はひじがのびるようにまっすぐ前へ、左手はひじをうしろにひく。
3.右足をももから上げる。
4.(2)(3)を左右を変え、交互に10~20秒繰り返す。

 

 

転ばないためにできることは、日常生活でもたくさんあります。実は、高齢者の転倒の約7割は家の中でおきています。

 

防ぐためにはどうしたらいい?

 

室内をきちんと片づけておくこと。スリッパを履かずに5本足靴下を履くこと。突っ張り棒や手すりを家中につけること、夜のトイレ対策としてセンサー付き照明をつけることなど、できることはたくさんあります。

 

さらに、歩きながら振り向く、歩きながら財布を取り出すなど、「“ながら”をやめる」ことも大切です。課題が複数あると意識が分散してしまうため、一度にやるのは1つだけということを心がけてください。

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