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インフルエンザもう流行? 学級閉鎖相次ぐ 小児科で患者急増 千葉

  • 2023年9月13日

例年であれば、真冬に子どもを中心に流行するインフルエンザ。

それが今年は、暑さの残る9月上旬から急増し、「流行」の状況に。千葉市内では25校以上の小中学校が学級閉鎖となる異例の事態が起きています。

ワクチン接種が始まる前に感染が広がることで、小児科の医師は重症化を懸念しています。

(千葉放送局記者・金子ひとみ)

9月にインフルエンザ急増

船橋市の小児科クリニックです。8月下旬からインフルエンザの感染者が目立つようになり、9月に入ってからは急増したといいます。

直近1週間の感染者数は、前の週の4倍以上。

診察では、インフルエンザへの感染が確認された9歳の男の子に対して、療養について説明が行われていました。

船橋青い空こどもクリニック 松本歩美 院長

A型のインフルエンザでした。お薬を出しておきますね、お薬は粒で大丈夫ですか?

出席停止期間は、きのう熱が出たのできのうが0日で、5日めまでおやすみしてください。最後の2日間に熱が下がって元気だったら、6日めに登校できます。登校再開する際には証明書はいらないと思います

インフルエンザA型が陽性

9月11日には、1日で14人の感染が確認されたといいます。新型コロナとの同時感染が確認された子もいたということです。

松本医師

9月にインフルエンザが流行するというのも珍しいですし、立ち上がり方・数の増え方が、経験のないほど急激だなと感じています。

通常、流行が始まる時は、地域差があって、一部の小学校や中学校で増えて学級閉鎖が起きるという傾向ですが、今年は地域とか学校とか関係なく、同時多発的に感染が起こっています。

患者の多くは小中学生

インフルエンザは、新型コロナと同じ5類感染症に指定されています。

一般的なかぜに比べると、38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が急に現れます。

子どもではまれに脳症を引き起こしたり、高齢者などでは肺炎を起こしたり、症状が重くなりやすいのが特徴とされています。

松本医師

今のところ、感染者はほとんどが小中学生です。

急に高熱が出て、かなりだるい感じや関節痛、頭痛が出るなど、いきなり重い症状が出る子が多いです。

例年の流行期は12~3月

千葉県によりますと、インフルエンザは例年12月から3月にかけてが流行シーズンとされています。

PCR検査の様子

流行の目安となるのは、「定点把握」による1医療機関あたりの患者数が「1人」を超える状況です。

ところが、9月3日までの1週間で、前の週の2.7倍となる「4.20人」に急増。すでに流行の目安を大きく上回っています。

全国の感染状況

全国の1医療機関あたりの患者数は平均で2.56人。千葉県は、沖縄県、宮崎県、三重県に次いで、全国4番目に多くなっています。

県内16保健所別の感染状況は、次の通りです。松戸保健所管内が最も多くなっています。

松戸保健所管内 8.3
柏市保健所管内 5.5
千葉市保健所管内 5.4
印旛保健所管内 4.3
長生保健所管内 4.2
市川保健所管内 3.8
君津保健所管内 3.8
市原保健所管内 3.8
香取保健所管内 3.7
船橋市保健所管内 3.5
習志野保健所管内 2.5
海匝保健所管内 2.5
野田保健所管内 2.1
夷隅保健所管内 1.2
安房保健所管内 1.0
山武保健所管内 0.8

千葉県のまとめでは、感染者のうち73%が10代以下ですが、そのほかの年代にも広がりつつあるということです。

学級閉鎖相次ぐ 千葉市で20校以上

インフルエンザの感染拡大にともなって、夏休み明け早々の学級閉鎖が相次いでいます。

9月8日までに、千葉市では全区にある市立の小中学校25校で学級閉鎖や学年閉鎖となりました。

市川市で9校松戸市や習志野市でそれぞれ5校が学級閉鎖となるなど、各地に広がってきています。

なぜ感染者増? 予防対策は?

金子記者

なぜ「インフルエンザ」の感染者が増えているのでしょうか?

松本医師

コロナ禍も原因の1つだと思います。

3年間、新型コロナ以外の感染症があまり流行せず、インフルエンザやほかの感染症の抗体が下がっている方や、抗体のない方の割合が増えています。みなさんが感染症にかかりやすい状況にあると思います。

また、夏休みにみなさんが活動していろいろな地域に行き、インフルエンザが持ち込まれて8月後半にじわじわ増えていたのが、学校が再開したことで急増したのでしょう。

金子記者

この時期にこれほど急増することで、どのようなことを懸念しますか?

松本医師

ワクチンの接種前に感染がさらに拡大してしまうことが心配です。

インフルエンザのワクチンは、その年に流行する株の予測のもとに製造されるため、流通するのが10月になります。

その時期を迎える前に流行が始まっていますので、免疫のない方や、免疫の低い方が感染して症状が重くなるのではないかと心配しています。

金子記者

どのような感染対策が必要でしょうか?

松本医師

インフルエンザも新型コロナと対策としては変わりはなく、手洗いとうがいをこまめにしていただくことが大事です。

体調の悪い方は他の方にうつさないように、できればマスクをしていただきたいなと思いますし、無理して外出せず、家で過ごしていただきたいと思います。

金子記者

どのようなタイミングで受診すればよいでしょうか?

松本医師

お子さんの場合、ぐったりしていたら、早めに受診していただきたいです。

ただ、検査に関しては、症状が出てから一定時間経たないと陽性反応が出ないこともありますので、それは了承した上で、受診いただければと思います。

金子記者

今後はさらに感染者は増えるでしょうか?

松本医師

流行は広がるのではないかと感じています。

医療機関で1日に見られる患者さんの数には、どうしても限界があります。

今年の感染状況では、今後、その限界を超えてしまう可能性もあります。コロナ禍の発熱外来もそうでしたが、インフルエンザによって医療崩壊のような事態にならないことを祈っています。

取材後記

夏休み明け早々の9月6日、千葉市から「インフルエンザによる学級・学年閉鎖について」という報道発表がありました。9月のこの時期に、学級閉鎖が13校、学年閉鎖が2校となっているというその数の多さに驚きました。

取材に伺った日、松本医師のクリニックでは、午前の診療時間が終わってから1時間半ほどたって、ようやく全員の診察が終わるという状況でした。次々とつらそうな子どもたちが、保護者とともにクリニックをあとにしていました。

全国各地で「インフルエンザ流行期入り」の発表が今後、相次ぐのではないかと思います。

わが家でも、新型コロナウイルス2回、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、手足口病などたくさんの感染症を経験してきましたが、子どもが一番苦しそうだったのがインフルエンザでした(ワクチンを打ち、薬を飲んでも)。

まずは、ワクチンが流通し始める10月までの間、いつも以上に感染対策を意識して過ごしたいと思います。

  • 金子ひとみ

    千葉放送局 記者

    金子ひとみ

    今年は早めにインフルエンザワクチンを打ちたいです。

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