(※2023年9月28日に記事を更新しました)
「スポーツドリンクを没収され、約4時間、水なしでした」
SNSに投稿された夏フェス参加者の声です。千葉市で行われた「SUMMER SONIC」(サマーソニック)で、熱中症とみられる症状を訴える人が相次ぎました。
これをきっかけに議論が起きたのが、会場の1つ「ZOZOマリンスタジアム」のグラウンドで糖分を含む飲料の持ち込みを禁止するルールです。
猛暑が続く中で、参加者の安全をどう守るのか。このたび長年続いたルールが見直されることになりました。
(千葉放送局記者・浅井優奈)
「ZOZOマリンスタジアム」のグラウンドへの持ち込みルール。スタジアムを所有する千葉市などが、見直しを決めました。
これまでは人工芝の品質を保つため、利用ルールの中で、スポーツドリンクなどの糖分が入っている飲み物や、塩分補給のタブレットを含む食品の持ち込みが禁止されていました。
しかし、今後は次の条件を満たした場合、グラウンドへのスポーツドリンクなどの飲料や食品の持ち込みを認めるよう見直しを決めました。
▼グラウンドの全面をシートで覆うこと
▼イベントの終了後に清掃を行うこと
▼カン・ビンを持ち込まないこと
ルール見直しのきっかけとなったのは、8月19日と20日の2日間、「ZOZOマリンスタジアム」や「幕張メッセ」などで行われた「サマーソニック」です。
最高気温が35.2度となり、熱中症警戒アラートも出された8月19日。会場の1つとなった「ZOZOマリンスタジアム」では、およそ50人の参加者が熱中症とみられる症状などで手当てを受け、中には救急搬送された人も出る事態となりました。
なぜこのような事態になったのか。
SNSでは、猛暑の中で「会場の一部にスポーツドリンクや塩分を補給する食べ物などが持ち込めなかった」という声が相次いで投稿されました。
スポーツドリンクを没収され、約4時間、水なしでいました。手が上がらない。痺れもある。ほんとやばかった。
サマソニ楽しかったけど、アリーナへの塩分タブレット没収されたのがモヤモヤする。熱中症対策で持って行ったのに意味ない。
「ZOZOマリンスタジアム」のグラウンドでは、市などが定めたルールに沿って、「水」「お茶(無糖)」のみ持ち込み可能で、スポーツドリンクなど糖分を含む飲料などの持ち込みが禁止されていました。
スタジアムを所有する千葉市の神谷市長は、8月24日の記者会見で、このルールに言及しました。
かつては人工芝の品質が良くなかったため、糖分を含む飲料がこぼれると、しみやべたつきで野球での使用に支障が生じるおそれがあった。
このため、以前に定められていた「利用の手引き」で、人工芝のグラウンドでは、水やお茶以外の飲食を禁止するルールを設けていた。
現在は人工芝の品質が向上したが、一部のルールが当時から踏襲されていて、今回の主催者もそのルールに沿った対応をとっていた。
そして今後、このルールが妥当か見直しを進める考えを明らかにしました。
夏場にイベントを開催する際の環境が明らかに変わってきており、このルールが妥当なのか見直す必要がある。
指定管理者と協議しながら、適切なルールを検討していきたい。
猛暑が続く中、夏場のイベントをどう安全に開催していくのか。
今回の件をきっかけに、スタジアムでは少なくとも17年以上前から続いていた利用のルールが見直されることになりました。
しかし、今後も熱中症への対策は常に考えていく必要があります。
千葉市は、「利用者の健康に留意し、今後も主催者と連携して対策に取り組んでいきたい」としています。
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