宮城の方言かるた

明けましておめでとうございます。
本年も「みやぎUP-DATE」をよろしくお願いいたします。

ということで今回はお正月企画!
宮城の方言かるたを調査しました。

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方言かるたとは「その土地の方言を集めてかるたにしたもの」です。
ジャス隊が調べたところ、県内には主なもので5か所に方言かるたがあることが分かりました。この他にも学校などで作られているものもあります。

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この中から、今回は「名取方言かるた」を取材してきました。


いざ、名取市へ!

このかるたを作った、名取市の「方言を語り残そう会」のみなさんのもとを訪ねました。

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名取方言かるたは、地域の方言を形に残そうと2011年に完成。
46枚のかるたは、地域の高齢者から集められた400句以上の中から選びました。

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絵札は「方言を語り残そう会」の現会長・伊藤さんが担当したそうです。
仕事の合間にコツコツ書き溜め、1か月以上かけて完成させました。

どのような句があるのか、1枚ご紹介します。
こちらの句、どんな意味か分かりますか?

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あかあけず 家の中さ入るど あすた晴れ

「あかあけず」は赤とんぼという意味。
「赤とんぼが家の中に入ってくると明日は晴れる」という地域の言い伝えを句にしたものです。


実際にかるた取りをしてみよう!

「名取方言かるた」でかるた取りを体験してみました。

ジャス隊からは隊長・安藤さんと、大学かるた部出身の岩戸隊員。(人選が本気)

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対するのは方言を語り残そう会のみなさん。

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試合開始です。


「のどっぱみ すねよに喰えよ あんこ餅」

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参加者
「はい!」



「らんぷかん 叩いてすずめ 追っぱらう」

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安藤さん
「取りました~!」


ジャス隊も健闘しましたが、やはり意味が分かる地元の皆さんが強かったです。


方言は心の“ふるさと”

伊藤さんには、方言かるたにまつわる忘れられないエピソードがあるといいます。

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伊藤さん
「(平成)23年の3月に方言かるたができあがったんです。
震災の3日前にお披露目会をしたんですよ。」


方言かるたが完成した直後に起きた大震災。
伊藤さん自身も家を流され避難生活を送りました。

そんな中でも「方言を使うことでふるさとを感じてほしい」と、仲間とともに市内の仮設住宅でかるた取りなどの活動を7年間続けました。

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伊藤さん
「それをやった時にはみんなすごく楽しそうだったし、被災された人たちと仲良くなれるすごい近道だった。
名取のいろんな人たちに作ってもらった大切な大切な言葉を見ていただけでなごむ。
被災した方やいろんな人たちが集まってきて、その瞬間、そこがふるさとになれたっていう瞬間でした。」



方言かるたいろいろ

ほかの方言かるたにも、それぞれ特徴があります。

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例えば気仙沼弁かるたには、大漁旗やサンマなど気仙沼らしい絵札がたくさんあります。

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泉区根白石のかるたは、地域のかたが彫った木版画で作られています。
方言かるたにはこのように地域それぞれの個性が詰まっているんですね。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「方言かるたをやってみて、もちろん方言の勉強にもなるんですが、それ以上に地域の風習とか食文化とか色んな地域のことが学べるんですよね。
なので、誰もが楽しめるこのかるたを通じて、子供たちにもふるさとの情景が受け継がれていくと良いなと思いました。」

 



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