岩間瞳キャスターが取材!キクラゲ栽培に挑戦 25歳の農家

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いま収穫の最盛期を迎えている旬のきのこ「キクラゲ」。
キクラゲは輸入品がほとんどで国内産は珍しいのですが、
実は、宮城県は生産量が全国4位!有数の産地なのです。
今回は、このキクラゲの世界に飛び込んだ若手農家を取材しました。

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白石市に住む佐藤主彬さん(25)。
3年前、大学を卒業後すぐに未経験だった農業の世界へ飛び込みました。

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佐藤さんは1人で年間およそ700キロを生産しています。
ハウスに入ると、ずらっとキクラゲが並んでいました。
菌床の穴をあけた部分からニョキニョキと生えてくるそうです。

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中国では漢方薬にされるほど栄養価が高いキクラゲは、低糖質・低カロリーで
コラーゲンや食物繊維も豊富です。

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佐藤さんがキクラゲ栽培を始めたのは、大好きだった祖父が残した農業用ハウスを
なくしたくないという思いからでした。

佐藤さん
「昔から祖父がハウスで作業をしているところを見ていたので、ハウスが無くなってしまうのはもったいないと思いました。」

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ハウスをどう生かしていこうか考えた末
「きのこ栽培なら棚を組めば空間を最大限生かせる」と考えた佐藤さん。
中でも、母親の料理によく出てきたキクラゲを選んだのです。
しかし、はじめはうまく育てることができず、県内のキクラゲ農家に教えてもらったり
インターネットで調べたりして手探りしながら栽培を続けたそうです。

佐藤さん
「もう完全に見よう見まねでした。まだ認知度が低い食材だと思うので、これをどう広げていこうという挑戦心で頑張ってきました。」

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佐藤さんのハウスの中も手作り。
最初に使ったのは、家にあったインテリア用の棚でした…!

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さらに
「ひとりで管理するのがとても大変だったので、IoT家電を活用しました」という佐藤さん。
工夫の1つとして見せてくれたのは、量販店にも売っているスマートプラグ。
インターネットにつながり、スマートフォンで電気機器を操作することができるため
外出先でもハウス内の温度や湿度を管理することができます。

佐藤さん
「もともと農業をやったことがなかったので、使えるものをどんどん使っていこうというスタンスで取り組んでいます。」

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そんな佐藤さんのキクラゲは、市内の産直施設でも販売されています。
今並んでいるのは、乾燥させたものではなく収穫時期しか食べられない“生キクラゲ”です。

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このおいしい食べ方を教えてもらいました。

まずは「キクラゲの刺身」。
沸騰したお湯で30秒ほどゆで、氷水で冷やし、わさびじょうゆでいただきます。
きのことは思えないプリプリの食感が、この暑い夏にぴったりでした。
(ちなみにゆで汁にはキクラゲの出汁が出ているので、
捨てずに汁物などに活用すると良いそうです)

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そして、キクラゲをたっぷりトッピングした「キクラゲサラダ」に…

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天ぷらもあります!
こちらも食感がよく、衣のサクサク感とキクラゲのコリコリ感が相性抜群でした。

佐藤さん
「サブ食材のようなイメージが強いので、主役で食べられる食材になっていってほしいと思っています。」

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佐藤さんはキクラゲで白石を盛り上げようという挑戦も始めています。
レストランでキクラゲのフルコースを提供するイベントを開いたり
飲食店と新メニュー「キクラゲ白石温麺」を開発したりするなど、
地域の人たちに声をかけて、様々なコラボレーションをしてきました。

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7月8日に白石城で行われたイベントには佐藤さんの姿が。

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この日用意したのは、キクラゲがたっぷり入った「肉まん」です。

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実はこれも、市内の旅館の若おかみとの共同開発です。

旅館の若おかみ 安倍由夏さん
「私1人の活動ではみつけられなかったような地域の横のつながりが今回生まれました。そういう仲間が地元にいてくれるのはすごく心強いです。」
佐藤さん
「自分だけではなくこの地域も一緒に盛り上げられたらいいなと思ってキクラゲを栽培しています。いつか白石市の特産品になれるように頑張ります。」

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佐藤さんのアイデアは尽きません。
多くの人にキクラゲを気軽に生活に取り入れてもらえるよう
お菓子やみそ汁などに混ぜて使える「キクラゲパウダー」も開発したいということです。

「初めて挑戦することは全部わくわくする」とい目を輝かせて話す佐藤さんの姿が
とても印象的でした。
キクラゲも、佐藤さんも、
これから白石のまちを盛り上げる存在になっていくことを楽しみにしています。

【取材:岩間 瞳キャスター】

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