山﨑剛 楽天のショート定着へ 小野卓哉アナが取材

楽天のショートといえば、この人・山﨑剛選手。開幕から今シーズンは全試合ショートでの先発出場を続けています(6月20日現在)。力強いバッティング、走塁や守備で見せるスピードあふれる俊敏な動きでファンを魅了しています。これまでは、年間通した活躍がなかなか出来ないシーズンが続きましたが、2023年シーズンはショート定着に向けて奮闘が続いています。

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【コンディションを整えることが打撃を良くする】

4月中旬までは打率2割台後半もマークし、まずまずのスタート切った今シーズンですが、その後打率は下降。本人も、「率が落ちてきている。自分のやるべきことができなくなっている。修正していかないとな、という時期」と感じている通り、月間打率は4月が.240、5月は.217と率を落としています。現状のバッティングの取り組みについて山崎選手は、「自分の体の使い方だったり、そっちの方を僕は意識してるんで、体を整えること。疲れがたまってきて、体を振り出したりとか、そういう風になってきていたので、より力を抜いてやっていきたい」と語りました。これを解釈すると、『疲れてくるといつもの体の動きでは強く振れなくなるので、それを補うために体全体を振って、強いスイングに近づけようとする、するとただ体を振ってしまうことで、目線などに様々なブレが生じて、バッティングに狂いが生じてしまう』ということではないでしょうか。体の疲れはバッティングに悪影響を与える、これを防ぎたいという思いが伺えます。これまでプロでの5年間、年間の出場試合が最多でも79試合と、なかなかいい時期がシーズンを通して続かない印象もありましたが、この後も1軍での出場を続けるためには、コンディションをいかに維持するかが、ポイントになるのかもしれません。

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【攻めの守備が身上!】

山﨑選手のショートでの華麗な守備は、いつも目を引かれます。スピードを生かした守備範囲の広さは、ピカイチ。センター前に抜けるかという当たりをキャッチしたり、三遊間の深い所への打球にも追いつき、そこから1塁へ遠投して正確な送球でアウトにするなど、スピードに加えて、肩の強さ、送球のコントロールの良さも一級品と感じます。ショートの守備について聞くと、「攻めの守備。引かずに攻めて守りたい」というシンプルな答え。とにかく動きの良さが際立つ山﨑選手を表すコメントです。「ボールが飛んでくることが多い。打ち取った打球でエラーもあった。エラーはするもの。エラーした後をしっかり守れるように。打ち取ったあたりを全球アウトにする感じで守っている」…ショートの守備も必見です。

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【勝負強さを石井監督は期待】

山﨑選手を使い続ける石井一久監督。「今、出続けることが、キャリアの中で大事。どんな精神状態でもバットを振っていける。7番、8番で彼の勝負強さを生かしたい」と興味深い話をしていました。シーズン序盤、打席で結果が出続けている時でも、上位に上がらず下位打線を打ち続けていたことがあった中、上記の話が監督から出ました。俊足でもあり、1、2番を打つイメージを持ってしまいますが、ランナーがいる状態で回ることも多い下位打線で「勝負強さ」を期待する言葉。山﨑選手に期待される新たな役割を認識することができました。もう一つ、山﨑選手を評する石井監督の言葉は、「つまずいても、走り出すことができる」…これまでレギュラーに定着できなかったり、今季もミスがありながらのプレーの中、確実に前に進めているとの思いがあるようです。今後も連続出場を継続し、楽天の中心選手としての成長を期待したいと思います。
NHKでは、6月24日(土)のデーゲーム、楽天―西武を総合テレビで全国放送する予定です。どうぞお楽しみください!

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