世界を経験した点取り屋!日本代表・上野心音 チームを頂点へ<聖和学園 女子バスケット>

韓流男性アイドル“「TREASURE」(トレジャー)”が大好きで、
好きなメンバーのシール貼ったスマホを愛用する女子高校生。

バスケットのユニフォームに身を包むと、その表情は一変する。
女子バスケットボール・聖和学園の大黒柱、上野心音(うえの・ここね)選手だ。

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上野は、世代別の日本代表でも主力を務める3年生。
相手のディフェンスをものともせず、
様々なバリエーションで得点を重ねていく点取り屋。
高校生活最後となる冬の全国高校選手権(ウィンターカップ)では、
聖和学園を上位進出に導く活躍への期待が高まっている。

▼地元が生んだ逸材・上野心音 日本代表でも力を発揮

上野は仙台市の出身。
中学時代から選抜チームでプレーするなど、県内では一目置かれた存在だった。
地元の聖和学園高校に進学後も成長を続け、
2年生からは世代別の日本代表にも選ばれた。

世界を相手にしても実力を最大限に発揮。
今年(2022年)夏にハンガリーで開かれた世界大会では、
先発出場を勝ち取り、
主力としてチームトップの22得点を挙げるなど、日本代表を引っ張る活躍を見せた。

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(写真提供:FIBA)

▼世界の経験を経て、新たに自覚した「3ポイント」への思い

「世界を舞台に戦ったことが自分に対する自信にもなった」と話すほど、
上野にとって貴重な経験となった代表でのプレー。

さらには、自分のプレーの幅を広げる意欲にも繋がった。
代表活動を経てから特に取り組んできたのが「3ポイントシュートの精度向上」だ。

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類まれなハンドリングと積極性を武器に、ゴール下への仕掛けを得意としていた上野。
「海外の選手は、サイズ(身長や体格の大きさ)もあって身体が強い。
3ポイントシュートを磨くことで、
外も警戒される選手にならないと、簡単にはゴール下には攻められない」と感じたという。

今後も世界を舞台に戦うことを目指す上野にとって、
自身の将来を考えた上でも「3ポイントシュート」が大事な要素になると強く自覚した。


▼限られた時間の中、成長を求めて反復練習

実は、上野は聖和学園の特別進学クラスに所属している。
「0校時」と言われる朝の集中講義もあるため、
上野は朝早くからの個人練習でとにかく「3ポイントシュート」の練習に費やし、自身を追い込んだ。
フォームのぶれをなくすため、ボールを放ったあとに「フォロースルーを一定にする」ことを強く意識。
そうすることで、キャッチから打つまで“力み過ぎずにシュートを打つこと”が出来て、
確率が上がるという。
反復練習を重ねたことで、成果も徐々に表れてきている。

上野を指導する小野裕監督は、

「今年の夏以降、確率がよくなってきた。相手チームは、やっぱり上野のゴール下へのドリブルを抑えてくるので、少し下がって守る。そう対応された時にしっかりとスリーポイントを入れなきゃいけいというのを学んで、以前より少しずつ、ステップの時にスムーズに入れるようになってきた」

と、評価している。

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<聖和学園・小野裕監督>

上野にはこの冬激しいマークが予想される。
しかし、3ポイントを筆頭にプレーの幅を広げたことで、
「良い判断をして、必ずかいくぐる。3ポイントとゴール下へのプレーを精度よく組み合わせたい」と意気込む。

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チームのウィンターカップの最高成績は3位。
躍動を誓う上野の思いはひとつ、「初優勝」だ。
この冬、宮城のスター候補から目が離せない。

【取材:アナウンサー・黒住駿】