【専門家に聞く】飲食店や家庭内での正しい換気の方法

換気で心がけなくてはいけないことについて建築設備に詳しい東北大学・小林光准教授に伺いました。

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 Q.飲食店での換気で心がけることは?

【小林さん】まず飲食店の換気について建築設備の視点で言いますと、建物には換気設備がついています。まずはその建物についている換気設備をちゃんと使っていただくところから運用していただくのがよいです。

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建築についている換気設備は機械で換気をしているので、たとえばフィルターがつまっていたり、空気の取り入れ口がほこりで詰まっていたりしますと、換気がうまくいかないので、点検してうまく使っていただくことから、始めるのがよいです。

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Q.お店としてさらに換気したい際にできることは?

【小林さん】窓を開けるというのが一番簡単でわかりやすい方法です。1つしか窓がない場合であっても、まず窓それから入り口を大きく開けることによって空気の入れ替わりは起こりますので、その時点で換気が始まります。
それから、たくさんお客さんがいらっしゃった場合に、より換気を良くしようと思うのであれば、扇風機を使って外に向かって部屋の空気を積極的に出すと、窓の周りからは空気が入り、換気になります。

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扇風機を使うと吸い込み側(図上室内側)はあまり方向性がない空気を周りから全体から集めます。
それに対して扇風機の前側は、方向性をもって空気が出て行きますので、外に向かって空気を出すと部屋の中の空気を積極的に外へ捨てます。
その捨てた分は必ずきれいな空気が入って来るので、外へ向けて扇風機を置くと効率よく換気ができます。

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テナントの中に入っているような飲食店や窓の開かないオフィスでも、機械換気といって、機械的に換気が行われています。
この場合、換気量は設定を変えることで増やせる場合があります。テナントの管理者に、1度相談してみるのも良いかもしれません。

Q.一般家庭でできる換気は?

【小林さん】一気に換気をするのであれば、たとえばレンジフード(調理場の換気扇)のファンを動かして、窓も開けるとか、扇風機を使って、窓から部屋の空気を外へどんどん出してあげると空気の入れ換えがより促進されます。

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また、多くの家ではお風呂場の換気扇はお風呂のドアを開けて使えば、お風呂だけでなく家じゅうの換気に使うことができます。


ただ、このときにお風呂の窓を全開にして換気扇をつけると、風はお風呂の窓から入って、換気扇からすぐに出てしまいます。
お風呂を乾かすためにお風呂の窓を開けたまま放置すると、実は家じゅうの換気ができません。この場合はお風呂が乾いたら窓を閉めることが大事です。このように空気の流れを考えて換気することが重要です。

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