【専門家に聞く】新型コロナ禍の年末年始 どうやって過ごしたらいいの?

東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授に年末年始の過ごし方で気になる4つの点を聞きました。

fourattention.png

大掃除 何に注意すればいいの?

Q)1つ目に年末というと大掃除ですが、何に注意したらよいでしょうか?また、どんなところを重点的に掃除すると新型コロナ対策ができそうでしょうか?

賀来特任教授)以下のようなみんなが使うもの、あるいはよく触れるものに注意をしていただきたいと思います。

iechuiten.png

Q)この6つの中で、特に注意して掃除しなければいけないところはどこでしょうか?

賀来特任教授)新型コロナウイルスは、便からも出てくるということが言われています。ダイヤモンドプリンセス号でもトイレ周りはウイルスが付着していくことがありました。そういう意味でトイレは、まず重点的にしっかり掃除していただきたいです。他にも多くの方が触れる、例えばドアノブやテレビのリモコンなどは重点的に消毒していただきたいと思います。

Q)ウイルス対策という観点で掃除する時に使う洗剤のおすすめは?

senzai.png

賀来特任教授)アルコールも効果があります。界面活性剤、そして塩素系の消毒剤も効果があります。いろいろ、商品が出ていますけどそういった時のラベルを見ていただければ界面活性剤と書いています。こういったものを使って掃除をして頂く、いわゆるウイルスに効果があるものをことしは使っていただきたいと思います。
アルコールはもうすぐに揮発しますから、手が触れやすいところはアルコールの方がベタベタしないと思います。塩素系消毒剤は非常に強力ですが、金属面に触れるとそこがサビにつながるので、使ったあとは水拭きをしないといけません。掃除する時は目に見える大きなホコリとかごみはまず取って頂いて、そのあとこれらの洗剤を使ってよく拭き上げていくイメージです。

帰省では何に注意すればいいの?

Q)ずばり今年は帰省していいのでしょうか?

賀来特任教授)ことしは、もしどうしても帰らなければいけないのでなければ、少し我慢をしていただいたほうがいいかもしれません。

Q)どうしても帰省をしなければいけない方が気を付けるポイントは?

賀来特任教授)やっぱり、移動の時の注意ですとか。帰省した時での注意ということがあると思います。特に移動する、移動することそのものがリスクというよりも、移動に伴っていろんな不特定多数の方がやっぱり乗り物も利用しますよね。ポイントは不特定多数の方、いつも一緒にいる方以外の方と、どんな場面で、どう注意できるかです。

Q)移動手段ってたくさんありますね。新幹線、飛行機、車。おすすめは、何でしょうか?

賀来特任教授)もし不特定多数の方でなく家族だけということであれば、車が一番、不特定多数の方が乗らないですよね。


車に乗っているときに気をつけることは?

gaiki.JPG

車に乗ってる時の、気をつけることについて参考になる画像があります。
こちら、スーパーコンピューター富岳のシミュレーションです。これは青色に染まっていますが新鮮な空気が今これ十分取り入れられたと、中に滞留している空気が今一気に出たということを、示した画像です。外からの外気を取り入れるモードにしていると2分ぐらいで、空気は入れ代わるもんなんですね。

賀来特任教授)外気を取り入れるモードにすれば、かなり換気がいいわけですよね。ただ、換気あるといっても食べ物をしゃべりながら、食べたりとかマスクを外した会話だとか、そういうことには十分注意していただきたいと思います。

Q)仮に車の窓を開けたときの換気の機能は?

賀来特任教授)窓を開けてもいいです。運転手側の窓と、この対角線上の後ろの方が座っている窓は開けてもいいんですけど、今はすごい寒いでので、冬場はこういう外気取り入れ型のエアコンをつけるってことで対応できると思いますし、スーパーコンピューター富岳でもそのように解析されています。

Q)少なくとも内気循環、つまり車内の空気を回すということは避けてくださいということですね?

賀来特任教授)そうです。

食事など家での注意点について

Q)年末年始になるとやっぱり家族で食事する機会がとても増えると思いますが、何に気をつけたらいいでしょうか?

賀来特任教授)やっぱり食事する時は、ことしはできるだけ、静かに食べていただきたいと思います。食事しながら、楽しく食べるのが一番楽しいんですけどね。
もう1つは、アルコールですね。お酒を飲むのはすごく楽しいですが、お酒を飲むと聴覚細胞がまひして聞こえにくくなります。そしてお酒を飲むと大きい声出さないと、聞こえにくくなります。ですのでアルコールも少し控える、あるいは飲んでもいいですが、大きな声になることを避けるということは必要だと思います。

Q)年末年始外食を避けて家で例えばおせち料理、オードブル食べる方多いと思うんですけれども、そういったところで気をつけることは。

賀来特任教授)大きなお皿でみんなで自分のお箸を使って、食べるのは避けていただきたいと思います。小分けにして食べる、ということが、ポイントだと思います。

年末年始に体調が悪くなったら?

Q)年末年始に体調が悪くなった、発熱ですとかのどの痛みなど疑わしい症状が出た場合にはどこに相談すればいいのでしょうか?

賀来特任教授)まず具合が悪くなってずっと我慢っていうのはやっぱり難しいと思います。そういうときはあんまり遠慮なさらずにかかりつけの先生がおられたら、ぜひ、かかりつけの先生にまず、電話で、ご相談していただければと思います。

Q)年末年始で病院がお休みの場合は?

賀来特任教授)そういう時には、保健所など今そういった相談センターがありますからそういう所に連絡してみるのもいいと思います。

Q)体調がひどくなった場合の緊急の対応は?

賀来特任教授)これもしどうしても具合が本当に速くなったら、なかなか車で移動っていうのも大変ですから、本当に具合が悪くなった時は、救急車を呼んで頂いていいと思います。

もし疑わしい症状が出た場合は?

もし、疑わしい症状が出た場合は宮城県で以下の相談窓口を設けています。年末年始も24時間相談を受け付けているということです。
madoguchi.png