アメリカ大陸 コロンビア

カリブの宝箱コロンビア/カルタヘナ

初回放送
2020年3月10日
撮影時期
2019年12月
語り  
マキタスポーツ

カリブ海沿岸 コロンビアの港町、カルタヘナ。世界有数のリゾート地ですが、大航海時代には、海賊に何度も襲われたという歴史を持つ街です。色彩鮮やかな街で、音楽や踊りを楽しむ陽気な人々と出会います。

歩き方

街の基礎情報 カルタヘナ

場所:

コロンビア北部

人口:

約91万 (2020年時点)

景色:

カリブ海に面した港町 要塞化された旧市街と植民地時代の建物が特徴

人々:

陽気で明るい 音楽と踊りが大好き

産業:

観光業・商業など

交通手段:

タクシー、バスなど

行き方:

日本からコロンビアの直行便はないので、北米の都市を経由して行くのが一般的。所要時間は約20時間。ラファエル・ヌニェス国際空港からカルタヘナの中心街まではタクシーで約30分です

通貨:

コロンビア・ペソ
1コロンビア・ペソ=約0.031円 (2020年2月29日現在)

歩き方

大航海時代、何度も海賊に襲われた街、カルタヘナ。海賊に備えて造られた、サンフェリペ要塞から歩き始めましょう。カラフルに飾りつけされた庶民的な路地を抜けて、旧市街で一番古い地区へ。すると街の表情が一変。カリブ海から引き揚げた化石サンゴを使った豪華なお屋敷が立ち並んでいます。市場で出会ったのは「神の手」と自称するポスター職人やラップで呼び込みをする人。夜、一段とにぎやかになった街では、若者たちによるパワーあふれるダンスを拝見。自己表現が豊かで、陽気な人々に出会う街歩きです。

街を歩いてみて(ディレクター談)

旧市街で出会った、お祭り好きな女性。撮影の後、クリスマスパーティに招待してくれました。ご近所さんや親戚が集まる会では、お酒やサルサを楽しみ、25日午前0時に食事をします。その後もサルサ、サルサ、サルサ...音楽と笑顔が絶えないすてきな夜でした。

写真ギャラリー

街のなりたち

カルタヘナは1533年、スペインの探検家ペドロ・デ・エレディアによって建設され、南米中の金銀財宝をスペインへ運び出す港町として栄えます。そんなお宝だらけの街は、幾度となく海賊たちに狙われるようになりました。海賊たちから財宝を守るため、街は城壁で囲まれ、さらには南米で最も強固といわれる要塞も築かれました。さまざまな仕掛けが用意された要塞は街を守りましたが、その建設には、奴隷として連れて来られた多くのアフリカの人々が使われたことも忘れてはならない歴史の一幕です。

出会い

街の「エメラルド」

世界有数のエメラルド産出国であるコロンビアの宝石屋さんには、きらめくエメラルドがたくさん。商売上手な店員さんがどんどん勧めてくるものだから、つい欲しくなってしまいます。色の濃さによって27のランクに分けられ、最高級品は2000万円にも!

街の「ラッパー」

道の向こうから、スピーカーを担ぎ、音楽に合わせてノリノリな若者たちがやって来ました。「俺たちの話を聞いてくれ!」と歌う彼らは、家族を支えるために毎日路上で「ラップを武器に闘っている」のだそう。圧巻のパフォーマンスでした。

街の「野球・・・?」

歩道の真ん中にホームベース・・・?住宅地の一角にある車道の真ん前で、独特なルールのもと野球をしているそう。制限があるからこそ、普通の野球とは違う面白さがあるんだとか。「ここじゃプロ野球選手は使い物にならないよ」とチームメンバーは笑います。

グルメ

【第1位】モテ・デ・ケソ

このレシピを考案したのはアフリカから来た人たち。カルタヘナの先住民が食べていたというヤムイモを細かく刻み、玉ねぎ、にんにくと一緒に煮込みます。そして味の決め手には、スペインから伝わったチーズを。さまざまな文化がミックスされた、特製スープです。
<平均価格 (約1000円)>

【第2位】ココナッツのセビーチェ

イカ、エビなどの魚介類を使ったマリネ。ポイントは、味付けにココナッツミルクを使うこと。ココナッツの風味で上品な味わいに。厳しい暑さの中でもさっぱりといただけます。
<平均価格 (約1100円)>

【第3位】コロンビア風卵サンド

トウモロコシの粉で作った生地を一度揚げ、切れ目を入れます。その中に卵、ハーブで味付けしたひき肉を入れ、再び揚げたら完成。トウモロコシのほんのりとした甘さに、ひき肉と卵が絶妙に合う、食べ応え満点の一品です。朝ごはんやおやつにも!
<平均価格 (約90円)>

ちょっとより道

パレンケ村 南米の小さなアフリカ

パレンケはカルタヘナから車で1時間。16世紀、奴隷として連れて来られたアフリカの人々が過酷な労働から逃れて作った村。今なおアフリカの伝統が守られ、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。祖先から伝わる豊富な薬草の知識、伝統料理、太鼓のリズムを用いたコミュニケーション。南米にいながら、アフリカの文化を体感することができます。今日までこうしてアフリカの伝統が守られてきたのは、遠い大陸に思いをはせながら、「いつかアフリカに帰る」という強い思いを持ち続けてきたから、なのだそうです。

語り:濱田マリ