街の基礎情報 キエフ
場所:
ウクライナ中央部
人口:
約288万(2017年)
景色:
街の中央をドニエプル川が流れ、主要部分がある右岸の市街は小高い丘の上にある
人々:
明るく優しく、しなやかでたくましい
産業:
製造業、観光業など
交通手段:
鉄道・路面電車・トロリーバスなど
行き方:
日本→ワルシャワ(11時間)かイスタンブール(12時間)経由で、キエフ空港(1.5時間/2時間)
通貨:
フリヴニャ
1フリヴニャ=4.4円(2019年10月18日現在)
ロシアとの紛争や米大統領のウクライナ疑惑......と、何かと話題になる国の首都に生きる人々は、街の古い歴史に誇りを持ち、歴史上の、そして今も続く困難を乗り越えてきた。そのしなやかな明るさと優しさにふれる旅。
ウクライナ中央部
約288万(2017年)
街の中央をドニエプル川が流れ、主要部分がある右岸の市街は小高い丘の上にある
明るく優しく、しなやかでたくましい
製造業、観光業など
鉄道・路面電車・トロリーバスなど
日本→ワルシャワ(11時間)かイスタンブール(12時間)経由で、キエフ空港(1.5時間/2時間)
フリヴニャ
1フリヴニャ=4.4円(2019年10月18日現在)
ドニエプル川沿いに広がるキエフの街。旧市街の市場で自家製チーズを売る女性と出会います。路傍で売られるヒマワリを楽しんだ後、川を一望する橋から、街の中心・独立広場へ。そこで宣伝していたのは、ロシアに逃亡した元大統領の豪邸を訪ねるツアーで、案内人は「我々は大統領でも追い出す国民だ」と誇らしげ。自転車でパトロールするカッコいい警官と出会った後、公園でウクライナの伝統楽器バンドゥーラの調べに耳を傾け、弾く男性と語らいます。最後は独立広場に戻り、平和な夕方を楽しむ人々とふれ合います。
独立広場の周りには、反政府デモへの弾圧に倒れた人々を悼む、小さな慰霊碑があちこちにありました。街を歩くと、東部戦線から戻った帰還兵に出会います。独立して30年もたたない若い国を次々と襲う困難......人々の独立と平和への熱い思いを感じる旅でした。
ウクライナはソ連から1991年に独立しましたが、ロシアと欧米の狭間で揺れ続けてきました。2004年には大統領選挙の不正疑惑に抗議する市民が、街の中心にある独立広場を埋めた「オレンジ革命」が起き、親ロシア派候補の当選が無効に。再選挙で親欧米派の候補が勝利しました。2014年には、親ロ派の大統領に抗議して広場を占拠した市民に、治安部隊が発砲して100人以上が死亡。大統領はロシアに逃げ、政権は崩壊しましたが、ロシアによるクリミア半島併合や、東部での紛争が起き、混迷は続いています。
キエフから130キロのチェルノブイリ原発で起きた事故の被害を伝える博物館。外には、当時使われた装甲車などが展示されています。出会った男性は当時5歳。親と離れて集団避難させられたといいます。「歴史に学ばない者に未来はない」と強調していました。
髪がボサボサの伝統的な人形「ドモウォイ」。精霊で、右手に持ったほうきで台所を片づけてくれるけど、優しくしないとイタズラするといいます。露店で売っていた女性もスリッパを隠され、「返して」とお願いしたら出てきたそうです。まるで日本の座敷わらし!
ピザ店で開かれた子ども向けのピザ作り教室をのぞいてみると、先生の若い男性は、何とウクライナ東部から戻った帰還兵。子どもはピザ作りを楽しみ、先生は子どもとふれ合うことで、戦場で心に負った傷を癒やせるので、お互いに助け合う関係だそうです。
キエフの菓子工場で開発され、ソビエト全土で有名となった伝統のケーキ。砕いたヘーゼルナッツを混ぜたメレンゲを型に入れて焼き上げたものに、バタークリームをたっぷり塗ってはさみ、冷蔵庫に入れてクリームを染みこませ、最後に飾りつけて出来上がり。
<平均価格 約400円>
その名の通り、キエフのレストランで出されて有名になった料理。ナイフを入れると中からあふれ出す溶けたバターとの相性が絶品です。アクセントに使う鶏の骨をバターに埋め込み、ディル(香草)をたっぷりまぶしたら、鶏の胸肉で包み、衣をつけて揚げるだけ。
<平均価格 約600円>
ロシア料理の代表と思われていますが、実はもともとウクライナの料理。ウクライナのボルシチは、ビーツをふんだんに入れて赤みが濃いのが特徴。また、くん製の果物や肉を入れるのも特徴で、煮込んだら最後に、暖炉に入れてくん製の香りをしっかりなじませます。
<平均価格 約400円>
コパチウ村は、キエフから車で1時間半。田園風景の中に突如として、丸太で作った城のような巨大建築が現れます。門を入ると、歩いているのは中世の服を着た人々。「キエフ公国」の首都を再現した施設なんだそうです。タイム・スリップした気分で小さな建物に入ると、それは木造の教会でした。中にいた家族もバッチリ中世の服装で、キエフ公国時代の人になった気分を味わっていました。弓矢で射的を楽しんだり、曲芸のような馬術に見入ったり、皆思い思いに中世の1日を楽しんでいました。