パリ南東のビュットオカイユ界わい。中世から職人の街として発展したパリの下町には、古くから続く染色や織物の工房があります。観光地パリとは一味違う街を歩き、モノ作りを大切にする職人さんたちとふれあいます。
歩き方
街の基礎情報 パリ ビュットオカイユ界わい
場所:
パリ南西部 13区
人口:
約18万(パリ13区 2019年現在)
景色:
セーヌ川の左岸に広がる13区 中心部より南は「ビュットオカイユ」と呼ばれる小さな丘の街が広がる
人々:
細い石畳の道が伸びる田舎らしさを残した街では昔ながらの近所付き合いが残り、地元をこよなく愛する人々が多い
産業:
製造業、サービス業、芸術家
交通手段:
地下鉄、路面電車、バス
行き方:
日本~パリ(直行便で約12時間)→パリCDG空港~電車で40分でパリ北駅へ→北駅より地下鉄の5番線でオステルリッツ駅まで15分
通貨:
ユーロ
1ユーロ=約118円(2019年8月30日現在)
歩き方
朝、バスでセーヌ川を渡りパリ南東の13区へ。街の北側から歩き始めます。古くから職人の街として発展した街には、400年続く染物や織物の工房があり職人さんが伝統の技を守っています。南に広がるビュットオカイユ地区(うずらが丘)へ向かうと細い坂道に低い建物が続き、のどかな雰囲気。かつてこの街で起きた労働者の蜂起「パリ・コミューン」を歌った「さくらんぼの実る頃」を歌う住民や、街に暮らして50年のアーティストのご夫婦、ソーラー自転車を作る高校生などモノ作りを心から愛する人々と出会います。
街を歩いてみて(ディレクター談)
撮影時期、パリは観測史上最高の酷暑に見舞われ(39度!)、毎日、スタッフ全員が汗だくになりながらの撮影となりました。そんな苦労もありましたが、街の湧き水飲み場や市民プールは大盛況で、青空広がる美しいパリの下町を撮影できたことは幸いでした。
写真ギャラリー
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街のなりたち
かつて街の中心を流れていたビエーブル川沿いには中世以降、水を大量に必要とする「皮なめし」「染色」「肉屋」「洗濯屋」などの工房が立ち並び、多くの職人が暮らしました。染色が盛んだったことで、染め糸を織る「ゴブラン織り」が発展しました。19世紀に「パリ・コミューン」と呼ばれる労働者の蜂起が起こると、この街の労働者の多くが参加します。世界初の労働者運動では、「教育の無償化」「労働者の権利」「言論の自由」など現在のフランスに通じる民主的な精神が数多く生まれました。
出会い
街の「リサイクル高校生」
上り坂を勢いよく自転車で走る青年に遭遇。聞けば、ソーラーパネル付きの電気自転車。一度学校をドロップアウトした生徒が通い直す高校で作られていた。高校では廃品を回収して再利用するリサイクル活動を通して若者が技術を身につけていた。
街の「さくらんぼの実る頃」
街のカフェからノスタルジックな歌が聴こえてきた。150年前にこの街の労働者が起こした労働者の革命「パリ・コミューン」。この街に散った革命と恋を歌った「さくらんぼの実る頃」だそう。
街の「アーティストご夫婦」
ゴブラン織りのアーティストと彫刻家のご夫婦。アトリエは、かつて労働者が暮らした場所。美しい石材ではなく、拾ってきたようなもろい石が使われている。昔ながらの近所付き合いが残る温かい雰囲気にひかれ、この街に暮らしてもう50年になるという。
グルメ
【第1位】うずらが丘のチョコレートケーキ
フランス国家最優秀職人章を受章したすご腕のパティシエ考案のチョコレートケーキ「うずらが丘」。チョコレートムースの中にクルミやキャラメルを隠し、さらにチョコレートコーティングした逸品。隠れた魅力いっぱいの「うずらが丘」をイメージしたそう。
<平均価格 約670円>
【第2位】シャンパン チーズ
フランス国家最優秀職人章を受章した街一番のチーズ屋さん。すご腕の熟成士が作るシャンパン・チーズは、ぜいたくにもチーズに直接シャンパンを注ぎ、じっくり2週間熟成させる。シャンパンの風味がしっかり染み込んだクリーミーでぜいたくなチーズ。
<平均価格 約800円>
【第3位】パリで一番おいしいバゲット
毎年パリで開かれるバゲットコンクール。2018年に138本のバゲットから見事第1位に輝いたのがこのお店のパン。優勝した職人のバゲットは毎朝エリゼ宮殿に届けられ、大統領の朝食に出される。
<平均価格 約130円>