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新潟にプロ野球の球団誕生!野球で地域を元気に

オイシックス新潟アルビレックスBC 来年から2軍公式戦参加決定
  • 2023年11月23日

 

プロ野球のオーナー会議が開かれ、オイシックス新潟アルビレックスBCが来シーズンから2軍の公式戦に参加することが正式に決まりました。2軍ではあるものの日本海側で初めてプロ野球の球団が誕生。球団は、野球を通じて新潟を、そして地域を盛り上げるという目標に向かって新たな一歩を踏み出すことになりました。(新潟放送局 記者 豊田光司)

新潟と静岡 プロ野球2軍公式戦に参加決定

プロ野球では2軍の公式戦がイースタン・リーグ7球団とウエスタン・リーグ5球団に分かれて行われていますが野球のすそ野を広げることを目的に、ことし9月に行われたオーナー会議で
▼イースタン・リーグに独立リーグ、BCリーグの「オイシックス新潟アルビレックスBC」が
▼ウエスタン・リーグに静岡市を本拠地とする「ハヤテ223」が来シーズンから参加することが内定していました。

そして11月22日、都内で開かれたオーナー会議でこの2球団の準備の進捗状況が報告され球場の確保や改修の状況や▼監督やコーチ、現在加入することが内定している選手などのチーム編成の見通しを確認した上で、来シーズンから2軍の試合に参加することが正式に決定

会議の後に行われた会見でオーナー会議の議長を務める西武の後藤高志オーナーは「野球のすそ野拡大と地域発展に貢献するために両球団は着実に準備をしてくれた。手応えを感じているし、来年は順調にスタートできるのではないか」と話しました。

国内のプロ野球は65年にわたって12球団で行われてきましたが、2軍ではあるものの来シーズンからは14球団に拡大してリーグ戦が行われることになったのです。

設立は17年前 球団のこれまで 

新潟アルビレックスBCが設立されたのは17年前の2006年でした。
県内を拠点に球団運営を続け2012年には独立リーグ優勝を果たします。

そして、ことし9月にはプロ野球2軍の公式戦に来年から参加することが内定していました。

22日の正式決定によって1958年のシーズン以降これまで65年にわたって続いてきた「12球団によるセ・パ2リーグ制」の歴史が大きく変わりました。2軍とはいえ日本海側で初めてプロ野球の球団が誕生したのです。

球団は設立以来、野球を通して地域を盛り上げることを目標に掲げてきました。指導者には現在の橋上監督やプロ野球のヤクルトで指揮を執る高津監督などプロ野球経験者を招いてチームを強化。

これまでもプロ野球に選手を送りだしてきたほか、ことしのドラフト会議で所属する伊藤琉偉選手が
ヤクルトから5位指名を受けたのもその成果の現れといえます。

ファンからも期待の声が上がっています。

ファンの男性
今後も変わらず応援し続けます。
精一杯泥臭くやっている姿に感銘を受けているので続けてほしい。

ファンの女性
いままでよりも試合数増えたり、 いままで以上にたくさんの人の目に留まると思うので、アルビのよさを最大に魅力をアピールして頑張ってほしいと思います。

課題はシーズンを戦い抜く”総合力”

一方、課題もあります。
プロ参加後はこれまでと大きく環境が変わり、球団としての総合力が問われることになります。

①経営を持続していくためのスポンサー収入などの確保
②そして選手の拡充やコーチ、スタッフの強化
③さらに長期的には練習環境や選手寮の整備です。

このうち、スポンサー収入を確保する手だてとして球団は10月26日、東京の食品宅配大手「オイシックス・ラ・大地」とのスポンサーシップと資本提携契約を締結。ネーミングライツ方式を導入したことで球団名も変わりました。

さらに2軍参加が決まれば、年間の試合数はBCリーグの倍のおよそ140試合となります。シーズンを戦い抜くにはチームの強化が必要で、球団は有望な選手を獲得するためプロ野球12球団の合同トライアウトを視察したり個別の交渉を進めたりしています。

11月には新潟市で球団独自のトライアウトも行いました。トライアウトにはおよそ30人が参加。なかには、ことしプロ野球で戦力外になった選手や独立リーグでプレーする選手などもいました。

トライアウトのあと橋上監督は。

オイシックス新潟アルビレックスBC 橋上秀樹監督
非常に楽しみな選手も何人かいたので、いい縁があれば来年頑張ってもらいたい。NPB(プロ野球)を残念ながら戦力外になった選手がテストに来てくれたことはありがたい。今後そういう選手の再起の場所として選んでもらえるようなチームになれれば。

正式決定を受けて “責任感”

プロ野球2軍公式戦への参加決定を受けて、新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの池田拓史社長は取材に対し「大変光栄でありがたいが、うれしい気持ちよりも承認をもらったからには迷惑をかけないよう責任を持ち、安心して球団経営が成り立つよう大きな責任を感じる」と述べました。

池田社長によりますと球団は来シーズンに向け40人あまりの選手の獲得を目指していますが、現時点で35人ほどの選手と契約するメドがついていてプロ野球経験者とも交渉を進めているということです。池田社長は「1つでも多く勝ち試合をお見せできるようなチーム編成や環境面の整備を進め、いいチームを作れるよう努力したい。新潟県の子どもたちに野球の面白さや楽しさを伝えていけたらいいと思う」と話していました。

プロ参加が決まったオイシックス新潟アルビレックスBC。野球を通じて新潟を、そして地域を盛り上げるという目標に向かって新たな一歩を踏み出しました。

  • 豊田光司

    新潟放送局 記者

    豊田光司

    2017年入局。大阪局を経て2020年から新潟局に。スポーツや文化などを担当。

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