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新潟 「西堀ローサ」運営会社が解散決定

かつて流行の発信地 テナントは全店退店へ
  • 2023年11月22日

 

新潟市古町地区の地下商店街「西堀ローサ」を運営する市の第三セクターが、2025年10月までに会社を解散することを決めました。市中心部のにぎわいが失われるなか売り上げが伸びず、借り入れた9億円の返済が難しくなっていました。「西堀ローサ」をめぐる動きをまとめました。(新潟放送局 記者 髙尾果林)

かつては流行の中心 若者に人気

新潟市中心部、古町地区の地下に広がる「西堀ローサ」。
全長330メートルのテナントスペースに飲食店や衣料品店、中古レコード店などが並び、
一歩足を踏み入れると、懐かしいような迷宮に迷い込んだような、不思議な感覚に包まれます。

「西堀ローサ」が生まれたのは47年前の1976年、昭和51年でした。
自動車の普及で地下駐車場を建設することになったのをきっかけに5年あまりの歳月をかけて整備が進められました。

最盛期の平成5年には合わせて47の店が入り、売り上げは50億円余りに。
流行の中心として若者たちの人気を集めました。

しかし郊外への大型ショッピングセンターの進出などを背景に古町地区のにぎわいは徐々に失われ、
西堀ローサの利用客も減っていきました。

運営する第三セクター「新潟地下開発」は債務超過に陥り、
2006年に新潟市から9億円を借り入れて経営の立て直しを図りました。

しかし2010年に古町地区の老舗デパート「大和新潟店」が。

そして2016年には若者向けの商業施設「ラフォーレ原宿・新潟」が閉店。
地区の魅力の創出はいっそう厳しさを増していきました。

9億円の返済重く 臨時の株主総会で解散決議

事態を打開する糸口が見いだせないなか、11月20日「新潟地下開発」は臨時の株主総会を開催。

主要な株主である新潟市の担当者も出席し、総会では2025年10月までに会社を解散することが正式に決まったのでした。市から借り入れた9億円の返済は困難だという判断が背景にありました。

新潟地下開発 岡澤修社長
なかなか売り上げが伸びず現在のような状況に至ったということは非常に残念ですし無念です。これからも形はどうあれ、地下街が生まれ変わったときもまた、ご利用、ご支援いただきたいということで本当に感謝を申し上げたい。

新潟市経済部 中川高男部長
西堀地下街の特性をどうやって生かしていくべきか、絶えず考えながら変化させていかなければ商業施設としての生き残りは難しかったと受け止めている。別の形で新たなスタートができるのではないかということも踏まえて皆さんと協議を進めていきたい。

全テナント退店へ 戸惑いの声も

解散を決めた翌日、「新潟地下開発」はテナントを対象にした説明会を開きました。

参加者はおよそ20人。
会社によればこのなかでは、担当者が、会社を解散することが決まった経緯を報告した上で、テナントには2025年3月末までに退去するよう求める方針を伝えたということです。

テナント側からは戸惑いの声が聞かれました。

中古レコード店の従業員 長井瞳さん
(ローサから移転後も)お店は続くんですけど、場所が変わるというのはすごく店にとってマイナスで、それがクリアできるのか。いまからいろんな事を始めないとたぶん間に合わない。何から始めようかという感じです。

「新潟地下開発」はテナントの移転費用の支援などを検討しているということです。

新潟地下開発 金子正夫営業開発部長
お客様(テナント)に迷惑をかけたのは、やっぱり心苦しい。
まだ1年半あるのでがんばって、ローサにいてよかったと思っていただけるようにしたい。

新潟市は地下街の今後のあり方について、市民の意見も踏まえて協議していく方針です。

  • 髙尾果林

    新潟放送局 記者

    髙尾果林

    2021年入局。事件・事故や裁判の取材をへて、現在、新潟市政などを担当。

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