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新型コロナ5類移行から半年 インフルも流行 冬の注意点 新潟

  • 2023年11月10日

 

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行され、11月8日で半年になりました。感染対策は個人に委ねられ、新潟県内では新型コロナの感染拡大前の日常を徐々に取り戻すところが多い一方、重症化リスクの高い人を守るため、今も感染対策を徹底している施設もあります。またインフルエンザが流行するなか、薬局にも影響が出ています。
(新潟放送局 記者 豊田光司 阪本周悠 )

高齢者を守るため対策を続ける施設

 

新潟市北区にある特別養護老人ホームです。去年12月に施設内で新型コロナの感染拡大が起きたことなどから新型コロナが5類に移行したことし5月以降も対策を続けています。

面会で使うパーティション

入所者と家族の面会は、パーティションを設けた上で、1日3組まで1回あたり10分以内と、これまでと同様に一定の制限を設けています。
 

職員の対策も徹底しています。介護サービスの時だけでなく事務作業中も常にマスクを着用。さらに職員は、濃厚接触者になったり体調に不安があったりする場合は施設から配られた抗原検査キットを使い、感染していないか確認します。施設によりますと、こうした対策をとっても、ことし8月には施設内で新型コロナの感染が確認されました。施設では重症化リスクの高い高齢者を守るため、当面、対策を続けることにしています。

特別養護老人ホーム 生活相談員 池田孝晃さん
利用している人が高齢でさまざまな疾患もあるので、新型コロナに感染した場合を踏まえて変わらずの対応をしている。安全に利用してもらえるように対策をとっていきたい。

インフルも流行 薬局では薬不足も

新型コロナに加え、インフルエンザの流行で医薬品にも影響が出ています。上越市にある薬局では、せき止めやたん切りなどのかぜ薬や、小児ぜんそくの吸入薬が不足しています。薬局によりますと、ジェネリック(後発医薬品)のメーカーで製造上の不正が発覚し、おととし以降、業務停止などの行政処分が相次いだ影響などでかぜ薬などの入荷が減り、在庫が不安定な状況が続いていました。

こうした中、たび重なる新型コロナの感染拡大に加えて最近はインフルエンザが流行して需要が高まり、かぜ薬などの不足に拍車をかけているということです。この薬局では薬の在庫が足りない際、市内の系列店から取り寄せるなどして対応していますが、子ども用の薬は種類が少なく、対応に苦慮しているということです。

薬局の従業員 小竹隆昭さん
患者さんから今まで飲んでいた薬に戻してほしいと言われることもあるが、なかなかすべての声に応えることができていないのが現状です。まずかからないことが一番だと思うので、手洗いなどの基本的な感染対策は続けてほしいです。

感染の現状とこの冬の対策は

 

新型コロナとインフルエンザの感染状況と今後の見通しも取材しました。
まずはインフルエンザです。県内では9月初めごろからインフルエンザの流行が始まりました。
その後、感染はさらに広がり、10月29日までの1週間には1医療機関あたりの感染者数が12.12人となり、県は11月2日、注意報を出しました。注意報の発令は例年より1か月から2か月ほど早いということです。流行した背景について、感染症に詳しい新潟大学大学院の齋藤玲子教授は大きく4つのポイントを挙げています。

まずはウイルス自体の変異。そして新型コロナの感染拡大以降、対策が徹底されたことで、インフルエンザが流行せず免疫が下がったこと。一方、新型コロナの5類への移行後、マスクを外す機会や人の移動や集まる機会が増えたことです。

次に新型コロナの状況です。ことし5月以降の県内の感染者数は、6月下旬から増加傾向となり、9月10日までの1週間で1医療機関あたり23.53人とピークとなりました。その後、減少傾向に転じ、10月29日までの1週間では2.69人まで減っています。一方、感染者数が増えた6月下旬から9月上旬にかけては若い世代を中心に感染が広がり、60歳以上の感染者は全体の2割前後でした。齋藤教授によりますと、感染が少なかった高齢者の間で新型コロナへの免疫が低下している可能性などがあるということでした。

新潟大学大学院 齋藤玲子教授
11月末から12月くらいにインフルエンザが一時流行して、そのあとに入れ代わるように新型コロナが流行するのではないかと思います。インフルエンザと新型コロナの2つのこぶが来そうなんですよね。どっちもいったん重症化すると苦しい思いをしますし、高齢者は亡くなりやすいウイルス感染症なので注意していただければと思います。

手洗いや部屋の換気などの基本的な対策のほか、体調がすぐれない時は外出を控えたりマスクを着用したりするなど、状況にあわせた対策も必要です。齋藤教授は、ワクチンの接種も積極的に検討してほしいと話していました。

  • 豊田光司

    新潟放送局 記者

    豊田光司

    2017年入局。大阪局を経て2020年から新潟局に。スポーツや文化などを担当。

  •  阪本周悠

    新潟放送局 記者

     阪本周悠

    2021年入局。
    主に上越地域を担当。農業や伝統文化などを取材。 

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