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拉致事件から45年 曽我さん「政府は本気を」

直筆のコメントを全文紹介
  • 2023年08月11日
左が母のミヨシさん 右が曽我ひとみさん 

1978年8月12日、佐渡市で曽我ひとみさんと母のミヨシさんが北朝鮮に拉致されました。
午後7時ごろ、自宅近くの店で買い物をし、2人で帰っていたところでした。
曽我ひとみさんは、2002年の日朝首脳会談後に帰国を果たしましたが、91歳となった母・ミヨシさんの行方は今もわかっていません。
いつも通りの日常が突然奪われた事件から45年。「私と母の時間は止まったまま」。
そう話す曽我さんが、NHKの取材に対し、今の胸のうちを書面でつづってくれました。
全文を紹介します。                   (新潟放送局 記者 油布彩那)

45年 気の遠くなるような年月

こんなにも長い時間、母と会うことが出来ないとは思っていませんでした。
私たち母娘が何をしたというのでしょうか。
どこにでもあるごく普通に過ごす日常生活が拉致という犯罪により、その瞬間から断ち切られてしまったのです。
一口に45年と言いますが、気の遠くなるような年月です。
私にとっては24年という長い長い道のりを経て日本に帰り着き、そして佐渡で生活基盤を築いてきた21年でした。

政府は本気の取り組みを

ただ、私たちの後に誰も帰国できていないことが残念でなりません。
歴代の総理をはじめ政府関係者、関係機関の皆様も何かしら交渉を続けているのでしょうが、相手の時間稼ぎに付き合わされて、帰国できるはずの被害者が帰国できないことがあってはならないのです。
親世代の年齢を考えると一分一秒も無駄に出来ません。解決に向けて本気で取り組んでほしいと強く願っています。

母ちゃんに話したいことがたくさん

母ちゃん、帰って来たら話したいことがいっぱいあるんだよ。45年も離れていたから、45年分を話し始めたら時間がいくらあっても足りないくらいになると思うよ。
今更だけど、ほんのちょっとだけでもいいから、母ちゃんに甘えさせてもらってもいいかな。
残りの時間は、目一杯親孝行させてもらうからね。
どれだけの時間が残されているかわからないけど、45年分を埋めることはできなくても、限りなくそれに近い時間を取り戻そうね。

元気で 帰ることを諦めないで

少しでも長く母ちゃんと一緒にいたいから、早く帰ってこれるよう救出活動を頑張るよ。とにかく病気をせず元気でいてください。必ず助けに行くから帰ることを諦めないでください。

  • 油布彩那

    新潟放送局 記者

    油布彩那

    令和元年入局
    新潟生活5年目。
    行政や拉致問題の取材を担当

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