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新潟発祥の芸能 角兵衛獅子とは? 長唄 日舞の題材にも

  • 2023年06月27日

新潟市南区の月潟を発祥とする芸能「角兵衛獅子」。獅子舞と曲芸を合わせたような芸能で、江戸時代には江戸や上方など全国を旅して披露し人気を集めました。現在も地元の子どもたちが往年の技を継承しています。その魅力についてNHK新潟放送局の狩野アナウンサーと解説します。                              (新潟放送局記者 草野大貴)

新潟発 全国をふうびした「角兵衛獅子」とは

狩野アナウンサー

新潟市南区の月潟地区で続いている角兵衛獅子、これはどのような芸能なんですか。

草野記者

獅子舞と曲芸を合わせたようなアクロバティックな動きが特徴の芸能です。演じるのは子どもたちで獅子頭を頭に付けて技を繰り出していきます。発祥の時期はよく分かっていませんが江戸時代にはすでに全国で人気を博し、江戸や上方などでも大変な人気を集めていたという記録が残されています。平成25年には新潟市の無形民族文化財に指定されています。

狩野アナウンサー
 

なるほど!新潟発で全国的に人気のあった芸能だったんですね!

草野記者

江戸では「角兵衛獅子」、上方では「越後獅子」などと呼ばれ、この芸能を題材とした地唄や長唄など多くの曲が作られるほどでした。江戸時代後期には江戸中村座で3世中村歌右衛門が、長唄「越後獅子」にあわせて獅子の格好をしながら踊り人気を博しました。この踊りは現在新潟市に本拠を置く日本舞踊の流派、市山流の初代・市山七十郎が振り付けていてまさしく新潟ゆかりの演目といえます。昭和に入ってからも、この芸能をテーマにした美空ひばりさんの歌がヒットしました。

新潟市 月潟の子どもたちが伝統つなぐ

狩野アナウンサー

これまでどのように受け継がれてきたのでしょうか。

草野記者

江戸時代に人気を誇った角兵衛獅子も明治に入ると勢いを失っていきました。これを惜しんだ月潟の有志が昭和11年に「角兵衛獅子保存会」を結成し、その技を伝承しています。2023年6月の時点では、月潟地域の小学1年生から高校2年生までの12人が参加し週に1度指導を受けています

狩野アナウンサー

現在も連綿と技が受け継がれているんですね。具体的にはどのような技があるのか教えてください。

アクロバティックな技に全国各地の風景

草野記者

それではいくつかご紹介します。すでに説明したように角兵衛獅子は全国を旅しながら技を披露したことから、全国各地の風景を表現したアクロバティックな技が数多くあります。

草野記者

こちらは「水車(みずぐるま)」。大阪などを流れる淀川の風景を表現しています。

草野記者

「大井川の川越しの形」。大井川を肩車をしてもらって渡った様子を表しています。

草野記者

「江戸神田明神祭りにおいて一番の山車、大鼓ににわとりの形」と口上述べた後に、演じられるこちらはニワトリが装飾されている神田明神の山車を表現しています。

狩野アナウンサー

これは生で見てみたくなりましたが、次はどこで披露されるのでしょうか。

草野記者

2023年は9月24日に新潟市南区で行われる「月潟大道芸フェスティバル」に登場します。全国に名をはせた芸能を間近で見てほしいと思います!

  • 草野大貴

    新潟放送局 記者

    草野大貴

    徳島局から2022年8月に新潟に赴任。長唄の「越後獅子」を習い、モデルの角兵衛獅子に興味を持つ。ちなみに今稽古しているのは「連獅子」。

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