火災の初期消火 消火器の使い方・消火器ない場合はどうする?
「初期消火」は炎が天井に至る前など小さな段階で火事を消し止めること。特に自宅など室内での出火の場合、初期消火は火災の拡大を防ぐために非常に重要になります。消火器の使い方、消火器がない場合にどうするのか。火事を防ぐポイントや注意点、火災警報器の点検方法をまとめました。
各局の防火対策ニュースなどで紹介した内容です
目次
火災 まずは大声で「火事だ!」
屋内で火が出たらまずはドアを開けて逃げ道を作り、大声で周囲に火事を知らせてください。消防通報や支援をしてもらうことにもつながりますし、周辺の人の逃げ遅れを防ぐことにもなります。
消火器の使い方は?
初期消火で欠かせないのが消火器です。いざという時のために使い方を事前に知っておいてください。
1.安全ピンを抜く
2.ノズルを火に向ける
3.レバーを強く握る
4.炎の根元を狙う
消化剤を噴霧する際には、炎の下側を狙ってかけます。マンションなどで共用部分に消火器がある場合は場所を確認しておきましょう。個人でも購入できるので自宅の中に置いておくと安心です。
地域の防災訓練などで使い方に慣れておくと万が一の際に焦らず行動できます。
消火器ない場合 ぬれタオルや布でも
消火器がない場合はどうするのか。石油ストーブ、天ぷら油の鍋など油分の多いものには水をかけてはいけません。爆発的に炎が広がる危険があります。そんなときに役に立つのが、ぬらしたタオルや布です。
初期消火で、ぬらしたタオルや布をかぶせるときのポイントや注意点です。
✅バスタオルやシーツなど大きめのものが有効
✅ぬらしたら水がたれない程度に絞る
✅目的は「窒息消火」全体を覆うように
✅複数枚かぶせると効果的
✅火が消えたと思ってもすぐにとらない
✅炎が大きすぎる場合は無理せず避難を優先
目の高さや背丈を超えたら避難優先
炎が天井まで達すると消火は困難と言われています。自分の目の高さや背丈を超えるようなら避難を優先してください。避難の際はドアを閉めると延焼を防ぎやすくなります。
住宅用火災警報器の点検を!
火災の発生を知らせてくれる住宅用火災警報器。10年を目安に電池や本体の交換が必要です。全国すべての住宅での設置が義務づけられたのが2011年。気付かずに交換の時期をむかえているご家庭もあるかもしれません。
まずは点検しましょう。ボタンを押したり、ひもを引っ張ったりすることで警報器が正常に作動し警報音が鳴るか確認できます(もう一度ボタンを押したりひもを引っ張ったりすれば音は止まります)。
警報音が鳴らないなど反応がなかったり、異常を知らせる音がしたりする場合は取扱説明書の確認やメーカーに問い合わせて電池や本体を交換してください(電池切れを自動的にアラーム音で知らせる機種もあります)。
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