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愛知 国宝犬山城 城博士・千田嘉博さんが語る見どころは?

城博士・千田嘉博のおもシロいぜ!城歩き
  • 2024年05月17日

東海地方には魅力的なお城がたくさん。「まるっと!」でスタートした新企画「城博士 千田嘉博のおもシロいぜ!城歩き」では、歴史番組でもおなじみ、城郭考古学者の千田嘉博さんが、加藤里奈リポーターとともに東海地方の城の楽しい歩き方を紹介します。
今回訪ねたのは、愛知県犬山市の犬山城。日本最古の国宝天守が有名ですが、千田さんならではの犬山城の見どころを教えてもらいました。

国宝天守だけじゃない!犬山城の見どころとは?

犬山城

1537年、織田信長の叔父・信康によって築かれた犬山城。信長・秀吉・家康は、この城を手にしたことで、天下人への道を切りひらきました。

その犬山城の最大の魅力は、日本最古の国宝天守国宝で唯一窓の外にも出られます

国宝天守の窓の外から  カトリーナこと加藤里奈リポーター

千田嘉博さんにお聞きすると、実は犬山城の見どころは「天守だけではない」とのこと。

城郭考古学者 千田 嘉博さん
千田嘉博さん

“犬山城は、城の守りに見どころあり”なんです。

一体どういうことなのか?まずは城の北側へ・・・。

眼下には、木曽川が流れています。

木曽川

犬山城の北の守りは、木曽川と木曽川に向いた天然の崖で、鉄壁な守りなわけです。

だから、ここから眺める景色をキレイだなと眺めているだけでは、お城見学としてはいけません。

加藤里奈リポーター

もったいないわけですね。

もったいないです。
この鉄壁の守りを体感するというのがとっても大事なんです。

敵の侵入を防ぐ驚きの守り『切岸(きりぎし)』

続いては東側へ。

ふだんは非公開ですが、ここに驚きの守りがあるんだとか・・・。

これです!

※許可を得て撮影。ふだんは立ち入り禁止です。

これ?大きな岩がありますね。
近くに来ると、高い壁がそそり立っているという感じです。

ここの場所は、もともとこういう自然の岩がずっとあるところでしたので、岩を利用して、岩をほぼ垂直に削って、敵がのぼって来られないようにして守ったんです。

敵の侵入を防ぐために人工的に作られた急斜面。切岸(きりぎし)と言います。
岩を削って作られた切岸は、全国でもとても珍しいものなのです。

切岸(きりぎし) ※許可を得て撮影。ふだんは立ち入り禁止です。

近くで見ると圧倒されます。

そうですね。やっぱり魅力的でしょ?

魅力的ですね。

西側の守りの要『巨大な堀』

続いては城の西側へ。道沿いに防御施設が確認できます。

すごいものが見えているでしょ?
これですよ、これこれこれこれ!

これは、いわゆる堀ですよね?

堀なんです。もう本当、感動しますよね。

西側の守りの要は堀。巨大な堀で敵の侵入を食い止めます

南側の『大手道』その守りは?

では、南側には一体何が?

ここには、天守まで通じる大手道があります。クネクネ曲がっているのは当時のままです。

大手道

千田先生、犬山城を攻めるとしたら南側ですか?

「軍師カトリーナ」爆誕しました。さすが見抜かれましたね。
だけど、カトリーナさん、犬山城がそんな油断してるはずないじゃないですか。

こちらは当時の絵図。大手道には、かつて5つの門がありました。さらに、門の近くには、櫓(やぐら)もありました。櫓から門に迫る敵の脇や背中を攻撃できたのです。

※赤が門、黄が櫓(やぐら) 犬山城白帝文庫 所蔵

ちょうど今、私たちがいるところですよね。ここに来ると、ここにまた櫓(やぐら)があって、撃たれ放題なわけですよ。

諦めます。これは・・・。

国宝犬山城。天守だけでなく城の守りも大きな魅力だったのです。

犬山城は戦国時代を生き抜いた戦う城としての、すごい強さがあるんですよ。
「美しい天守」と「戦いに備えた荒々しい守る力」の両方を持っている、すごく魅力的なお城だということが、きっと多くの方に共感していただけると思うんですよね。


犬山城 千田先生の一枚

千田嘉博さんが撮影した犬山城の写真。とっておきの1枚をご紹介!

春の犬山城は、桜越しに撮影しよう!

撮影 千田嘉博さん

もっと“城歩き” 撮影こぼれ話

放送では紹介しきれなかった、犬山城の撮影こぼれ話もご紹介します。

<こぼれ話 その1>
犬山城の東側を守っていた岩を削ってつくった「切岸(きりぎし)」。実は2段になっていました。高低差は合計で8m以上あったそう。まさに鉄壁!


<こぼれ話 その2>
現在の犬山城大手道には、当時の城門は残っていません。でも門がどこにあったかは、足下を見れば分かります。「礎石(そせき)」(建造物の土台として据える石)を探してみましょう。


犬山城へのアクセス

犬山城へは名鉄「犬山駅」から徒歩20分です。

犬山城と城下町の精巧な模型は「城とまちミュージアム」でご覧になれます。

城とまちミュージアム
<所在地>愛知県犬山市大字犬山字北古券8番地
<電話>0568-62-4802

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