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KYジャーナル「男性は男らしく??」

  • 2023年12月13日

あえて空気を読まず、ズバッと解説、山本恵子解説委員(Keiko Yamamoto)の「KYジャーナル」。
皆さんは普段、「男は男らしく」「男の子なんだから泣かない」など、何気なく言われた言葉で、モヤッとした経験はありませんか?
今回は、モヤッとする言葉から「らしさ」について考えます。

性別を理由にモヤっとした言葉

まずは、こちらをご覧ください。
愛知県一宮市が昨年度、市内の公立小中学生を対象に「性別を理由にモヤッとした言葉」を募集したところ、集まった言葉です。

「男なのにゲームで女に負けて弱いね」「えっ!?女の子なのに料理できないの?」「女子力低い」など、どれも性別から役割を決めつけるような、まさにモヤッとする言葉です。
中でも今回は特に「男性」について見ていきたいと思います。

今回のKYジャーナル、テーマは「男性は男らしく??」です。

男性は男らしく??

11月19日は、「国際男性デー」です。
女性だけでなく性差別や偏見に悩む男性にも目を向けて自分らしい生き方を見いだしていこうと1999年に始まりました。

性別を理由にモヤっとした言葉

高山アナウンサー
「男の子なんだから泣くな」、「男子は力があるから、それはこんで」、「おまえ男なんだから金払ってやれよ」などいわれた経験ありますね。

こうした、「男はこうあるべき」、「女だからこうだ」といった意識は、男性の方が強いという調査結果があります。

「性別役割意識」 男女別上位10位

こちらは、性別による無意識の思い込みについて聞いた内閣府の調査結果です。
男性女性、「そう思う、どちらかと思うとそう思う」が多い上位10位です。

8つの項目が男女とも共通です。
男女とも一番高かったのが、「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」
次いで、「女性には女性らしい感性があるものだ」「女性は感情的になりやすい」の順になっています。

注目すべきは、男女とも上位に入った8項目のうち7つは、男性の方が「そう思う」割合が高いこと。
つまり、「男性はこう、女性はこうすべき」という意識が強いと言えると思います。

とくにこちらの3つは男女差が大きく開きました。

「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」(男性34%、女性21.5%)
「男性は結婚して家庭を持って一人前だ」(男性30.4%、女性17.9%)
「男性は人前で泣くべきではない」(男性28.9%、女性17.6%)

いずれも「男性は~すべきだ」という、男性の役割についての意識が高いのです。
こうしたことが、男性の生き方や選択肢をせばめ、生きづらさにもつながっているという指摘もあります。

男性学などジェンダー問題に詳しい京都産業大学の伊藤公雄教授は、その背景について次のように話しています。

京都産業大学 伊藤公雄教授
男性主導のルールのなかで家庭でも学校でも会社でも男はこうあるべき、という当たり前が染みついている。男性には、国際男性デーの機会に、自分の男性性について、『男だから』に縛られていないか考えてほしい。

「男らしく」から「自分らしく」へ!

男性だから強くあるべき、と思っている人も多いですが、泣いてもいいし、弱音を吐いたり、相談したりすることも人として当たりだと思います。

「男だから男らしく」から、「自分らしく」へ。

自分も、そして周りの私たちも、意識のアップデートが必要だと感じます。

名古屋市や愛知県豊田市では、男性専門の相談窓口を設けています。

▼名古屋市男性相談 050ー3537-3644
(毎週水曜午後6時から8時 第4日曜午前10時~正午)
▼メンズコール☆とよた 0565-37-0034
(毎月第2・4金曜 午後6時~8時)

いずれも男性の相談員が対応するということです。

  • 山本恵子解説委員

    NHK名古屋放送局 報道部 副部長

    山本恵子解説委員

    愛知県出身。1995年入局。金沢局を経て社会部で教育、女性活躍、働き方改革などを中心に取材後、名古屋局で赤ちゃん縁組や里親について取材。国際放送局World News部を経て2019年再び名古屋局。「子ども子育て応援プロジェクト#わたしにできること~未来へ1歩~」スタート。2021年より解説委員(ジェンダー・男女共同参画担当)を兼務。高校生の娘の母。

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