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あのとき、何食べた? バターがジュワーッ!みんなが楽しくなる コトレータ ポ キーウシキ


皆さんには、"忘れられない食事"はありますか?
「あのとき、何食べた?」は、中部に住む外国籍や外国にルーツのある方々の"忘れられない一品"を掘り下げるグルメドキュメントです。

ウクライナの西部、ジトーミル市出身の榊原ナターリヤさん(40)。

(※「榊」正しくはきへんに神)

2018年、同郷の仲間たちとNPO法人「日本ウクライナ文化協会」を立ち上げ、副会長を務めています。ウクライナの文化を広く知ってもらうため、民族舞踊を披露したり、料理教室を開く、などが主な活動でした。
しかし、ロシアの軍事侵攻以降、ウクライナから避難してきた人たちのサポートで大忙し。慣れない活動の中、ナターリヤさんを支えているのは、ふるさとの母が教えてくれたキーウ風カツレツ「コトレータ ポ キーウシキ」です。

目次

【ナターリヤさんの"あの時"】ロシアの軍事侵攻 生活は一変

2022年2月、すべてはあの日から始まりました。東海地方にもウクライナからの避難者が来るようになり、協会には相談の電話や、全国からの支援物資が殺到したのです。
当時のナターリヤさんたちには、人手も支援のノウハウも、物資を仕分ける場所もありませんでした。次々と求められる要望に応えるため、ナターリヤさんは仕事を辞め、サポートに専念せざるをえなくなりました。

左端:ナターリヤさん 右から2番目:母・オレナさん

慣れない活動で疲れ切ったとき・・・戦況を伝えるニュースを見て落ち込んだとき・・・
ナターリヤさんが作るのが、キーウ風カツレツ「コトレータ ポ キーウシキ」。
ふるさとジトーミルのレストランでシェフとして30年以上働いている母・オレナさんから教わった料理です。時間も手間もかかりますが、料理に没頭することで心を落ち着かせることができるといいます。
一番の楽しみが、カツレツにナイフを入れる瞬間。ハーブをまぶしたバターがジュワーッと溶け出し、家族みんなの気持ちをパッと明るくしてくれます。そして、ウクライナの家族も思い出させてくれる特別なごちそうです。

【ナターリヤさんの"いま"】訪れた転機 日本のNPO法人とタッグ

避難者のサポートを始めて3か月がたったころ、転機が訪れます。ナターリヤさんたちの活動を知った日本のNPO法人が力を貸してくれることになったのです。事務所のスペースと支援物資の保管倉庫、さらに人手も提供してくれました。
いまナターリヤさんたちは、避難者たちがつくった手芸品を販売したり、ウクライナ料理を作るイベントを開くなど、新しい活動も始めています。これまでの活動で得た資金で、ウクライナに3台の救急車を贈ることもできました。戦いの終わりはまだ見えませんが、力の限りサポートを続けていく覚悟です。

【コトレータ ポ キーウシキのレシピ】母直伝のキーウ風カツレツ

<材料(4人分)>
  • 鶏ささみ・・・4本
  • ディル・・・1パック
  • 卵・・・2個
  • バター・・・適量
  • 小麦粉・・・適量
  • パン粉・・・適量
  • オリーブ油(サラダ油でも可)
  • 塩、コショウ
★おいしく作るポイント★
  • 衣をつけたら、冷凍庫で約30分寝かせます。
    衣が固まってバターが漏れにくくなり、キレイに仕上がります。
  • 油はオリーブ油でもサラダ油でもOK。一番のオススメはヒマワリ油。
    ウクライナでは最もポピュラーで、香りが良いそうです。
<手順>
(1)

肉をたたいて平たくのばします。塩・コショウで味付けします。

(2)

バターにみじん切りにしたディルをまぶします。

(3)

(1)の肉で(2)を巻きます。肉からバターがはみ出ないように、最後に手のひらでぎゅっと握ります。

(4)

小麦粉 → 溶いた卵 → パン粉の順に、衣をつけます。

(5)

冷凍庫で、約30分寝かせます。

(6)

約160℃に熱した油で、揚げます。
表面に焼き色をつける程度でOK。1分~1分半が目安。

(7)

200℃のオーブンで、5分間グリルします。

(8)

付け合わせの野菜はお好みで。ウクライナではマッシュポテトが定番だそう。
皿に盛って、できあがりです。



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