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あのとき、何食べた? メネメン ぼくをfollowしてくれる料理


皆さんには、"忘れられない食事"はありますか?
「あのとき、何食べた?」は、中部に住む外国籍や外国にルーツのある方々の"忘れられない一品"を掘り下げるグルメドキュメントです。

一宮市の解体工事会社の社長、セルカン・パックさん(27)。2013年、17歳の時にトルコからやってきました。そんなセルカンさん、工事現場の下っ端として働いたり、独立して会社を建てるために貯金をすべて使ったりと、来日してから数年はずっとお金がありませんでした・・・。そんな彼の貧乏時代を支えた"下積みメシ"を紹介します。

目次
【セルカンさんの"あの時"】とにかくお金が無い!貧乏時代

セルカンさんの思い出の食は、トルコのスクランブルエッグ"メネメン"。ピーマンなどの野菜炒め、トマトを入れて煮込み、そこに卵を落としたシンプルで素材の優しい甘みと酸味が特徴の料理です。トルコでは、朝ごはんの定番として食べられており、パンなどに着けて食べることが多いそう。家庭によって、たまねぎを入れたり、チーズを入れたり、牛ミンチを入れたりさまざまなメネメンがあるそうですよ。セルカンさんもよくお父さんが作ってくれて、たまねぎやチーズを入れていたそう。
そんなメネメンにセルカンさんは日本での生活を助けられることになります。

セルカンさんは2013年、17歳の時に日本にいた親戚に誘われて来日。
愛知のケバブ屋で出会ったトルコ人に誘われ、解体会社で働き始めました。
しかし、任された仕事は解体現場での廃材拾い。薄給のうえ、トルコにいる家族に仕送りもしていたので、セルカンさんの手元にはほとんどお金が残りませんでした。
そんな当時、1番困ったのが食事。ただでさえお金が無いうえに、セルカンさんの入っている宗教には禁止されている食べ物があるため、あまり宗教的配慮が浸透されていなかった当時は、安い飲食店の料理やお弁当にも何が含まれているか分からず、利用できませんでした。

そんなセルカンさんを救ったのがメネメン。材料が安い上に、栄養素もバランスよく含まれているため、薄給の肉体労働で疲れているセルカンさんにとって、財布にも体にも優しい救世主のような存在でした。時には、朝、昼メネメンという生活を何日も送った日もあるそう。
その後、セルカンさんは結婚。それを機に2017年に自分の会社を建て独立。
社長ともなれば暮らしは楽になるはず...と思いきや、建設会社を始めるためには細かい仕事道具から始まりトラック・重機などまでたくさんの設備投資が必要で、セルカンさんの貯金はそれらをそろえるためにすべて消えてしまいます。
そんな社長になってからのセルカンさんを助けたのもやはりメネメン。
家族の食卓に並び、忙しくお金が無い中でも安価に団らんを与えてくれました。

【セルカンさんの"今"】自分と同じ境遇の外国人を支えたい!

現在は会社が軌道に乗り、余裕を持って生活できるようになったセルカンさん。
取材をしたこの日の仕事は、名古屋市の住宅の解体。
セルカンさんは社長になってからも自ら重機に乗り込み作業をします。
そしてお待ちかねのお昼。この日のメニューはセルカンさん手作りのメネメン。
同じトルコ出身の入社2年目、ミタットさんと一緒に食べます。
ミタットさんはもうすぐ子どもが生まれる予定で、セルカンさんはかつての自分と重ねて、彼のような日本に来て間もない外国出身の人を会社に誘い、支えてあげたいという思いを持っています。
ミタットさんいわくセルカンさんは「優しい時もあれば、怒る時もある。仕事のためにね!」
セルカンさん、信頼されているみたいですね。
「違う国から日本に来ると言葉が分からないし仕事もできない。そういう困ってる人を仕事に誘ってお金を稼いでもらいたい」
セルカンさんに今後の目標を聞くと、そう答えが返ってきました。
カメラが止まったあと、メネメンを食べながら「ゆくゆくはミタットさんも独立できるように手助けをしたい」と話すセルカンさんは、とても20代の若者とは思えないほど立派に見えました。

【メネメンのレシピ】簡単!おいしい!トルコの定番朝ごはん

すべてスーパーで買える食材で作れますし調理も簡単なので、朝ごはんにおススメです。
トルコ気分を味わいたい方は、チャイ(紅茶)とチーズ、そしてオリーブの塩漬けなどを用意するのがおススメです!

<材料(2人分)>
  • ピーマン・・・3個
  • トマト・・・3個(皮付き・無しお好みで)
  • たまねぎ・・・1個
  • 卵・・・2個
  • バケット・・・1個
  • オリーブオイル・・・大さじ2杯
  • 塩・・・適量
  • ニンニク・・・適量
  • 粉末とうがらし・・・適量
<作り方>

(1)ピーマン・たまねぎ・トマトを荒みじん切りにする

(2)オリーブオイルにニンニクを入れて熱したあと、ピーマン・たまねぎを炒め、火が通ったらトマト・塩を入れて水分が飛ぶまで煮込む。
(トマトの水けを飛ばすのはセルカンさんのおススメ。フレッシュ感を出したい方は、トマトの汁が沸騰し始めたら次の工程へ。)

(3)トマトの水分が飛んだら、溶いた生卵を流し入れ、かき混ぜて炒める(卵のとろとろ感を出したい方は様子を見ながら火を止める)

(4)卵に火が入ったらチーズをかける。その後、盛りつけして粉末とうがらしをかける(セルカンさんいわく、粉末とうがらしは、辛みが飛ばないように盛りつけてからかけた方が良いそう。)


今回ご紹介したのは、セルカンさん流のメネメンのレシピ。
「トマトとチーズの入ったスクランブルエッグ」と聞くと、とてもおしゃれな朝ごはんという印象を受けますが、セルカンさんのメネメンは「ザ・節約メシ」という感じで、1人暮らしの男の方にもおすすめなお手軽料理だと思います。
絶賛下積み中の方はもちろん、そうでない方も1回作ってみて、セルカンさんの下積み気分を味わってみてください!


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