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長崎県内に誕生 子どもの「第3の居場所」 放課後・朝食利用も

  • 2023年06月26日

この春、長崎県雲仙市と諫早市に相次いで誕生した、子どもの「第3の居場所」。家でも学校でもない「第3の居場所」とはいったいどんな場所なのか。取材しました。

NHK長崎放送局キャスター 柿本遥

必要とされ続けている「第3の居場所」

今年4月に発足した「こども家庭庁」が重要視しているのが、子どもの居場所づくりです。その背景にあるのは、子どもたちと地域、子どもたち同士のつながりの希薄化です。 少子化や核家族化によって年々この傾向は高まっています。国のアンケート調査では、アンケートに協力した小学生のうち68%が「家や学校以外に居場所が欲しい」と回答しています。

こうした中、子どもの「第3の居場所」づくりが全国各地で進められています。長崎県内でも3月に雲仙市、4月に諫早市と続々オープン。それぞれの特徴や活動内容をご紹介します。

雲仙市「らたん」

まずは雲仙市にオープンした「らたん」。 雲仙市千々石町にあった児童館を利用しています。

学習や遊びのスペースではのんびりと本を読んだり、スタッフと一緒に宿題をしたりして過ごすことができます。プロジェクターで映画をみることもできます。

食事スペースは主におやつの時間に過ごしますが、保護者のお迎えが遅い場合は夜ごはんを食べることもできます。 一汁三菜がついて1食100円と安価な設定になっています。

「らたん」のスタッフが大切にしているのが「個々を大切にした居場所にすること」。子どもの定員15人に対して、最大4人のスタッフがいて、きめ細かな対応をとることができます。

雲仙市「らたん」  佐々木瑠理さん

佐々木瑠理さん
「おうちで家族の帰りを一人で待っていたり、子どもだけで待っていたりする子たちに来てほしいです。こういう居場所があるよ、ということを伝えたいです」

雲仙市「らたん」の概要
▼活動日時:月曜~金曜 午後2時~午後7時
▼利用料金:無料~5000円/月
      ※家庭の状況による
▼定員  :15人
      ※利用には雲仙市への申請が必要
▼問い合わせ先:
・雲仙市子ども支援課 0957-47-7874
・ひとり親家庭福祉会ながさき 095-828-1470

諫早市「いちごっこ」 

諫早市にオープンした「フリーダム いちごっこ」に子どもたちが集まってくるのは、なんと朝。 みんなが楽しみにしているのは朝ごはんです。

「いちごっこ」に直接、利用登録をすれば小学生から高校生まで食べることができて、保護者も一緒に食べられます。子どもは無料、大人は100円です。

夫婦共働きのため家族でゆっくり朝ごはんを食べられないというというお母さんは、ここで温かいみそ汁のご飯が食べられて幸せだと話します。

朝ごはんを食べた後はみんなで登校。スタッフも付き添って、おしゃべりをしながら学校に向かいます。朝ごはんを提供する「いちごっこ」は家庭の助けになるとともに、子どもたち同士の交流の場となっています。 

夏休みこそ居場所が必要!

今、「いちごっこ」のスタッフの間で課題を感じているのが夏休みの昼食です。

諫早市「いちごっこ」管理者 森 光太朗さん

森 光太朗さん
「給食がなくなる夏休みは子どもの栄養価が偏りがち。 夏休み明けたら『ちょっと細くなったね』っていう子もいます」

さらに夏休みの宿題も家庭の悩みの種です。

森 光太朗さん
「夏休みは自由研究、習字とか、工作とか学校から出される課題があります。高学年のお子さんだと、自分でできる子もいると思うんですけど、低学年のお子さんだと手伝いが必要で、保護者が頑張らないといけない、用意しないといけないことがたくさんあります」

「いちごっこ」ではスタッフで夏休みに向けて話し合いを行い、工作や自由研究の題材となる体験活動や、子どもと一緒に夏野菜を使ったピザづくりをする予定です。

「フリーダム いちごっこ」の概要 
▼活動日時:
 朝ごはん  火曜 午前7時
 放課後利用 水曜・木曜 午後3時~午後6時  
 体験活動  土曜 午前9時~午後3時
▼利用料金:
 朝ごはん  子ども無料、大人100円
 放課後利用 無料
 体験活動  無料~500円 ※家庭の状況による
▼問合わせ:0957-22-5840

  • 柿本 遥

    NHK長崎

    柿本 遥

    「ぎゅっと!長崎」リポーター
    熊本県天草市出身
    児童養護施設で勤務経験

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