宮崎空港の裏側 定時出発率世界一 グランドハンドリングに密着
- 2023年06月06日
投稿者 787真一 さん
宮崎空港のグランドハンドリングのスタッフが、飛行機が着くどのくらい前に何をしているのか調べてください。
視聴者の疑問に答える「てげ探」。今回は「世界一、時間通りに出発できる空港」に選ばれた宮崎空港のナゾに迫ります。飛行機の地上を支える「グランドハンドリング業務」とは?
定時出発率が世界一
世界各国の航空情報を分析するイギリスの会社「CIRIUM」が去年1年間のデータを分析した結果、宮崎空港の定時出発率は93.29%と「小規模空港」の部門で世界一となりました。
定時出発率とは、出発予定時刻から15分未満で出発した便の割合を示すもので、宮崎空港では「空港」「航空各社」「保安検査場」が三位一体となって日頃から定時運航に取り組んでいるということです。
世界一の称号を手にした空港の地上支援を行う「グランドハンドリング業務」に密着します。
グランドハンドリング業務って?
通称「グラハン」と呼ばれる空港のスタッフで、到着した機体の誘導や荷物の積み卸し、そして、ボーディングブリッジや機体を動かす特殊な車の操作など主に駐機場で作業する人たちのことを指します。
今回、密着したのは東京・羽田と宮崎を結ぶ便。到着予定は午後3時20分で、午後4時には再び羽田に向けて出発します。「グラハン」はこのわずか40分で様々な業務を行います。
駐機場に出てみると、グラハンのメンバーが集まって、便ごとに到着時間のめどや荷物の量などを事前に確認しています。今回密着させていただくのは入社4年目・上山由紀乃さん。それぞれが持ち場に分かれて、作業が始まりますが、上山さんは「マーシャラー」と呼ばれる飛行機の誘導を担当することになりました。
上山さんが手を動かすと、飛行機が曲がります。そして、停止線のラインにピタリと止めました。
飛行機が止まったここからがスピード勝負です。
“グラハン”のチームワーク
停止と同時に動き出したのは、ボーディングブリッジ。飛行機からターミナルビルへ乗客を降ろすための設備です。そして、荷下ろしをする車両も同時に動き始めています。今回の飛行機は定員166人で、この日の乗客はおよそ8割。手荷物だけでなく貨物もあり、荷下ろしだけでも大変な作業です。
荷下ろしも終わらないなか、早くも出発に向けた作業もあります。写真のオレンジの棒は「トーバー」という棒で、機体を滑走路まで押しだすためのものです。機内では掃除のスタッフが166席ある機内を10分足らずできれいにしていきます。
荷下ろしが終わると、入れ代わるように今度は積み込み作業。飛行機の誘導をしていた上山さんも荷入れ作業を行っています。グラハンでは1人がいくつも仕事を掛け持ちしているそうです。荷物は重さが偏らないようバランスを意識して積んでいくということです。
いよいよ出発
荷物も積み終わり、機体を滑走路まで押す車にスタッフが乗り込みました。
先ほど紹介したトーパーで機体を押すトーイングカーです。飛行機はバックができないので、先端につけているトーパーで押していきますが、わずかに角度を変えだけでも機体は大きく動きます。この日はこの道15年のベテラン作業員が絶妙なハンドリングで操作していました。
そして、このトーイングカーが飛行機を押し始めるこの瞬間が、実は飛行機の出発時刻だということです。「定時出発率世界一」はグラハンをはじめとした空港に関わる様々なスタッフのチームワークで成り立っています。
定刻出発を「当たり前に」
取材をしていて、1人1人動きにムダがなく、定時に出発させるんだという仕事に対する強い責任感を感じました。密着した上山さんは「飛行機は天候や荷物の量など毎回、状況が異なるのでその都度、一番適した対応をするよう心がけています」と話していました。
定時出発の裏側、私も次に乗るときはそうしたスタッフの人たちに思いを馳せながら乗りたいと思います。
動画でも
定時出発を支えるグランドハンドリングスタッフへの密着の様子は、下のリンク動画でもご確認いただけます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20230427/5060015287.html
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