WBC宮崎キャンプと重なった「宮崎大学２次試験」 受験生は？

会場を下見する受験者

宮崎市内にある宮崎大学の木花キャンパスでは2次試験の前日に、多くの受験生や保護者が下見に訪れ、大学までの行き方や教室の場所を確認していました。

宮崎大学では例年、前期日程を受験する人の6割を超えるおよそ1000人が県外からの受験者です。
ふだんの年なら宿の確保に苦労することはありませんが、今年は試験と同じ日に大学近くにある「サンマリンスタジアム宮崎」で、ＷＢＣ日本代表の壮行試合が行われるため、ホテルの確保が懸念されていました。

大学が用意した「特別枠」

受験生の宿の確保に危機感を持った宮崎大学は去年のうちから県やホテル旅館組合と協議をしました。
協力してくれた宿に受験生のための「特別枠」を設けてもらい、それを大学のホームページで告知して、ＷＢＣ目当ての観光客が殺到する中でも宿を確保できる仕組みを構築しました。

それでも2次試験の出願が始まった1月下旬はその「特別枠」も次々に埋まっていく状況でした。
しかし、受験生のピンチを知って、新型コロナの宿泊療養施設になっていたホテルや、運転免許合宿用の宿泊施設を運営する自動車学校が部屋の提供を申し出て、多くの受験生が宮崎市内に宿を取ることができたということです。

きょう下見に訪れていた兵庫県から受験する生徒の父親は「はじめは大学から30キロ以上離れた都城市の宿しか予約できませんでしたが、20軒以上電話で探し続けてようやく宮崎市内で予約できました」と話していました。
いまのところ宮崎大学にも「宿が確保できない」というＳＯＳは寄せられていないということです。

大学予備校によると・・・

一方、福岡県の大手予備校によりますと宮崎大学を受験する生徒26人のうち宮崎市内に宿を確保できたのはおよそ半数にとどまり、中には近くのホテルを確保できず、あす午前中の試験開始にもかかわらず、福岡から飛行機で宮崎を目指す生徒もいるということです。

関係者の努力で懸念された混乱はおおむね避けられたもようですが、例年以上に受験生の負担は大きくなっています。

大学の対策は？

宮崎大学で入試担当を務める中林健一 副学長は「日程が重なるという情報を知ってからすぐに、大学としてできる最善の対策を尽くしてきた。当日はふだんよりも早めに、安全に気をつけて来てほしい」と話しています。

ＷＢＣの壮行試合は午後からですが、道路の渋滞を心配して朝早くに家やホテルを出るという受験生も多いかもしれません。宮崎大学では、朝7時から受験生向けに控え室を用意して対応することにしています。