宮崎県警 特殊詐欺の手口を公開 22年被害額は1億超 前年比2倍
- 2023年02月01日
宮崎県警察本部は高齢者と特殊詐欺の犯人がやりとりした実際の音声をHPで公開しました。犯人の詳細な手口を知ることで、被害の防止に役立ててほしいということです。
県警は、身に覚えのない請求や不審な電話、メールには絶対に応じず、少しでも不安を感じたら家族や警察に相談するよう呼びかけています。
犯人と高齢者のやりとり
NTTファイナンスのオオタニがお電話対応いたします。
そちらから電話があって
弊社から音声ガイダンスの問い合わせがあったということでしょうか?
はい。それで未納料金があるからって
ご本人様確認のため、名前と生年月日をお願いします。
今回弊社から連絡があったということなんですけど、昨年の10月15日に○○様の携帯電話より総合ポータルサイト「SNOW」のご登録をいただいておりまして、ご利用料金が1年間 長期未納ということでご連絡を差し上げました。
途中で男性が何度か内容を確認しようとしましたが、犯人はそれを遮るように話を続けています。
犯人の手口として、未納の使用料金があると一方的にまくし立てて自分のペースに引き込もうとしていることが分かります。さらにここから具体的なお金の請求が始まります。
なんですか?(サイトの)ブランド名は?
S・N・O・Wで「SNOW」と言います。
「SNOW?」初めて聞きます。
初めて聞いたということですか?ニュースや天気 地図 占い 懸賞 画像 電子書籍 その他含む総合のポータルサイトとなっております
利用料金は月額いくらですか?
月額950円ですけれども、強制解約の手続きが取られていて、解約の違約金 遅延損害金 事務手数料などが含まれまして、29万9600円が未納となっています。
請求書も来てないし、契約した記憶もないし、まるっきり知りません。
ご本人様の携帯端末から登録されたことが電子記録上 記録によって確認できているので法的に支払いの義務が生じています。
解約の違約金や遅延損害金など、少し落ち着いて聞けばあり得ない話と分かるかもしれませんが、このように並びたてられて、かつ当たり前のように言われると不安を感じるかもしれません。
騙されないポイント
男性の質問に対して、犯人は即座に答えを返しています。警察は犯人側が事前に相手の質問を想定し、対応を考えたうえで電話をかけていると分析しています。
竹之内 慶郎(県警察本部 生活安全部 統括官)
いろんな場合を想定して犯人側がシナリオのようなものを持っていて、それに応じたやりとりをしています。犯人側はいろいろな話術でお金をだまし取ろうとするので、最後まで話を聞いてしまうと応じてしまうことにつながってしまう。少しでも早く電話を切るというのも一つの方法です。
警察は、万が一話を続けてしまっても、絶対にお金を支払わず、警察や身近な人に相談するように呼びかけています。今回の男性も電話のあとに、警察に相談して被害にあわずに済んだということです。
また、電話だけではなくメールやショートメッセージを利用した詐欺も増えています。こちらもクリックせずにすぐに削除することを徹底することが大切です。
県内の特殊詐欺の被害額は1億円超え
これまでも警察はさまざまな方法で被害にあわないように呼びかけていましたが、昨年一年間で宮崎県内で確認された被害は1億3628万円となっていて、前の年の2倍以上となりました。
県警は、実際の犯人とのやりとりを公開することで、詳細な手口をしってもらい被害の防止につなげてもらいたいということです。実際の音声は「宮崎県警」の特殊詐欺のホームページで公開されています。