
性のあり方って? からだとこころの話④ Vol.17
“性”について考える『からだとこころの話』4本目は、性の多様性について。人間の性は男性と女性の2つだけではなく、実にさまざまです。好きになる相手が異性だけとも限りません。
性のあり方って?
女性を好きな女性。
男性を好きな男性。
男性も女性も、好きな人。
自分の「性」に違和感をもつ人。
ある調査では、LGBTなどの人は「10人に1人」という結果も。
「性のあり方」は人の数だけあるんです。
(監修:順天堂大学 教授 西岡笑子、慶應義塾大学大学院 特任准教授 本田由佳)
私たちひとりひとりの中に、いくつもの「性」があります。体の性(身体的性)、自認する性(性自認)、表現する性(性別表現)、好きになる性(性的指向)。そして、その濃淡もひとりひとり異なります。例えば、体と性自認が女性で、表現する性(服装や言葉づかい)が男性、好きになる対象は男性という人もいます。体は男性で性自認が女性、表現する性は男性でも女性でもなく、恋愛感情をもたないという人もいます。性のあり方は、人それぞれです。
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「性の多様性」は社会の活力(順天堂大学 保健看護学部 教授 西岡笑子さん)
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現在、「性」を男性か女性かといった“性別二元論”ではなく、連続するもの、「性のグラデーション」ととらえ直すことが提案されています。それぞれの「性」の要素の濃淡はひとりひとり違います。それは「セクシュアリティの個性」です。人口の数だけ「性」があります。
性的マイノリティがいるから性は多様なのではなく、すべての人ひとりひとりが異なる性を持っていて、「誰もが多様な性の構成員」です。人間という種の中の「性の多様性」は社会の活力になります。「性」について悩みを抱えている人も、そうでない人も、ぜひ、そのことを覚えておいていただきたいと思います。
#BeyondGenderのホームページには、あらゆる世代の方々から、自分の性のあり方について疑問やお悩みの声が寄せられます。
「僕は、体は女性。相手が男でも女でもそれ以外でも好きになります」(10代)
「20年以上前からパートナーと暮らしていますが、お互い、ゲイとカミングアウトせずに生活しています」(60代)
「“男の子”を押しつけられるようにして育てられましたが、ストレスからか、小学生のときから女性化乳房に…。親・親族への恐怖心から、女性らしくいたくても、それができません」(30代)
性のあり方はひとそれぞれ。むりやり型にはめるのでなく、誰もがありのままの自分でいられる社会に、居心地のいい社会になるために、皆さんのご意見をお聞かせてください。これからも取材を続けます。