サーモンの養殖が環境破壊に…【インスタ画像でわかりやすく解説】
お寿司などで人気のサーモン。
実は、その多くをチリからの輸入でまかなっています。
しかし、そのチリでは今いくつかの異変が…。
▶養殖場では大量死
▶生態系にもダメージが…
▶大統領がサーモン養殖規制に⁉
サーモンをめぐって何がおきているのでしょうか?
(NHK BS1「国際報道2023」より)
※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。
回転寿司で「最もよく食べるネタ」で11年連続1位になっているのが、サーモン(マルハニチロ調べ)。実は、チリで養殖されるサーモンは世界の生産量の3割近く、年間約100トンにも上ります。日本が輸入するサーモンの約6割がチリ産です。

チリで今、いくつかの異変が起きています。
それが、プランクトンの大量発生によって起きる「赤潮」の頻発。
気候変動による海水温の上昇が関わっているのではないかと推測されています。
特に被害がひどかった2016年には、約2300万匹ものサーモンが窒息死しました。
強風や不十分な管理などが原因で生けすの網が破れ、
海に逃げ出したサーモンは2010年~2020年の間に
495万匹にも及びます(チリ漁業局調べ)。
チリ南部のパタゴニア地方は世界的に見ても貴重な
生態系が残されていると言われています。
国際的な環境NGOは、「外来種のサーモンが固有種の
魚を食べ、生態系を乱している」と警鐘を鳴らしています。

チリ政府はこれまで国を挙げてサーモン養殖を振興してきました。
しかし、その結果、今、パタゴニアの自然保護区の中にまで養殖場が広がっています。
一部の悪質な企業の養殖場では、海底に大量のえさやふんがたまっているのが確認され、周辺海域の水質が悪化しないか懸念されています。
この地区に住む先住民族のグループは、伝統的に営んできた漁業や観光業の存続が脅かされていると裁判に訴え、養殖の停止を求め争っています。
これらの事態を鑑みて、去年3月に就任した
ボリッチ大統領が公約に掲げたのが「環境保護」です。

「サーモン養殖業界は自分たちの行動を反省してきませんでした。これ以上、養殖のライセンスを認めない法案を提出します」
養殖業者が取得する国際的な認証制度、「ASC認証」の活用です。
サーモンの管理技術や水質、スタッフの労働環境など、一定の基準をクリアした養殖場に対して付与されています。
日本でもこのマークがついたサーモン、食品を購入することができます。
環境に配慮し、安全で持続可能なサーモン養殖の実現に向けて、私たちもこの問題を考えていかないといけないですね。
インスタグラムでも画像を公開
インスタグラム「地球のミライ」では、環境問題や気候変動のほかSDGs達成に向け、今課題になっていることを写真やグラフィックで紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。
“地球のミライ”インスタグラム
※NHKサイトを離れます※
