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愛媛大「世界初の技術」でケニアに貢献 感染症マラリアの研究【動画】

  • 2024年02月02日

アフリカ・ケニアの研究グループが、80か国以上で感染が確認されている世界的な感染症、「マラリア」の研究を目的に愛媛大学を訪れています。
ケニアの研究者に日本が持つ最先端の技術を体験してもらうとともに、マラリアが流行するケニアの研究者から現地の状況や病気についての知識を共有してもらうのが目的です。

特集の内容はNHKプラスで配信中の1月31日(水)放送「ひめポン!」(NHKGTV午後6時10分~)でご覧いただけます。

画像をクリックすると見逃し配信が見られます!見逃し配信は2/7(水) 午後6:59 まで

愛媛大学を訪れているのは、ケニア最大の総合私立大「マウントケニア大学」の研究グループです。
大学の教員や研究者、大学院生のあわせて6人が訪れました。

研究チームを指導するのは、長年マラリア研究に取り組んでいる高島英造准教授です。

(愛媛大学プロテオサイエンスセンター 高島准教授)
「マラリアは無症状の感染者が主に流行の原因になっていますが、無症状の感染者を見つけるキットが全くなく、その開発のために今回ケニアのグループと共同で研究することにしました」

マラリアは主にアフリカなどの熱帯地方で流行していて、おととしは世界でおよそ2億5000万人が感染し死者は60万人以上にのぼりました。
蚊が人間を刺し、蚊の唾液に含まれている寄生虫「マラリア原虫」が肝臓や赤血球に入り込むことで発症し、感染者の血を吸った蚊が別の人を刺すことで感染が広がります。

無症状の患者から知らないうちに感染が拡大しないように、検査で見つけるのが課題になっていて、ケニアと愛媛大学のチームでその方法を確立しようと研究をしているのです。

今回の研究では愛媛大学が1999年に世界で初めて確立した小麦の胚芽を使ってたんぱく質を試験管の中で人工的に合成する技術を使っています。
この技術により、愛媛大学の研究グループはマラリア原虫を構成する5000種類以上のたんぱく質のうち4000種類以上をすでに再現しています。
それを活かして無症状の患者を迅速に見つけ出す抗体検査の開発に役立てようと、今回の研究ではマラリア原虫を培養して観察したり、データの解析を行ったりしています。

「私たちが一緒に研究をすることで、マラリアの撲滅を目指すケニアと日本のとても強力なチームができると感じています」(マウントケニア大学の教員)

さらに、それぞれの学生にとって国際交流で研究にいい影響が生まれることも期待されます。
 

「進んだ技術を持つ研究室で研究ができることは刺激的です。ここでたくさん学んだことをケニアに持ち帰りたいです」(マウントケニア大学の学生)

「彼らは身近にマラリアがあるので、話をしているとマラリアが身近な病気であることを肌で感じることができます。彼らが来る前と来たあとでは研究室の雰囲気が違うので、僕らも刺激をもらっています」(愛媛大学の学生)

高島准教授は、愛媛で生まれた技術や交流が世界的な課題の解決につながることを期待しています。

(愛媛大学プロテオサイエンスセンター 高島准教授)
「ケニアの人たちは貴重な経験ができたと言ってくれています。愛媛大学の学生としてもこんなにたくさんケニアの人たちに会う機会はないので、世界的な視野を持った学生たちを育成するにあたって非常にいい機会になっていると思います」

特集の内容はNHKプラス配信終了後、下の動画でご覧いただけます。

  • 勅使河原佳野

    勅使河原佳野

    2019年入局の記者。 好きなものはコーヒーと温泉、エスニックなもの。

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