西予市宇和町「わらアート」十二支の新作づくり "4Koku巡り旅"
- 2024年01月04日
記事紹介の前に、私たち、普段はスタジオや中継での撮影・音声・照明だったり、放送局の番組送出といった、「技術」と呼ばれる番組作りを支える側にいます。そんな私たちが「4Koku巡り旅」という番組で取材からロケ・編集と全てを担当して作っています。
この番組は四国(4Koku)4県の地域に根差した取り組みに汗する人たちや、地域の文化・風土・自然・名所旧跡など、四国の魅力を再発見する5分番組です。
年間4本程度の制作ですので、正直なところ放送でご覧になったことがある方は少ないかもしれません(涙)
ですが、こちらの番組紹介Webサイトにて過去の放送からオイシイところを2分ちょっとにまとめた動画が見られますので、この機会にぜひご覧ください。
愛媛県内については
・新宮市 あじさいの里
・道後公園
・久万高原町 中津花桃の里
の動画が見られます。
今回、番組では西予市宇和町で「わらアート」づくりに取り組む方々を紹介しました。わらを使った十二支の動物を作っていて、2024年の辰(たつ)年にちなんで竜の作品をつくっているところをお邪魔しました。
この記事では番組の制作を担当した田中職員から、番組で伝えきれなかった話などのウラ話をご紹介します。
愛媛県西予市宇和町窪にある県道237号線沿いを車で走ると、突如稲わらでできた動物たちが現れます。地域の有志(田の筋地区地域づくり協議会のメンバー)16人が地域おこしの一環として6年前から制作している「わらアート」です。
わらアートの周りの景色は季節ごとに変わり、夏は青々とした田んぼ、秋はコスモス畑。そんな素敵な景色と地域の有志の皆さんが地元のために奮闘する様子を伝えたいと思い、番組を制作しました。
地域の有志の皆さん
メンバーは60代から80代の16名です。今は定年退職している方も多く、元々は市役所勤務、JA、消防署、農家と様々な経歴を持つメンバーです。設計するのが得意な人や、ものづくりが得意な人など、それぞれが個々の特技を活かしてわらアートを制作します。
わらアートの制作
わらアートの制作の中で「わら編み」と「わらかけ」がメインの作業です。わらアートで使うわらは農家のメンバーの田んぼから採れたわらを用います。
「わら編み」は麻ひもを使ってわらを編んでいきます。農家出身のメンバーが、子供のころに親がむしろ(敷物)などを編んで作っていた姿を思い出し、編み方を他のメンバーと共有してみんなで作業します。「わら編み」はわらアートを安定させ、美しく仕上げるために欠かせない作業です。
「わら編み」が終わると「わらかけ」に移ります。
「わらかけ」は編んだわらを骨組みにかけていき、わらアートの形にしていく作業です。
十二支の動物によって難しさが変わってくるそうで、今回制作した竜は背びれやひげの部分が細かく、特に工夫した部分だと言います。
メンバーは作業日の集合時間になると作業場所に集まり、朗らかな挨拶を交わします。そして作業が始まると真剣なまなざしでわらアートを作っていきます。それでもたまには冗談を言いあって談笑しながら作業をしていて、その空気感がとても素敵でした。
地元の子供たちとの交流
地元の学校では、課外活動として「わら編み」を体験する授業があります。授業で編んだわらは実際にわらアートにも使われているそうです。
また、地元の園児たちはわらアートの周りでピクニックを開くそうです。制作したメンバーは子供たちがとても楽しそうにしているのを見て嬉しいと話していました。
番組制作を通して
有志の方々が、地元のため、子供たちのためを思い一生懸命取り組む熱い気持ちに私は引かれました。今後の目標は十二支を揃えることで、私もいつか十二支が並ぶ日が来るのが待ち遠しく感じます。(猪から始まり今回の竜が6体目です)
みなさんもぜひ旅の途中にふらっと宇和町を訪れてみてはいかがでしょうか。地域の有志の皆さんの愛情がこもった動物たちが出迎えてくれますよ。
以上、4Koku巡り旅「わしらの里に幸せが咲く 〜愛媛 西予市〜」のウラ話でした。
今後も愛媛に限らず四国の魅力ある場所を紹介していきます。
最後に、今回の放送を見逃した方へ!
ショート動画版が ↓ こちら ↓ で見られます。