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前橋 ロシア人の地域おこし協力隊員 ウクライナ人とともに活動

  • 2023年01月30日

「ほっとぐんま630」でお伝えしている「菅原が行く、中谷が行く」。
今回、菅原が取材したのは前橋市の地域おこし協力隊についてです。ウクライナから避難した学生とともに地域の活性化などを目指すロシア人男性の思いを取材しました。
                                                       (前橋放送局キャスター 菅原成美/2022年12月取材)

パーベル・フョードロフさん、ロシア・ハバロフスク出身の47歳です。
10月から前橋市の地域おこし協力隊として活動しています。
25年前、大学院への留学を機に来日したフョードロフさん。卒業後は都内の映像制作会社で主にロシアをテーマとしたドキュメンタリー番組の制作に携わってきました。

しかし、コロナ禍で海外ロケがしづらくなったことに加え、ウクライナへの軍事侵攻でロシアのイメージが悪化し、制作活動は難しい状況に。
思うような活動ができずにいた中、前橋に住む知人に勧められたのが「地域おこし協力隊」でした。

「ロシアイコール戦争と結びつていて。それでやりたい企画書はどんどんなくなって実現できなくなった。この傾向を自分として変えられない。だったら新しいことに挑戦してみようと思った」。

前橋で生活を始めて2か月あまり。フョードロフさんはすでに地域の活性化に向け動き出しています。

この日、訪れたのは中心市街地にある空きビルです。
フョードロフさんは、壁面などにペイントを施すストリートアートで、集客やまちの活性化につなげたいと考えています。

「中心部を歩いていて空き家がいっぱいあるのはすごくびっくりした。このデメリットをメリットにしようと。空き家を和風にペイントすることによって、もっと魅力を出せるのではないか」。

空きビルのペイントを担当するアーティストとの打ち合わせ。

参加者の中にはウクライナから前橋に避難している学生たちの姿も。ウクライナでデザインの勉強や仕事をしていたという学生たちに活躍の場を提供できればと、フョードロフさんが声をかけたのです。

ウクライナ人の母を持つフョードロフさん。前橋に避難しているウクライナの学生たちが、少しでも明るい気持ちで過ごせるよう支援していきたいと話します。

「交流があることによって、さらにおもしろいことが誕生すると思うし、それは前橋市の皆さんのためにもなるし、それから彼女たちにも絶対プラスになると思う」

地域おこし協力隊として市内に住む外国人との懸け橋となることも期待されているフョードロフさん。

12月、避難しているウクライナ人の学生、アンナマリア・ビレツカさんとともに前橋市にある認定こども園を訪れ、クリスマスイベントを開きました。

2人はクリスマスにちなんだ衣装を着て、それぞれの役を演じ、子どもたちと音楽を楽しんだり、お菓子などのプレゼントを渡したりしてイベントを盛り上げていました。

フョードロフさんは、市内で暮らすウクライナ人の学生と地元の人たちとの交流の場を作り、避難先での生活をサポートしていきたいとしています。

パーベル・フョードロフさん
「国どうしは対立しているが、それと個人は別です。人と人とのつながりが大切だと思い、企画しました。平和な前橋でこのような催しができてよかった」。

  • 菅原成美

    前橋放送局キャスター

    菅原成美

    2019年からキャスター。夕方のニュース番組「ほっとぐんま630」の担当3年目に突入。群馬の「気になる!」を体当たりで取材中

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