あなたもできる!「映像を作るコツ」09~「テクネ映像の教室」プロジェクション×井上涼
2024年3月17日(日)
3月17日(日)にも放送された「テクネ映像の教室」。この「まなびノート」では番組ディレクターが取材を通じて知った「映像を作るコツ」を発信します。
「テクネ映像の教室」の<テクネトライ>というコーナーは、第一線のクリエーターたちに「〈お題〉の技法で実際に映像を制作してもらう」もの。
クリエーターたちが普段映像を制作する際には「この音楽の世界観を表す映像」とか「この商品の良さを伝える映像」が大半で、「この技法の映像」という依頼を受けることはまずありません。番組に参加したクリエーターたちは、その依頼が新鮮だと引き受けてくれ、普段とは違う七転八倒しながらチャーミングな映像を作ってくれたそうです。
番組ディレクターの織田聡さんが綴ってくれた「映像を作るコツ」。あなたもできるかも!?
技法「プロジェクション」の映像制作にチャレンジしたのはアーティスト 井上涼さん。
金沢美術工芸大学卒業。「赤ずきんと健康」でBACA-JA2007映像コンテンツ部門で佳作受賞。以来、アニメーション制作・作詞・作曲・歌唱による作品で、独自の世界を繰り広げています。この「テクネ 映像の教室」への参加がきっかけとなり2013年からNHK Eテレ番組「びじゅチューン!」を手がけ、はや10年になりました。
「プロジェクション」技法とは映像をスクリーンや立体物に投影して鑑賞させる技法。
井上さんは作詞・作曲・うた・アニメーション・振り付けなどなどを全て1人で手がけるマルチなアーティスト。「プロジェクション」というお題に対しては、ダンサーの方に出演してもらい、その人物にみずからのアニメーションをプロジェクターで投影しようと考えました。ダンサーとアニメのキャラクターを共演させることになるので、タイミングと精度が大切になります。
そこで井上さんは何をしたのか?
・プロジェクターとダンサーとの距離を計測(両者が離れれば投影される映像は大きくなります)
・映像に座標を作り、人物とアニメーションの位置を合わせる
・一方で音楽を制作し、その音楽に合わせて振り付けとアニメーションづくり
・アニメーションが完成したらひたすら練習
この後撮影を迎えるのですが、なんと1日目は映像の画角調整や振り付けとのコンビネーションが詰めきれず撮影できず。準備をやり直して、後日再撮影に臨むことに。
仕切り直しの撮影日。
振り付けの精度もアニメーションのクオリティもさらにいい感じに。「プロジェクション」という技法は機材や環境に左右されることが多いので本番と同じ状況でテストを行うことが上手くいくコツでもあります。
ダンサーとアニメーションの息がぴったり合うテイクを目指して撮影が始まります。
それでも何度も「惜しい!」テイクが続き、何度もチャレンジした結果・・・
見事に成功!
キャラクターとの共演というだけではなく、アニメーションを投影することでダンサーの体にも演出を加えることが出来ました。
火を吹いたり、電気ビリビリになったりととっても楽しい作品になりました。