ページの本文へ

あなたもできる!「映像を作るコツ」07~「テクネ映像の教室」時間操作×横田将士

2024年3月17日(日)

記事サムネイル画像

3月17日(日)にも放送された、「テクネ映像の教室」。この「まなびノート」では番組ディレクターが取材を通じて知った「映像を作るコツ」を発信します。

 「テクネ映像の教室」の<テクネトライ>というコーナーは、第一線のクリエーターたちに「〈お題〉の技法で実際に映像を制作してもらう」もの。

 クリエーターたちが普段映像を制作する際には「この音楽の世界観を表す映像」とか「この商品の良さを伝える映像」が大半で、「この技法の映像」という依頼を受けることはまずありません。番組に参加したクリエーターたちは、その依頼が新鮮だと引き受けてくれ、普段とは違う七転八倒しながらチャーミングな映像を作ってくれたそうです。

番組ディレクターの織田聡さんが綴ってくれた「映像を作るコツ」。あなたもできるかも!?

「テクネ 映像の教室」時間操作×横田将士「PM:AM」

技法「時間操作」の映像制作にチャレンジしたのは映像作家 横田将士さん。
大学在学中より映像作品を発表し、その後NHKEテレ「おかあさんといっしょ」「シャキーン!」「シャーロックホームズ」「ムジカ・ピッコリーノ」等の教育番組、DREAMS COME TRUE、V6等のMV監督、ヤマハデジタル音楽教材アプリ、教育芸術社「小学生の音楽」等に参加しています。

「時間操作」技法とは「早送り」「逆再生」「リピート」など撮影した映像の時間の流れを変えることで現実にはありえない映像を作る技法。

横田さんは写真を素材にしてストップモーション映像を作ることが得意。今回はまず時計を写真に撮って、その針が進む時計を再撮影することによって「時間操作」をしようと考えました。この方法を使えば、時計が指し示す時間は横田さんの思いのままになります。

tekune07_1.png

 

 

 

 

 

次に、それらの写真を持って屋外で再撮影。誰かが落として忘れられてしまった時計は、その場所でどれだけの昼と夜を繰り返してきたのでしょう。ゆったりとした広場の土の上で、写真の中の時計の針だけがどんどん加速していきます。

 tekune07_2.pngtekune07_3.png

 

 

 

・視聴者が見ている時間と、モチーフの時計が置かれている時間がずれていく演出。

・写真のコマドリ速度と再撮影のコマドリ速度をあらかじめ計算して変えておく。
・写真の世界が夜になった時、真っ暗で見えなくなってしまうので夜の世界は他のモチーフを使って表現
・それは、長時間露光で捉えた、夜の道路を走る車明かりの軌跡。「夜の時間を操作」して写真に収める。

 tekune07_4.png

 

 

 

 

 

夜の街を移動しながら撮影していく横田さん。最終的には場所を定め、朝になり明るくなるまで定点撮影を行いました。

tekune07_5.png

 

 

 

 

 

映像制作には忍耐が必要ですが、ひたすら同じ場所で時計を見ながらシャッターを押し続ける横田さん・・・のメイキングを撮り続ける番組ディレクターの私。作品になってしまえばたった10数秒で終わってしまう映像に一晩中という長い時間をかけたのでした。

tekune07_6.png