あなたもできる!映像を作るコツ03~「テクネ映像の教室」~影×岡本将徳~
2023年10月12日(木)
10月12日(木)にも放送された「テクネ映像の教室」。
この「まなびノート」では、番組ディレクターが取材を通じて知った「映像を作るコツ」を発信します。
「テクネ映像の教室」の<テクネトライ>というコーナーは、第一線のクリエーターたちに「〈お題〉の技法で実際に映像を制作してもらう」もの。
クリエーターたちが普段映像を制作する際には「この音楽の世界観を表す映像」とか「この商品の良さを伝える映像」が大半で、「この技法の映像」という依頼を受けることはまずなく、
番組に参加したクリエーターたちは、その依頼が新鮮だと引き受けてくれ、普段とは違う七転八倒しながらチャーミングな映像を作ってくれたそうです。
番組ディレクターの織田聡さんが綴ってくれた「映像を作るコツ」。あなたにもできるかも!?
技法「影」の映像制作にチャレンジしたのは岡本将徳さん。
東京藝術大学大学院でアニメーションを学び、
ストップモーション作品'Ho-Ho' This message is boiling hot.などを制作した
映像クリエーターです。
'Ho-Ho' This message is boiling hot.
© Sony Digital Entertainment/Masanori Okamoto
「影」技法とは
物体に光を当てることによりできる影を利用して映像を作る技法。
光のあたる方向、光の色や強さ、また元となる素材によって様々な表情を生みだすことができます。
岡本さんは影が物体の形を変えずとも、光の位置によって伸びたり縮んだりして
思わぬ形を作り出すことに注目しました。
自分が得意としているストップモーションアニメーションの中で
影が伸びて自由な形にメタモルフォーゼしていく動きを、をうまく使うことができないか試行錯誤を繰り返しました。
どんなモチーフを選ぶと形として美しいのか?
ヒントになったのは家紋。
白黒のみで表現されたシルエットが影絵のようにも見えました。
また多くの家紋は植物をモチーフにしていることが多いことに着目。
岡本さんが扱うモチーフは「花」に決まりました。
花の影絵が次々と形を変化せていくアニメーション、タイトルは「ハナカゲ」です。
実際の撮影手順は
・厚紙を花の形を模して切り抜く。これをたくさん用意する
・光を透過するスクリーンの上に厚紙の花を載せて影を落とす
・スクリーンの真下にカメラを設置して、スクリーンに映った影を撮影する
・光はペンライトを用いて自由に動かし、影の形を変化させる
例えば寝かせていた花びらを起こすと、影の方の花びらはながーく伸びて
まるで花が生き物のように動いて見えます
影絵遊びの要領で花の形を探りながら面白い形を探っていくと・・・
もう、その場で、次の花の形につながる影絵のアニメーションを見ているような感じになります。
形の変化を一枚一枚撮影しストップモーションを使って連続させると
美しい影のアニメーション作品が完成しました。