室戸高校生が考案!外来種のサボテンを“食べて”駆除
- 2024年02月07日
高知県東部にある室戸岬では20年以上前から外来種のサボテンが繁殖し、在来種に影響を及ぼしています。サボテンを“食べる”ことで駆除につなげようと、立ち上がった地元の高校生を取材しました。 (高知放送局 キャスター 城あすか)
室戸岬に繁殖する外来種
うちわの形をしていて、大きなとげが特徴的なアメリカ原産の「ウチワサボテン」。高知県東部の室戸岬に広く群生し、植物の生態系を脅かしています。
3年ほど前から地元のボランティアの人たちが駆除をしていますが、国定公園の室戸岬は一部が天然記念物に指定されているため大規模な駆除が難しく、繁殖のスピードに追いついていないといいます。
室戸ジオパーク推進協議会 中村昭史 地理専門員
室戸岬のサボテンは、最初は誰かが持ち込んできたものがきっかけだと思いますが、そのあと、おそらく放置されたままで、長年増えていったものだと思います。遊歩道にまでちょっと飛び出すほどで、かなり危険だということで早急に駆除しなければいけないという状況です。
駆除に立ち上がった高校生
そこで外来種のサボテンを“食べる”ことで駆除しようと、室戸高校3年の黒岩大喜さんと後藤拓歩さん、仙頭尚一朗さんの3人が立ち上がりました。室戸市の自然や歴史などを学ぶ授業の中でサボテンの現状を知った3人はサボテンを料理に活用できないか考えたのです。
サボテンをただ駆除して捨てるだけだともったいない感じがして、調べたらメキシコとかでサボテンを食べる文化があったので、じゃあ自分たちも食べられるんじゃないかと思って料理をしてみたのがきっかけです。
考案したサボテン料理とは
3人はサボテンの食感や味を生かせるメニューを考えました。考案したのはサボテンのスムージーにチンジャオロースー、サラダ、それにドライカレーの4種類です。なかでも2023年の試食会で一番おいしいと評判だったのがドライカレーでした。
ドライカレーの作り方
まずサボテンの細かいとげをなくすために、コンロの火で表面をあぶります。
見えないとげがあるので、最初のうちに燃やして飛ばしておくことで、のちの皮を剥ぐ作業が楽になります。
そして固い皮は、包丁で丁寧に剥ぎます。
お湯でさっとゆがくと下処理が完成。
にんじんやタマネギなどほかの具材もあわせて粘りけのあるサボテンを加えるとドライカレーの完成です。
サボテンがネバネバしているんですけど食感がシャキシャキとしていて、それがアクセントになっていて、とてもおいしいです。
サボテンのシャキシャキ感と皮の固さとかもあって歯ごたえがとてもいいので、それを生かせる料理を作りました。
サボテンに新たな価値を
高校生のアイデアで、外来種のサボテンに新たな価値が生まれようとしています。
サボテンを使って室戸の特産品として売り出したいなと思っています。
将来的には室戸市以外の方にもサボテン料理を買っていただいて、室戸のサボテンがなくなるようにしていってもらえればいいなと思っています。
サボテンを使った料理のメニューはまだ商品化に至っていませんが、今後後輩に引き継いで販売できるようにしていきたいということです。
※サボテンの駆除には高知県や室戸市の許可が必要で、無断で伐採することはできません。