思い出のジュエリー ~輝きをもう一度~
- 2024年02月21日
馬場太平さん。
北九州市小倉北区にある、およそ100年の歴史をもつ店の3代目のジュエリー職人です。祖父の代から受け継いだ手法で、使えなくなったジュエリーの修理をしています。お客さんの思い出を未来につなぐ職人を取材しました。
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ジュエリーには「特別な思い出」が刻まれる
記念日のネックレスや大切な人にもらった指輪などジュエリーには、持ち主の人生の特別な思い出が詰まっています。
馬場さんのこだわりは、お客さんひとりひとりへの丁寧な接客。
使えなくなった思い出の品を修理して「未来へとつなぐ」のがやりがいだといます。
祖父から約100年 受け継いだ技術
馬場さんが物心ついたときから、ジュエリー工房が遊び場でした。祖父が金属の塊から少しずつ形にしていく様子に魅力を感じたといいます。
受け継いできたのは、金属を伸ばしたり、たたいたりして強くする技法です。
たたく台となる「金敷」は祖父の代から半世紀以上使われる特注品です。
亡き父との思い出もつなぐジュエリー
お店に訪れた松尾祐子さん。
依頼するのは、40年ほど前に父からもらった指輪です。
大人になった記念にと突然くれたプレゼント。その数年後に亡くなったため形見の指輪となりました。
もらった当時はキラキラしたのをつけるのは抵抗があったんです。何十年もアクセサリーボックスにしまい込んでいました。整理していてどうしても処分できなくて。
ジュエリーに刻まれた家族の記憶に思いをはせながら、修理をします。
指輪についている宝石を傷つけないように細心の注意を払います。
いよいよ指輪を渡す日。
すごくきれい。これだけは手放さなくて本当に良かった。父に感謝して、人生最後の指輪として大事にしていきます。
家族の歴史をつないでいくためのお手伝いができるのはとてもうれしいです。自分が元気でいる限りは続けたいなと思います。
「思い出のジュエリーをもう一度」
持ち主の人生を輝かせたい馬場さんの思いです。