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第1427回
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2023年7月14日(金)公表
※「12 審議事項 (1) 次期中期経営計画(案)について」は2024年1月26日(金)公表

日本放送協会第1427回経営委員会議事録
(2023年6月27日開催分)

第1427回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1427回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2023年6月27日(火)午後0時40分から午後4時35分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 大 草   透
     原 一 夫   堰 八 義 博 不 破   泰
    前 田 香 織   水 尾 衣 里
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  稲 葉 会 長 井 上 副会長 小 池 専務理事
  竹 村 専務理事 林   専務理事 山 名 専務理事
  根 本 理 事 中 嶋 理 事 安 保 理 事
  熊埜御堂  理事 山 内 理 事 寺 田 理事・技師長

 

 

< 場   所 >
○放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

< 議   題 >

 

1 令和4年度決算について

 

2 説明会 次期中期経営計画(案)について

 

3 今後の議事運営について

 

4 議事録確認

 

5 会長報告(資料)

 

6 監査委員会報告

 (1) 日本放送協会2022年度業務に関する監査委員会の活動結果(資料)

 

7 議決事項

 (1) 日本放送協会令和4年度業務報告書について(資料)

 

8 監査委員会報告

 (2) 日本放送協会令和4年度業務報告書に添える監査委員会の意見について(資料)

 

9 議決事項

 (2) 令和4年度予算総則の適用について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (3) 日本放送協会令和4年度財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)

 

10 監査委員会報告

 (3) 日本放送協会令和4年度財務諸表に添える監査委員会の意見について(資料)

 

11 議決事項

 (4) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 

12 審議事項

 (1) 次期中期経営計画(案)について(資料)

 

13 その他事項

 (1) 総務省 デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会「放送業界に係るプラットフォームの在り方に関するタスクフォース」について(資料)

 

14 報告事項

 (1) 令和4年度NHK連結決算について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (2) 2022年度年金基金の状況

 (3) 子会社管理状況等の報告(資料)

 

15 監査委員会報告

 (4) 子会社管理状況等の報告に対する監査委員会の意見

 

16 報告事項

 (4) 2022年度関連団体の事業運営状況等について(資料)

 (5) 関連団体事業活動審査委員会報告(資料)

 

17 監査委員会報告

 (5) 関連団体事業活動審査委員会等について

 

18 報告事項

 (6) 2022年度NHKと関連団体との取引の公表について(資料)

 (7) 2022年度末都道府県別推計世帯支払率について(資料)

 (8) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 

19 視聴者のみなさまと語る会(関西・学生)登壇者報告

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員長が経営委員会の開会を宣言。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

 

1 令和4年度決算について

 令和4年度決算について、情報共有と意見交換を行った。

 

<根本理事 入室>

 

 

2 説明会 次期中期経営計画(案)について

 執行部から、次期中期経営計画(案)について説明を受け、意見交換を行った。

 

<根本理事 退室>

 

<稲葉会長 入室>

 

 

3 今後の議事運営について

 今後の議事運営について、情報共有と意見交換を行った。

 

<稲葉会長 退室>

 

<稲葉会長、井上副会長、専務理事、理事 入室>

 

 

4 議事録確認

 第1426回(2023年6月13日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2023年6月30日に公表することを決定した。

 

 

5 会長報告(資料)

 (稲葉会長)
 5月30日の経営委員会において、NHKプラスにおける衛星放送番組の配信対応整備に関する稟議事案に関する再発防止策の体制についてご報告しました。そのあと、法律のアドバイザーお一人にお願いする形よりも、さまざまな観点から検討を行えるほうが望ましいと判断するに至りました。こちらの4名の方に、委員会形式で助言をお願いする形にしたいと考えています。
 一人目は柿澤寿信さん、立命館大学共通教育推進機構の准教授で、労働経済学、人事の経済学などがご専門です。二人目は齋藤卓爾さん、慶應義塾大学経営管理研究科の教授で、コーポレートガバナンスの実証研究などがご専門です。三人目は平松剛実さん、西村あさひ法律事務所の弁護士(カウンセル)で、コーポレート案件、法領域を跨ぐ事案がご専門です。放送法制にも精通され、本委員会の座長を務めていただきます。四人目は船木夏子さん、有限責任監査法人トーマツの公認会計士で、パブリックセクターのガバナンスや監査などがご専門です。
 委員会では、協会の意思決定のあり方、稟議規程と各種規程のあり方、組織風土ほか、関連する事項について検討します。すでにきのう、1回目の会合が開かれ、7月末には一定の方向性を得たいと考えています。本委員会のご助言を踏まえながら適切に検討を進め、再発防止策を取りまとめて参ります。また、検討結果は改めてご報告します。

 (大草委員)

 事前に監査委員会でご説明をいただき、その席上でも確認させていただきましたが、7月末ということですが、7月24日の監査委員会並びに7月25日の経営委員会において、何らかの報告をいただけるという理解でよろしいでしょうか。

 (稲葉会長)

 できるだけその方向で努力したいと思っています。

 (明石委員)

 具体的な開催頻度はどのくらいを考えていますか。

 (井上副会長)

 きのう、1回目を開催して、7月末の報告まで4回を予定しています。

 (森下委員長)

 再発防止策などをまとめて報告をいただき、経営委員会でも評価、意見を出していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 

 

6 監査委員会報告

 (1) 日本放送協会2022年度業務に関する監査委員会の活動結果(資料)

 (大草監査委員)
 監査委員会の職務の執行状況を、放送法第39条第6項の規定に基づいて報告させていただきます。今回の活動結果報告は、協会の2022年度業務に関する監査委員会の活動についてまとめ、報告するものです。本日は、「業務監査」のうち、「監査委員会の認識」の要旨を中心にご説明します。
 まず重点監査項目の1つ目は、「内部統制の推進およびリスクマネジメントの取り組み」です。リスク事案や不祥事を減らすには、まずは現場での未然防止が不可欠であり、リスクに対する感度や対応力の一層の向上と、グループを含めたコンプライアンス順守の徹底が求められます。リスクマネジメント室には、現場のセルフマネジメントを一層支援するよう期待します。改革による制度や組織の変更を着実に進めるには、権限と責任の明確化や、職員間の情報共有と理解が重要です。現場に混乱や負担、不安を生じさせることのないよう、組織一体となって丁寧に改革を進めていくことを求めます。また、内部監査室には、経営に資する提言を積極的に行うことを期待します。業務の高度化・効率化を図るうえで、グループを含めた全体最適の視点でITガバナンスを強化することを期待します。また、高度な専門性やITリテラシーをどのように確保し、ITやデジタルに対する経営の感度をいかに高めていくか、注視していきます。
 2つ目は、「公共メディアとしての放送・サービスの取り組み」です。メディア環境が大きく変化する今、公共メディアとして何をすべきか、どういう存在であるべきかという原点を真摯に追求することを求めます。安全・安心を支えること、正確で質の高い多様なコンテンツをあまねく提供することについては、放送はもちろんインターネット、イベント、最新技術などを駆使して、より一層レベルアップを図っていただきたいと思います。インターネットでは、視聴者・国民の理解を十分に得ることや、インターネット活用業務実施基準等にのっとることを前提に、時代に即した在り方を体現していくことを望みます。ユニバーサルサービスにはさらなる進化を期待します。
 3つ目は、「スリムで強靱な新しいNHKに向けた取り組み」です。協会がメディア環境の変化に対応するには、これまで進めてきた構造改革の定着が不可欠だと考えます。「改革の検証と発展」の取り組みを契機に、課題や現場の声を改善につなげることを期待します。検証の結果を次期経営計画に反映することなどを通じて、役職員一丸となって取り組んでいただきたいと思います。予算規模の縮小が予想される中、公共メディアの役割を持続可能な形で果たしていけるのか、極めて高い関心を持って見ていきます。受信料値下げを控え、公平負担に向けた共感と納得の醸成を図りつつ、安定的な収入確保と構造改革がより一層進むことを、期待を持って見ていきます。
 4つ目は「NHKグループ経営改革の取り組み」です。中間持株会社がスタートしたことや、「NHK財団」の体制を整えたことは、NHKのグループ経営が踏み出した新たな一歩であり、その進化に期待しています。グループ経営改革を着実に進めるための前提は、意識と情報の共有、そしてコミュニケーションです。ガバナンスの強化や業務の効率化がどのように実現されていくのか、財団統合によって社会貢献事業がどう強化されるのかなどを注視していきます。また、リスクマネジメントでも、関連団体や取引先などで起こるようなトラブルも、NHK本体およびグループ全体の信頼や存在価値を揺るがすことにつながりかねません。この認識を関係者全員で共有し、コンプライアンスの徹底を図っていただきたいと思います。
 次に、「その他の監査項目」です。
 1つ目は「放送センター建替に向けた取り組み」です。建て替えの抜本的な見直しの検討にあたっては、コスト削減だけではなく、長期的な視点による関係部局との連携や計画の柔軟性の維持等について、英知を結集することを期待しています。川口施設の職場環境等への懸念払拭に向け、関係部局の声に対応することも重要と考えます。また、建築コスト高騰への対策も必要と考えます。
 2つ目は「健康確保のための取り組み」です。2013年に佐戸未和さんが亡くなって以降の健康確保策の施策の取り組みは、不十分だと言わざるを得ません。新たな健康確保施策の趣旨を浸透させ、「健康」は仕事をするうえでの前提条件であるという認識を持って、今後の業務を進めることを求めます。そのうえで、特定の人に業務が集中しないよう、業務フローや体制などの見直しを行うとともに、業務の平準化やノウハウの共有などにより、余人をもって代え難い状況をつくり出さないことが、長時間労働の抑制のみならず、組織の持続可能性の観点からも重要と考えます。経営の強いリーダーシップのもと、各職場が知恵と工夫を結集してこの課題解決に取り組むこと、さらに、パターンごとの処方箋をつくって蓄積し、組織間で共有していくことを強く望みます。
 3つ目は、「『BS1スペシャル』問題を受けた放送ガイドライン順守の徹底を図る取り組み」です。正確な事実に基づいての真実や問題の本質に迫るという取材の基本姿勢を欠いていたことや、2015年の『クローズアップ現代』の事案以降に整備していた再発防止策が機能しなかったことなどは、誠に遺憾です。協会がBPOの指摘を真摯に受け止め、さまざまな再発防止策を行っていることを認識していますが、このような取り組みを粘り強く続けることで教訓を風化させないことが重要であり、今後も再発防止策がしっかり機能していくか、注視していきます。
 4つ目は、「インターネット活用業務に係る不適切な調達手続きの是正」についてです。協会がみずから問題に気づいて、違法のおそれがある状態を早期に是正したものの、重要な経営判断を適正な手続きなく進めたことは大変遺憾です。さまざまな確認のポイントがあったはずで、各段階で責任を持ってチェックする必要がありました。また、重要な案件を持ち回りで決めていたことのリスクを、監査委員会は強く懸念します。稟議規定や経営の意思決定プロセスが適切なものであるかなど、この機会に見直す必要があると考えます。理事会や経営委員会などに諮るべき事項を改めて確認するとともに、役員間のオープンな議論など、風通しのよい組織風土への改善を求めます。今回の業務フローでは実質的責任者が曖昧であり、職務権限と責任を明確化させることが急務です。さらに、監査委員会では、設備整備の目的を変更する場合には、視聴者への説明責任が果たせるような形にする必要性を執行部に伝えていますが、今後の対応にあたってもこの点に留意していくことを求めます。監査委員会では、協会が外部の知見を取り入れて行うとしている業務執行の改善に向けた検討状況を注視しながら、本件に関わる監査委員会の活動や見解を経営委員会に適宜報告していきます。
 最後に、特別監査項目についてです。次期会長任命プロセスは、適正なものだったと認識しています。Ⅱ「会計監査」、Ⅲ「監査委員会の活動」については、報告書をご覧ください。

 

 

7 議決事項

 (1) 日本放送協会令和4年度業務報告書について(資料)

 (根本理事)
 令和4年度業務報告書の案を別冊のとおり取りまとめましたので、ご説明いたします。
 業務報告書は放送法第72条に基づき、毎年度の事業の実施結果について取りまとめるもので、NHK自身の主観的な評価を加えることなく、正確に書きとめるべきものとして、放送法施行規則で定められた記載事項に沿った章立てで記述しています。
 まず目次をご覧ください。報告書は、12の章と資料で構成しています。第1章が、特記事項および全体の要約になっていますので、この章を中心に、主な記載内容を説明します。
 1ページです。冒頭は、事業活動全体についての総論部分です。1段落目にはNHKの基本的な法的位置づけを記載しています。2段落目からは、4年度の特記事項を記載しています。「中期経営計画の2年目として、大規模な番組改定、NHKプラスの24時間提供、営業活動の抜本的な構造改革、人事制度改革などの業務を遂行したこと」「中期経営計画を修正し、『安全・安心を支える』『あまねく伝える』の強化や、受信料額の1割値下げなどを示したこと。そして、業務の諸改革を検証し、発展させるための取り組みを開始したこと」「新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底して事業を継続したこと」「ウクライナ情勢について、視聴者に必要な情報をお届けしたこと」「放送法改正を受け、関連事業持株会社の設立や、割増金の規定への対応などを行ったこと」以上の5点を記述しています。
 2ページからは第2章以下の概況になっています。
 (1)は第2章のうち国内放送についてです。第2章では、各波の編集方針や番組改定の概要や、新設番組や特集番組の番組名なども記述しています。なお、第2章本編では、令和3年12月に放送された「BS1スペシャル」について、再発防止に取り組んだこと、そして重大な放送倫理違反があったとするBPO意見の主旨を放送したことも記載しています。
 (2)は国際放送についてで、テレビとラジオによる国際放送の番組編成、実施状況を記述しています。3ページの(3)は、海外への番組提供や国際共同制作などに関する項目、(4)はインターネット活用業務についてです。
 4ページの(5)は調査研究の概況で、第3章では各種世論調査や番組に関する調査研究について、第7章では放送技術に関する研究の実施状況をまとめています。
 次の(6)は第4章、営業活動と受信関係の業務の概況で、従来の巡回訪問を中心とした契約・収納活動からの抜本的な構造改革を推進したことや、年度末の放送受信契約件数などを記載しています。なお、第4章本編では、いわゆる信書問題について、再発防止に取り組んだことも記載しています。
 (7)は第5章、視聴者関係業務の概況で、広報活動、情報公開、意見・苦情への対応、公開番組の実施などをまとめています。
 5ページの(8)は第6章、放送設備に関する項目で、中継局の開設、設備の更新、放送センター建替工事や放送会館の整備などを記述しています。
 (9)は第8章、業務組織の概要や職員の状況についてです。経営委員会、監査委員会、執行部について、その構成や会議等の内容を記述しているほか、業務体制の見直しや環境経営、職員の状況などについても記述しています。なお、令和元年に亡くなった男性管理職が労災と認定されたことを受けて、健康管理施策を強化したことも記載しています。
 (10)は第9章、内部統制に関する体制整備・運用で、経営委員会、監査委員会、執行部が、それぞれの職務に当たって内部統制関係議決を遵守し、必要な体制を整備・運用したことを記しています。
 6ページの(11)は第10章、財政の状況です。令和4年度決算について記述しています。
 (12)は第11章、子会社等の概要で、子会社等からの配当や副次収入、子会社の事業活動の適正性確保に向けての取り組み、NHKメディアホールディングスの設立などについて記述しています。
 本文のご説明は以上です。本文の後ろには関連する資料を53点掲載し、69ページから70ページが資料編の目次となっています。これらの資料を含めて、放送法施行規則に定められた記載すべき事項を網羅しています。
 以上、令和4年度の業務報告書案について説明しました。議決をいただきましたら、財務諸表とあわせて、本日中に総務大臣に提出する予定です。ご審議のほど、よろしくお願いします。
 以上です。

 

 

8 監査委員会報告

 (2) 日本放送協会令和4年度業務報告書に添える監査委員会の意見について(資料)

 (大草監査委員)
 「日本放送協会令和4年度業務報告書に添える監査委員会の意見書」について、ご説明いたします。本意見書は放送法第72条第1項に基づくものです。
 まず全体構成です。「序文」に続き、「監査意見」「監査方法」「会長、副会長、理事の職務執行の監査」「経営委員会委員の職務執行の監査」の順で記載しています。以下、ポイントをご説明します。
 2ページ、「監査意見」です。「インターネット活用業務に関わる不適切な調達手続きの是正」については、現在、専門委員会による再発防止の提言等が取りまとめ中であることから、令和4年度業務報告書に記載がないことも勘案し、監査委員会の意見は、以下のとおりとなりました。
 「1、事業の実施報告を記した業務報告書と協会の状況との間に、重大なそごは認められない」「2、役員の職務の執行に関する不正行為、または法令もしくは定款に著しく違反する事実は認められない」「3、内部統制に関する経営委員会の議決の内容、および、当該議決に基づき整備されている体制、ならびに執行について特に指摘すべき事項は認められない」
 続いて、3から4ページは「監査方法」です。監査委員会がどのような方法で監査を行ったのかを説明しています。
 次に、5ページから「会長、副会長、理事の職務執行の監査」を記載しています。これは「監査意見」に付記する形で監査委員会の認識・見解を中心に記載しています。令和4年度業務報告書に記載がない「インターネット活用業務に関わる不適切な調達手続きの是正」、この項目を除いては、2022年度監査委員会活動結果報告の「監査委員会の認識」と同じ内容となっています。
 さらに、10ページで「財政状況の確認」「会長、副会長、理事の経費監査」について記載しています。
 最後の12ページでは、「経営委員会委員の職務執行の監査」について記しています。

 

 採決の結果、議決事項(1)について原案どおり議決。

 

 

9 議決事項

 (2) 令和4年度予算総則の適用について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (竹村専務理事)
 資料は3つ、ご用意をしています。1つ目は、「令和4年度 予算総則の適用について」です。これが本日の議案となります。二つ目は、「令和4(2022)年度 収支決算表(予算総則適用)」です。これは今回の予算総則の適用をしたあとの収支決算表です。そして三つ目は、「令和4年度 予算総則」のうち、今回適用する条文を抜粋したものです。
 それでは、資料二つ目の「令和4(2022)年度 収支決算表(予算総則適用)」の資料に沿ってご説明します。予算総則とは、国会の承認を受けた収支予算書に定めた予算の流用や建設費予算の繰り越しなど、予算の運用等に関する規定です。まず1ページ目は、一般勘定の事業収支に適用する予算総則です。この表の中央の列をご覧ください。適用するのは、第6条による予備費の使用です。予備費は、予見しがたい予算の不足が発生した場合に、経営委員会の議決を経て使用します。予備費は予算に30億円計上しており、ここから、外国為替レートが円安になったことによる支出増に、総額で14億1,178万3,000円を使用するものです。以上が、一般勘定の事業収支に適用する予算総則です。
 続いて、2ページ目です。資本収支に適用する予算総則です。適用するのは第5条の建設費の繰り越しです。これは、理事会の審議を経て適用します。まず、資本収支決算表の右から2番目の列ですが、第5条第1項の適用により、翌年度への予算の繰り越しを行います。令和4年度の建設費予算のうち、放送網設備や番組設備等の整備費で令和4年度中に支出されなかった67億4,338万7,000円を、令和5年度に繰り越します。そして、中央の列は、第5条第2項の適用による、前年度からの繰り越しの受け入れです。令和3年度決算において、令和4年度に繰り越した56億5,194万3,000円を受け入れています。一般勘定における予算総則の適用は以上です。ここまでが議案の1ページ目までの内容となります。
 続きまして、資料の3ページ目です。有料インターネット活用業務勘定に適用する予算総則についてです。事業収支決算表の中央をご覧ください。適用するのは第7条による増収額の振り当てです。第7条は、事業量の増加等により収入が予算額に比べて増加するときは、その増加額は、これらの事業のため必要とする経費の支出に充てることができるという条項で、これについては経営委員会の議決事項となっています。視聴料収入の増加等により増収となったため、事業収入の予算を4億3,700万円増額し、事業支出の予算も同額を増やし、これらの業務にかかる支出に充てます。有料インターネット活用業務勘定における予算総則の適用は以上です。
 続きまして、4ページ目は、受託業務等勘定です。第7条による増収額の振り当てを行います。G7広島サミット開催に伴う国際放送センターの設置・運営業務の受託等により増収となったため、事業収入の予算を3,818万4,000円増額し、事業支出の予算も同額を増やし、これらの業務にかかる支出に充てます。
 令和4年度予算総則の適用についての説明は以上です。よろしくご審議お願いします。

 (礒山委員)

 今回のNHKプラスで、予算の流用について問題になっていますが、これは令和4年度で流用したということで、どこの項目にこの数字があるのでしょうか。

 (竹村専務理事)

 この中には入っていません。

 (礒山委員)

 どこに入っているのですか。

 (竹村専務理事)

 事業自体は修正をしましたので、新しい形のものとなっています。

 (礒山委員)

 新しい形とはどのようなことでしょうか。

 (竹村専務理事)

 手続きを切り替えて、5月に調達行為を改めて行っています。予算の流用で繰り越しをするというものについては、すでに令和4年度中に着手をしていて、半導体不足等によって工事が完了していないものの額を、翌年度に繰り越しをしたものが、67億円です。

 (礒山委員)

 9億円近く使ったのは、前期の予算で済んでいるという考えですか。

 (竹村専務理事)

 あのお金は、一切入っていません。

 (礒山委員)

 そのあたりが明確にならないと、今後のいろいろな予算措置をわれわれはチェックできないわけです。

 (竹村専務理事)

 それについては、財務諸表のところでご説明申し上げようと思っていました。

 (礒山委員)

 財務諸表のところで説明してくださると思いますが、われわれはそのように感じることがあり得ます。だから、丁寧にご説明いただいたほうがよいと思います。

 (明石委員)

 予算総則の資料で、2、3ページの予算残額は、単位が「億円」になっていますが、4、5ページ目は、単位が「万円」となっています。これはどう見ればよいのでしょうか。

 (竹村専務理事)

 僅かなものだと「0.000」と書くのが少し細かくなり過ぎるので、ここだけあえて「万円」と注記をして、全体は「億円」としています。

 (経理局会計部 部長)

 ゼロといった表記のしかたもありますが、稀に「ゼロ円」と誤読をされることもありますので、このような「万円」という形で丁寧に示させていただいています。

 (森下委員長)

 予算総則の予算流用については、厳しく表現しないといけないということです。予算総則の予算流用については、非常に厳しい判定なので、非常に小さい金額でも、きちんと書かないといけないということですね。

 (経理局会計部 部長)

 そのとおりです。

 

 採決の結果、議決事項(2)について原案どおり議決。

 

 (3) 日本放送協会令和4年度財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)

 (竹村専務理事)
 令和4年度の財務諸表がまとまりましたので、ご報告をします。経営委員会での議決事項となっています。
 先ほどご質問いただきましたインターネット活用業務に係る不適切な調達手続きがありましたが、これについては是正をしました。本件については、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人が、資料の確認、それから、協会へのインタビューを実施して、令和4年度の財務諸表の計上額への影響はないこと、また、後発事象に係る追加の開示が不要であることを確認しています。このたび、このようなことも踏まえて、正式な財務諸表としてまとめており、会計監査人から監査報告を受領しましたので、ポイントを絞ってご説明します。
 資料は全部4点でございます。
 まず、1点目は「財務諸表」です。2点目は「独立監査人の監査報告書」です。3点目は「決算説明資料」です。財務諸表に記した決算の内訳に加えて、事業運営計画の実施状況などを記載しているものです。資料の4点目は「決算概要」です。収支決算や財務の状況のほか、受信料や国内放送費など、主要な科目の決算状況を取りまとめたものです。視聴者の皆さまにNHKの事業運営を分かりやすくお伝えするため、決算のポイントを単体・連結あわせて説明している資料となっています。
 まず、1点目の資料の「財務諸表」についてご説明します。この財務諸表については、本日、経営委員会で議決していただいたうえで、放送法第74条の規定に基づき、監査委員会および会計監査人の意見書を添えて、総務大臣に提出をします。そのあと、内閣を経由し、さらに会計検査院の検査を経て、国会に提出されます。財務諸表については、放送法および放送法施行規則に基づいて作成しており、「財産目録」「貸借対照表」「損益計算書」「資本等変動計算書」「キャッシュ・フロー計算書」および「これらに関する説明書」の6つの書類により構成されています。
 続きまして、2点目の「独立監査人の監査報告書」です。報告書の冒頭に「監査意見」がありますが、その最後に書かれているとおり、会計監査人からは、監査の結果、「すべての重要な点において適正に表示しているものと認める」との適正意見が表明されています。
 それでは、決算の内容について、4点目の資料「決算概要」でご説明します。3ページに、事業収支決算の状況を記載しています。まず、前年度決算との比較でご説明します。一般勘定の事業収入は、前年度に対して43億円減の6,965億円となりました。このうち受信料は6,725億円となり、受信契約件数の減等により、前年度に比べ、76億円の減収となりました。一方、事業支出は、新型コロナウイルス感染症の影響により抑制していた番組・取材活動の回復等に伴う国内放送費の増や、営業における訪問要員体制の縮小等に伴う契約収納費の減、あるいは設備投資の抑制等に伴う減価償却費の減などにより、前年度に対し93億円増の6,702億円となりました。以上により、事業収支差金は、前年度に比べ、137億円減の263億円となりました。一番下に建設費の状況を記載しています。放送センター建替工事や放送番組設備の整備、地域放送会館の整備等を実施し、前年度に対して16億円増の672億円となりました。
 4ページをご覧ください。予算との比較です。事業収入は6,965億円で、受信料の増収や固定資産売却益の増などにより、予算に対して75億円の増収となりました。一方、事業支出は6,702億円で、訪問要員体制の縮小等に伴う契約収納費の減や、設備投資の抑制等に伴う減価償却費の減などにより、187億円の予算残となりました。以上により、事業収支差金は263億円となりました。この263億円については、全額を翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越します。
 5ページです。建設積立資産および財政安定のための繰越金の状況です。建設積立資産については、前年度末から増減はありません。財政安定のための繰越金については、2021年度末の2,231億円に対し、事業収支差金の263億円と資本収支差金124億円の合計387億円を繰り入れ、2022年度末の残高は、2,618億円となります。その下に、4月20日の放送法施行規則の改正施行を受け、2023年度に組み替えますということを記載しています。この2,618億円については、放送法施行規則の還元目的積立金に関する規定が、4月20日に施行されたことを受け、2023年度に組み替えを行います。具体的には、この2,618億円から財政安定のための繰越金の上限額までの金額のうち、協会が必要と認める額として418億円と、受信料値下げに伴う2023年度の事業収支差金の不足の補てんに使用する額として、280億円の、この2つを差し引いた1,920億円を、還元目的積立金として組み替えをします。2023年度の予算策定時に、見込み額で計上していた2022年度末の財政安定のための繰越金について、本日の経営委員会の議決を経て、2022年度の決算が確定することにより、予算どおりの1,920億円を還元目的積立金に組み替えることにします。
 次ページ以降には、財務諸表のほか、事項ごとに概要を説明しています。
 6ページですが、協会全体の比較貸借対照表を記載しています。ページ中央の資産合計をご覧いただきますと、2022年度末は1兆2,973億円で、この金額は協会としては過去最高の金額になっています。一方で、今後、先ほどご説明した還元目的積立金を取り崩すなど、資産規模は徐々に減少していきますので、当面この決算のこの値がピークということになろうかと思います。7ページには、協会全体の比較損益計算書、それから比較キャッシュ・フロー計算書を記載しています。8ページからは、一般勘定の決算状況を記載しています。まず、8ページは、事業収支の決算について、前年度決算との比較で、科目別にお示しをしているものです。続いて、9ページは、予算との比較です。予算額は、予算総則を適用したあとの最終予算案となっています。10ページでは、受信料の状況についてまとめています。受信料は契約総数の年間増減が11万件の減少となったことなどにより、前年度と比べて76億円の減収となりました。支払率は79%、衛星契約割合は53%となりました。11ページでは、国内放送費の状況をまとめています。多彩で質の高い番組・コンテンツの制作、「命と暮らしを守る」報道の強化に加え、2022FIFAワールドカップ カタールの放送や、第26回参議院議員通常選挙放送の実施に取り組みました。国内放送費は3,193億円となり、前年度に比べ、226億円の増となりました。15ページは、営業経費についてです。営業経費率は8.1%となり、前年度より1ポイント低くなっています。続いて、17ページをご覧ください。建設費の状況のうち、放送センター建替の状況について、下段に記載しています。掘削工事・基礎工事を完了し、躯体工事を進めました。それに係る費用77億円は、建設積立資産を取り崩さず、減価償却資金の受け入れなどで対応しました。これにより、2022年度末までに放送センター建替の建物の部分に係った費用は、合計128億円となっています。18ページは、有料インターネット活用業務勘定の決算について記載をしています。事業収支差金は22億円の黒字で、前年度より2億円増加しています。その結果、2022年度末の繰越欠損金は、マイナス7億円となりました。
 以上で、令和4年度財務諸表について、ご説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いします。

 

 

10 監査委員会報告

 (3) 日本放送協会令和4年度財務諸表に添える監査委員会の意見について(資料)

 (大草監査委員)
 「日本放送協会令和4年度財務諸表に添える監査委員会の意見」について、ご説明します。本意見書は、放送法第74条第1項に基づくものです。意見書の構成は「序文」に続き、「監査方法およびその内容」と、その結果としての「監査意見」です。監査委員会の意見は、放送法で会計監査人の監査があわせて法定されていることから、いわゆる相当性監査となっています。
 監査委員会は、1ページの「監査方法およびその内容」にあるように、会計監査人との間で事前、期中、期末とやり取りを続け、会計監査人が独立の立場を保持し、かつ適正に監査を実施しているかを監視・検証してきました。その結果、監査委員会の意見は、2ページに記載のとおり、「会計監査人の監査意見は、相当と認める」というものです。

 (大草監査委員)

 財務諸表の5ページで、還元目的積立金が1,920億円とありますが、受信料引き下げのための財源1,500億円がもともとあったものから、この280億円を引いた残1,220億円に、民放インフラ協力等の700億円を足した合計1,920億円という内訳という理解でよろしいでしょうか。

 (竹村専務理事)

 そのとおりです。

 (大草監査委員)

 設備の強靱化等の対応は、この外枠ということで理解しました。

 (礒山委員)

 財務諸表の14ページに損益計算書がありますが、この中には今回のNHKプラスでの投資は、事業収支の放送費に入っているのでしょうか、または資産として償却していく投資でしょうか。投資であれば資産に上がってきますが、どのようになっているでしょうか。

 (竹村専務理事)

 あの工事は、やってはならないものだったので、それ自体は全部ストップして、切り替えています。

 (礒山委員)

 切り替えたのはどこからでしょうか。

 (竹村専務理事)

 切り替えはこれからの作業になります。

 (礒山委員)

 まだ払っていないということですか。

 (竹村専務理事)

 全く払っていないです。

 (礒山委員)

 今期の予算施行に入るという理解でよいでしょうか。

 (竹村専務理事)

 はい。先ほどの新日本監査法人の意見になっているということです。

 

 採決の結果、議決事項(3)について原案どおり議決。

 

 (森下委員長)
 ただいまの議決におきまして、経営委員会としてひと言申し上げます。
 令和4年度は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化など、国際情勢が刻々と変化する中で、多角的で正確な情報を提供するとともに、地上波の編成についての大幅な改定や、NHKプラスの同時配信の拡大など、放送とデジタルを通じて、新しいNHKらしさを追求する番組の定着・強化にも取り組んだことは、高く評価します。
 令和4年度決算は、事業収入が7年ぶりに7,000億円を下回りましたが、当初予算に比べて増収となり、訪問要員体制の縮小や、契約・収納活動の構造改革に伴う施策の推進等により、263億円の収支差金を確保しました。視聴者・国民の皆さまへの還元のため、「財政安定のための繰越金」のうち、改正放送法で規定された還元目的積立金に1,920億円を計上することとなります。
 令和5年度は、現在の中期経営計画の最終年度として掲げた計画を着実に実行しなければなりません。10月には受信料の1割値下げや学生への免除拡大を予定しています。さらに、衛星波の1波削減など、“スリムで強靱”の実現に向けて、実質的な検討・対応が求められています。執行部には、適切で効率的に予算を執行していただき、視聴者・国民の皆さまに必要とされる「新しいNHK」の実現につなげていただきたいと思います。
 経営委員会としても、次期中期経営計画の策定に向けて、さまざまな課題について執行部とともに議論させていただき、職責を果たしていきます。

 

 

11 議決事項

 (4) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 (山名専務理事)
 中央放送番組審議会委員について、定款第69条第2項の規定により、経営委員会の同意を得ることとなっておりますので、ご審議をお願いします。
 新規の委嘱がお一人です。読売新聞東京本社論説副委員長の富所浩介氏です。司法や教育をはじめ、幅広い分野に豊富な取材経験のある方です。任期は7月1日からとなっています。なお、読売新聞大阪本社代表取締役社長の柴田岳氏は任期満了により、6月30日付で退任されます。
 以上、ご審議よろしくお願いします。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

12 審議事項

 (1) 次期中期経営計画(案)について(資料)

 (根本理事)
 次期経営計画案について説明します。
 次期経営計画策定に向け、5月上旬から本格的な議論をスタートさせました。本日は、役員検討会の検討状況として、いくつかの論点と検討の方向性について共有させて頂きたいと考えています。
 先月、「次期経営計画(案)検討の進め方とスケジュール」をお示ししました。経営委員会の皆さまからはいくつかのご意見・ご提案を頂戴しておりますが、執行部内での議論を深めているところであり、現時点で明確に方向性を見定めているものではありません。
 従いまして、本日は、執行部が具体的にどのような議論をしているのか、検討状況を共有させていただいた上で、委員の皆さまのご意見・ご要望を頂ければと考えています。
 2ページです。次期中期経営計画の主な検討テーマです。
 経営委員会事務局から、経営委員の皆さまが関心を寄せている個別テーマを共有いただいていますが、議論を進めているテーマは大きく違わないと認識しています。インターネット業務本来業務化への対応や営業活動、安定財源の確保、コンテンツ戦略、地域等について、議論を開始していますが、いずれの検討テーマも、まだ始まったばかりであり、今後、継続的に検討を深めていこうと思います。
 3ページです。策定にあたり、リスクと機会、このトレンドを踏まえ、収支・資源の構造、計画検討の枠組みについて、役員検討会において検討・議論することとしています。議論の進め方としては、マクロ目線での現状把握を優先し、まず1周目の議論を行います。そのうえで、ビジョンの仮説等を見直していくことを確認しています。
 4ページです。「収支・人的資源」についてです。収支の現状と見通しを確認し、職員数の減少傾向、短期的な高齢化、高齢層増加の中で取材制作力の現状等を確認しました。修正経営計画策定では、受信料収入はあえて業績回復を見込まずに、支出を年200億円規模で段階的に削減する設計としました。そして、還元目的積立金を使用できる次期3か年の間に、受信料の増収と経費削減を達成することを目指すことにしています。収入面では安定財源の確保が課題であり、支出面では単純計算で、物件費で約3割の大幅な削減・圧縮が必要な状況になっています。厳しい状況であることに変わりはありません。今後の収支の見通しや職員数・年齢構成の見通し、メディア総局の人的資収支の見通しや職員数・年齢構成の見通し、メディア総局の人的資源の状況等をふまえて、いかにコンテンツの質量を高めるか、どのようなに体制を見直していくか、物価上昇の影響などをどのように考えていくか、これから議論をしっかりと行っていこうと思っています。
 5ページです。「デジタル戦略」についてです。NHKは、「NHKプラス」や「NHK NEWSWEB」、「らじる★らじる」、「NHKワールドジャパン」などのサービスを提供しています。ネット本来業務化に向けた基本的な考え方として、「放送と同様にやらなければならない業務」として、放送と同様の効用を提供すること、「安全・安心」「あまねく伝える」を重視し、社会の基本的な情報を多角的に伝え、公共メディアの役割を果たすこと、デジタル情報空間の課題に向き合い、価値判断に資するコンテンツを発信することなどを確認しました。
 6ページです。「設備投資」についてです。NHKはこれまで設備投資に際して、案件毎に個別に必要性等を判断し、建設費総額によるコントロールを行ってきましたが、全体収支の観点で検討されず、減価償却費と建設費が混同されるケースがあったり、建物・設備・運用の検討を分けて検討されていたりといった課題がありました。収支が大変厳しくなる局面であり、事業支出を平準化してコンテンツ強化に影響が及ばないようにするためにも、事業費と減価償却費を結びつけて、トータルで検討・判断することが大変重要になります。IP化やソフトウェア化、クラウド化などの技術進展も踏まえた投資を検討するために、横断的な評価を行って全体で優先順位をつけることなどを確認しています。
 7ページです。「コンテンツ戦略」についてです。担当役員から、問題意識と危機感をベースに、次の経営計画に向けた4つの柱を提起してもらいました。放送波の役割と戦略イメージ、コンテンツ集中投資の考え方、本体と関連および地域の役割と人材配置、外部との共創など戦略検討の全体像、制作プロセス高度化の取り組み状況などが説明され、議論しました。これらを基に放送波の役割と戦略イメージ、コンテンツ集中投資の考え方、本体と関連および地域の役割と人材配置、外部との関係などの全体像、戦略実現に向けた体制整備などを確認し議論を行っています。
 8ページです。「地域の課題」です。災害等の緊急対応の優位性低下の懸念や、サービスの質の再整理、地域の目線に立ったサービス量の確保、育成機能の低下等が課題としてあげられています。「全局態勢による緊急災害対応の強化」、「地域目線での質の追求」、「ネットワークを生かした量の追求」、「デジタルサービスの地域格差の改善」など具体案を示し、方向性を模索しています。一方で、「地域への情報発信」について、視聴者の皆さんの期待の高さに反して、NHKへの期待が低下している原因を検証することや、地域の視聴者がNHKに求める情報が提供できているのか省みる必要性を確認しています。
 スケジュールは、非常にタイトではありますが、7月末には執行部として計画の主要論点をまとめて、そのあと、経営委員会の皆さまと個別テーマについて意見交換を進めていきたいと考えています。
 ご説明は以上です。

 (堰八委員)

 ほぼ7,000億円に近かった受信料が、1,300億円ほど低下しているということで、新中期経営計画は、その発射台として非常に重要な計画になると認識をしています。
 そのような中で、物件費のところで、今まで以上に大胆かつ綿密に、どこをどのようにいじって、具体的に何億円の効果が出るのかということを、今までの計画以上に、細かくやっていただきたい。
 次に、人員のことですが、このままだと全体的に減少かつ高齢化していく時代に入ります。世間一般的にそうですが、そのような中で、NHKは関連会社や子会社とのアライアンスの中で人員配置をどうしていくのでしょうか。NHK本体の中で必要な人員は各部署、部門で何人なのか、いわゆる定員的な考え方を今まで以上に鮮明に打ち出して、それをきちんと守っていくということをぜひやっていただきたいと思います。
 決して、人をどんどん減らせということを言っているのではなく、コンテンツの質をきちんと維持していくためには、最低必要な人員をきちんと確保しなければならないと思います。人件費削減ありきではなく、そのような見直しをした結果、人件費の削減につながれば、ベストだと思いますので、そのようなことをきちんとやっていただきたいと思います。
 また、シニア層の活用は人事改革の中で早期退職を募るなどで、一部誤解が生じていて、内外にシニアがあまり重要視されていないのではないかという誤解もあると思います。世間一般的には、60歳以上のシニアをいかに使っていくのかということは、1つのポイントだと思います。NHKもノウハウを持ったシニアの人たちをうまく使い、シニア層も含めた総力で厳しい時代を乗り切っていくということを意識した計画の原案をつくっていただき、いろいろと議論させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 (井伊委員)

 人事改革はDXも必要なのだということがよく分かりました。新しい会長の下でも着々とそのような視点で人事改革が進んでいると思いますので、そのことも計画の中で分かりやすくご説明いただければと思います。
 もう一点、先般、テキストニュースに関して拡大はしないが縮小しないということで落ち着いたようですが、自民党の調査会でのNHKの発言に関する報道を受けて、若手や中堅の方たちが非常に衝撃を受けたと聞いています。新たな公共メディアの進化ということをNHKはずっとうたっていますので、執行部がどのような考えをお持ちなのか分かりやすくお示しいただければと思います。

 (礒山委員)

 これから3年間の中期経営計画をつくる中では、やはりインターネットを使った通信の位置づけをどのようにするのかが重要だと思います。もちろんこれは放送法の関係もありますが、これから10年程度の長期スパンでいえば、必ずこれが重要な1つの方向性だと思います。中期経営計画の中でどのように表現するのか、なかなか難しいと思いますが、職員の方が縮小のイメージがあって将来が見えないというところもありますので、役職員みんなにとって夢があるような、今後3年間やれば次にこのようなものが見えるようなものにしていただきたいと思います。
 また、職員の方の処遇なども含めて、人件費を下げなければいけないのかもしれませんが、井伊委員も言われたように、DXを使って、人をどのように確保するかによって、この3年間の中期経営計画が終わっても、次の10年が見えるような計画にしたいと私も思っていますので、ぜひそのようなことを念頭に置いていただければと思います。

 (大草委員)

 事業規模縮小の中で何を本体でやって、何をグループ会社でやって、何を外に出していくのかという整理をきちんとしていただきたい。その中で注意していただきたいのは、全体の経費削減ばかり強調することで、制作のノウハウが結局外部に流れてしまい本体には何も残らなくなってしまったり、グループ会社に残らなくなってしまったりするなど、空洞化が起きないようにうまくコントロールしていただければと思います。

 (明石委員)

 厳しい状況の中で、例えば新しいデジタルサービスを提供するなど、やらなくてはいけないことも増えていくことを考えると、とても大変な中期経営計画の策定になるのではないかと思います。しかし、コンセプトが明確になっていて、それがきちんと分かりやすいキャッチーなコピーで示されていると、理解しやすいのではないかと思いますので、中身に応じたきちんとしたコピーも併せて考えていただければと思います。

 (森下委員長)

 今回の中期経営計画は何といっても、値下げによって1,000億の減収になる中で、費用をどうやって合わせるのかということが一番大きな課題だと思います。おそらく職員の方々はよく分かっていると思いますが、それだけに厳しいということであり、それをやるにあたっては、厳しい中で頑張るだけではなく、先ほどのご意見にもありましたように、将来の見えるような絵をどのようにつくり上げるかということだと思います。今まで行ってきた経営改革をとにかく進めるということと同時に、制作や取材などのところに新しい技術をできるだけいろいろ取り入れて、従来よりも仕事のやり方や質が変わっていくということも含め、単なるコストを下げるというよりも、質が変わっていく挑戦を現場の人がやれるようにしていくことが大事だろうと思います。特に技術部門が制作部門などに分散して入ったので、そのような意味でも、技術の方々と制作の人が一緒になって、それこそ組織が縦割りではなく一緒になって力を発揮する最大のよい場面だと思います。生成系AIも含めて徹底的に新しい技術を物にしていって、新しい制作のつくり方、新しい取材のつくり方に挑戦するのだという意気込みのようなものが見えると、この計画は職員にとって非常によくなるのではないかと思います。また、再雇用の話についても、人をどのように使うのかも含めて、幅広く考えないといけないと思っています。
 もう一点、地域の放送について、人を減らしたり、集約化したりしたことによって、かなりいろいろと課題が出ているのはご承知のとおりだと思いますが、特に各地方の放送局の職員の人が頑張れるようにすることが重要だと思います。そのためには、人を増やすわけにはいかないので、ここも新しい技術を使うということになってくると思います。情報の収集能力やコンテンツを作る能力をどのように上げるのか、新しい取り組みをやってもらいたいと思います。そのような意味では、地方のパワーを上げるために、地元の大学や専門学校といったところともっと連携し、パートナーとしてやっていくなど、地方の人々や視聴者の皆さんの力を活用することも大事だと思いますので、そのような取り組みも含めて、地方の放送が質的に変わるようなことも挑戦していただければと思います。
 いずれにしても、営業部門も含めて数字的には非常に厳しい計画になると思いますので、ぜひそのような意味で配慮をお願いしたいと思います。今後いろいろと個別の案件で議論、意見交換したいと思いますのでよろしくお願いします。
 本件は継続審議とします。執行部は、本日出された意見を踏まえ、改めてまたいろいろと議論をさせていただきたいと思います。

 

 

13 その他事項

 (1) 総務省 デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会「放送業界に係るプラットフォームの在り方に関するタスクフォース」について(資料)

 (根本理事)
 総務省は「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の下に、新たに「放送業界に係るプラットフォームの在り方に関するタスクフォース」を設置し、6月19日、第1回会合が開催されました。タスクフォースが設置された背景や目的、第1回会合の概要などをご説明します。
 2ページです。総務省の事務局が作成した資料になりますが、こちらの上段に「背景・目的」が記されています。デジタル時代にNHKが担うべき役割について議論が進められる中、NHKによる「日本の放送業界への貢献」という観点を踏まえ、「放送業界に係るプラットフォーム」の在り方に関し、具体的な方策の検討を行うことを目的として、新たに「放送業界に係るプラットフォームの在り方に関するタスクフォース」を開催するとしています。
 主な検討項目は、5点です。1点目が、地上波放送について、NHKと民放との中継局の共同利用の実現に向けて取り組みを加速化していく上で、NHK・民放等が果たすべき役割は何か。2点目が、NHKの国内衛星放送(新BS2K、新BS4K)について、番組制作者への機会提供の観点から、NHKが果たすべき役割は何か。3点目が、ローカル局の放送番組も含め、放送業界全体での放送番組のインターネット配信の推進に向けて、NHK・民放等が果たすべき役割は何か。4点目が、衛星放送のハード設備、現状B-SATとスカパーJSATが維持・管理・運用を実施していますが、これについてコスト低減の観点から、NHK・民放等が果たすべき役割は何か。5点目が、日本の放送番組の国際発信について、放送業界全体での国際発信の推進に向けて、NHK・民放等が果たすべき役割は何か。以上の5点です。
 3ページは、このタスクフォースの位置づけを示したものです。
 4ページは、このタスクフォースの構成員の名簿になります。
 5ページからは第1回会合でのNHK説明資料になります。
 6ページが目次です。冒頭、NHKからは『インターネット空間の拡大により、コンテンツ(ソフト)・インフラ(ハード)ともに大きな変化が生じている日本の放送業界全体の今後を考えますと、土台となる、いわゆる「プラットフォーム」がどうあるべきかという観点は重要になるのだろうと思います。今回は、NHKがプラットフォームとして、民放などと、協力して(ともに)働き、協力して(ともに)創る、いわば「協働・協創」という役割について、コンテンツ(ソフト)と、それを支えるハードの両面からご説明させていただければと思っております。』と説明しました。
 8ページです。調査結果を示しながら、NHKとしては、民放や新聞ともども、視聴者・国民の期待に応え続けることが求められていることを説明しました。
 9ページです。そのうえで、「情報空間の参照点」への期待、信頼できる多元性確保への期待について、これまで培ってきたNHKと民放の「二元体制」で、お互いが補い合い切磋琢磨することで、民主主義の発達に寄与していく考えを説明しました。
 10ページです。これまで果たしてきた「社会の基本情報」の共有といった役割について、NHKとしては、信頼できる基本的情報を提供するために、「質」「量」ともに充実した、世界に通用するニュース・コンテンツの提供という“原点回帰”をしていきたい、と考えていると説明しました。
 11ページ以降では、具体的な各論点について、プラットフォームとして、民放などとの協働、協創という役割について説明しました。
 13ページです。コンテンツをあまねく全国に届けるための地上放送ネットワークについては、経済合理性や新しい技術などを踏まえて、時代にあった最適なものにしていくことが必要であり、民放と連携しながらネットワークの最適化に取り組んでいきたいと考えていることを述べました。そのうえで、個々の事業者の判断の尊重を前提に、勉強会の実施から開始していきたい旨を説明しました。
 14ページです。“コンテンツ創造”を支える役割、さまざまな作り手との協働についてです。ここでは、衛星波の整理・削減後においても、衛星放送全体で外部制作事業者と連携し、信頼できるコンテンツを視聴者に届け、引き続き、衛星放送の普及に取り組んでいくことを説明しました。
 16ページです。衛星放送のハードについてです。ここでは、衛星放送でも、地上放送同様の環境変化が起こっており、安定運用とインフラコストの合理化の両立が求められていること、この環境変化に的確に対応し、ステークホルダーの意向も踏まえつつ、運用面・経済性で、より合理的・効率的になるよう、検討を進めていくことが重要であり、NHKとしてもこうした検討に参画していくことが重要と認識していることを説明しました。
 17ページです。地域コンテンツを情報空間に展開する役割についてです。NHKは常に地域の皆さまとともにあり、そして常に地域の皆さまの期待に応えられる存在でありたいと思っており、それは民放の皆さんも同じだと認識していることを話したうえで、民放個社の経営判断があるかとは思いますが、今後ある種、地域のプラットフォームとして、民放のみなさまと協力して、何か地域にお役に立つことがあれば積極的に取り組んでいきたいとの考えを説明しました。
 20ページです。「今後に向けて、多元性確保への更なる貢献」として、協力・連携の事例イメージを説明しました。
 25ページです。こうした説明のあと、民放連より意見の説明がありました。まず、NHKのインターネット活用業務を中心に議論されている公共放送ワーキンググループなどについて、民放連はNHKのインターネット活用業務をめぐり、必須業務化やそれを前提とした議論を容認したわけではないこと。BS同時配信の稟議問題でNHKは再発防止策を講じるとともに、「受信料・業務・ガバナンス」の三位一体改革を、まず確実に進めるべきことなどと主張した上で、今回のタスクフォースに対しては、民放とNHKとの共同事業は、当事者である民放とNHKとの間でしっかりと協力の在り方を検討し、合意形成することが何よりも重要であること。地上波中継局については、経済合理性の確保と地域事情への配慮が大前提であること。インターネット配信は個別企業の経営判断の領域に属するものであり、ニーズや実現可能性に強い疑念を持つとの意見が大勢で、放送と異なるネット上のプラットフォームの在り方は、この場の議論になじまないことなどを説明しました。
 今後の検討スケジュールです。会合は4回程度開催され、7月末ごろに取りまとめられて親会に報告される予定になっています。
 ご説明は以上です。

 

 

14 報告事項

 (1) 令和4年度NHK連結決算について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (竹村専務理事)
 「連結決算」について、ご説明します。資料が3点あります。1点目は、 「連結財務諸表」です。これはNHKの内規である連結決算規程に従って作成した決算書です。2点目は、「独立監査人の監査報告書」です。連結財務諸表に対する監査報告となっています。報告書の冒頭「監査意見」の最終行にあるとおり、単体決算同様、監査法人からは、監査の結果、「すべての重要な点において適正に表示しているものと認める」との適正意見が表明されています。3点目は、さきほど単体決算の説明でもご覧頂いた「決算概要」、こちらで説明させていただきます。
 21ページです。上段の連結の範囲ですが、連結子会社12社、持分法適用会社1社の計13社で、前年度より1社増えています。これは株式会社NHKメディアホールディングスが2022年12月1日に設立されたものです。
 中段の損益の状況をご説明します。2022年度の経常事業収入は、子会社のイベントの実施による増収等がある一方、NHKにおける受信料の減収等により、前年度に比べ23億円減の7,485億円となっています。経常事業支出は、新型コロナウイルス感染症の影響により抑制していた番組取材活動の回復による放送事業運営費の増などにより、155億円増の7,213億円です。以上により、経常事業収支差金は178億円減の272億円となっています。特別収支等を加減した結果、当期事業収支差金は320億円となり、減収減益となっています。経常事業収入における連単倍率は1.07倍で、NHKが占める割合が大きいことから、損益の状況はNHK単体と同様の傾向となっています。
 下段は経常事業収入の内訳を示したものです。NHKは、受信料の減収等により、前年度と比べ78億円減の6,929億円、子会社はイベントの実施による増収等により、55億円増で子会社全体では556億円となっています。
 22ページ、23ページは連結の比較貸借対照表と比較損益計算書です。全体の傾向としては単体決算と同様ですので、説明は省略します。
 24ページ上段です。連結子会社等からの受取配当金の状況になります。記載の8社から2022年度に受け取った配当額を記載しています。
 25ページには、連結子会社等の状況を記載しています。
 ご説明は以上です。

 (明石委員)

 連結決算に関しては承知しましたが、本来であればNHKメディアホールディングスを設立し、関連グループ会社をより効率的に経営するという目的だったと思います。しかし、実際には支出が増えているのではないかと思いますが、NHKメディアホールディングスを設立した効果が出るのはいつぐらいと予測をしているのでしょうか。

 (熊埜御堂理事)

 のちほど、各社財務状況の2022年度の決算報告等もしますので、詳しくはそのときにご説明しますが、この4月から年度としては始まっており、定期的に今年度の状況を見つつ、来年度の事業計画につなげていきたいと思っています。

 

 (2) 2022年度年金基金の状況

 (竹村専務理事)
 2022年度の年金基金の状況についてご説明します。これは、業務執行に関するご報告の一貫として、毎年この時期に前年度の結果をご説明しているものです。
 2022年度の基金の状況のご報告に先立ち、NHK年金の概要について改めてご説明をさせていただきます。
 NHKの企業年金は2つの制度で構成されており、そのうちの1つが、今回状況をご説明させていただく確定給付型の企業年金である「NHK年金」です。「NHK年金」は、全職員を加入者として掛金を労使折半で拠出しています。
 支給開始年齢は定年の60歳で、関連団体に再就職したり、定年後もNHKと雇用契約を結んだりした場合は、その期間の年金支給は半額という取り決めになっています。
 年金資産運用の基本的な方針についてご説明します。年金資産の運用に関する重要な方針については、副会長を委員長とする年金委員会で審議・決定することとしています。NHK年金の資産運用の基本方針をひと言で言うと、手堅く運用するということで、長期的に安定した収益を確保していくことがNHK年金の運用の基本と定めています。
 2022年度の年金基金の状況です。2021年度末の時価総額4,371億円から、212億円マイナスとなり、2022年度末では4,159億円です。
 2022年度は、FRBをはじめ米欧での金融引き締めの継続により、外国債券が大幅に下落したことが重荷となっています。また、長引くロシアのウクライナ侵攻による供給不安等も引き続き経済へ影響を与える結果となりました。
 足元の運用環境は大変不透明な状況でありますが、年金基金運用の本来趣旨である中長期にわたる年金給付を支えられるよう今年度もリスクを抑制した運用を行っていきます。
 ご報告は以上です。

 

 (3) 子会社管理状況等の報告(資料)

 (熊埜御堂理事)
 子会社の管理状況等について報告させていただきます。これは執行部から四半期に一度監査委員会に報告しているもので、昨年度から、理事会・経営委員会にも報告しています。また、この報告は、子会社管理の取り組みについて、一般的なコーポレートガバナンスの3つの視点に基づいて行っています。
 それでは、取り組みの中から赤字の部分のみご説明します。1つ目の視点、「ビジョン・価値観の共有促進」の2段目、「人材育成の強化」として、「関連団体独自採用社員の育成・グループ経営意識の醸成」に取り組んでいます。関連団体の自律的な経営が一層求められる中、独自採用社員の人材育成が急務です。
 まず、「関連団体新採用者研修」についてです。4月4日、22階大会議室で、関連団体合同の新人研修を実施し、11団体73名が受講しました。公共メディアを担うNHKグループの一員であることをスタート時点で意識してもらうことが目的です。
 もう一つは「独自採用社員の経営幹部育成プログラム『G-Leaders』についてです。11団体の独自採用社員17名が、この1年間、「管理職の在り方」、「リスクマネジメント」、「コストマネジメント」についてディスカッションを重ね、その集大成として5月18日、社長に対して報告会を開催しました。「コスト削減を進めるべきだが、同時に人材に再投資すべき」と提言するなど、社長との間で活発な意見交換を行いました。
 3ページ、4ページは「グループガバナンスの強化」について記載しています。4ページの中ほどに、「NHKメディアホールディングスによる、傘下子会社の内部監査機能集約」について記載していますが、次のページの「NHKメディアホールディングス」のほかの案件とまとめてご報告します。
 5ページです。3つ目の視点、「グループ全体での業務効率化・管理高度化」に関して、「NHKメディアホールディングス」と「NHK財団」についてご報告します。まず、傘下5社の内部監査機能については、4月から「NHKメディアホールディングス」に集約をしています。それに伴い、昨年度の内部監査の報告終了をもって、6月末で個社の内部監査部門と規程は廃止となります。これにより、効率化とともに、監査内容の平準化が可能となり、また、他社で検出された事例を他の子会社の監査に生かすこともできるようになります。また、すでに4月からは「労務リスク、働き方」について、「テーマ監査」を実施しています。
 続いて、法務業務の一元化についてです。「NHKメディアホールディングス」では、4月からNHK法務部の職員弁護士を出向、配置するとともに、外部の弁護士事務所とも一括して顧問契約をしました。また、個社で行っていた弁護士事務所との契約も一括して行うように変更しています。この新しい体制のもと、傘下5社の法務相談のほか、規程改正のチェック、内部統制関係議決への助言など、「NHKメディアホールディングス」が核となり実施をしています。
 その下の行、「イベント業務の情報共有と協業の推進」について、個社が持っている情報やノウハウを共有することで、大型イベントの入札に共同で参画する準備を進めるなど、専門性の掛け合わせの効果が出始めていると認識しています。
 「NHK財団」は設立から3か月が経過しました。こちらも監査機能の一元化、NHK交響楽団のガバナンス支援や、理事、評議員の削減などにより経営の効率化を図っています。
 ご報告は以上です。

 

 

15 監査委員会報告

 (4) 子会社管理状況等の報告に対する監査委員会の意見

 (大草監査委員)
 きのうの監査委員会で、熊埜御堂理事から子会社管理状況等について報告を受けましたので、監査委員会で出た意見をお伝えします。
 中間持株会社「NHKメディアホールディングス」の設立で、傘下に入る5社の内部監査機能を集約するという形ができたことはよかったと評価します。新しい試みなので、いろいろと課題が出てくると思いますので、よくコミュニケーションをとって不都合があれば修正し、実効性が上がるよう努めてほしいということです。

 

 

16 報告事項

 (4) 2022年度関連団体の事業運営状況等について(資料)

 (熊埜御堂理事)
 関連団体の事業運営状況等についてご報告します。
 2ページです。「子会社の2022年度決算の概要」です。12社の合計売上高はNHKメディアホールディングス傘下子会社の多くが増収したことで、前年度比89億円増の2387億円となりました。このうち、NHK取引は番組制作の増でNHKエンタープライズ等が増収し、全体では27億円の増収、グループ外取引ではイベントの回復でNHKプロモーション等が増収し、全体では49億円の増収となっています。
 一方、営業利益は21億円増の79億円、営業利益率は前年比0.8ポイント増の3.3%となりました。各社、コスト削減など財務体質の強化に取り組んでおり、コロナ前の2019年度決算額78億円と同水準まで回復しています。
 各社別に見ますと、NHKメディアホールディングスは設立初年度で収益の柱となる傘下子会社からの配当収入がないため、赤字決算となりました。NHKエンタープライズは番組制作やソフト制作の増加などで増収増益。過去最高の売上・営業利益を達成しています。NHKグローバルメディアサービスは前年度に東京・北京のオリンピック・パラリンピックの収益を計上していたため、反動で減収減益となりました。NHKプロモーションは特別展国宝、岡本太郎展などが好調で増収増益となり、3期ぶりに営業黒字を確保しました。NHKビジネスクリエイトは警備業務等業務見直しに伴うNHKからの委託の減少や第一共同ビルの建替えに伴い、減収・営業赤字となりました。NHK文化センターは支社閉鎖や経費削減に取り組むも講座受講者の回復が鈍く、3期連続の営業赤字です。NHK営業サービスも本体の営業改革に伴う事務情報処理やコールセンター業務の減少に伴い、減収減益となりました。
 なお、純利益については、NHKメディアホールディングスおよびNHK出版のスクイーズアウトに向けた団体間の株式持ち合い解消にともない、傘下子会社と、NHKテクノロジーズ、NHKビジネスクリエイトが保有株の売却益を特別利益に計上しています。
 以上が子会社の決算です。2022年度はコロナ禍からの回復を背景に収入を伸ばす団体がある一方、回復途上の団体やNHKからの委託の減少などで収益が伸び悩む団体もありました。また、原材料・光熱費の高騰で費用がかさみ、利益が圧迫され始めている団体も見られます。原材料高騰は今年度の業績にも影響を与える可能性が大きいため、各団体の業績をいっそう注視していきます。
 4ページです。続いて決算に伴う2023年の配当です。2022年度決算にもとづく配当は関連団体運営基準に定める「事業計画上の純利益の50%とそれを上回る純利益の80%」を普通配当として実施することとします。これに加え、NHK営業サービスについては利益剰余金の状況を勘案し、特別配当1.2億円を実施します。この結果、子会社の配当総額は13億円、NHK受取は10.9億円、放送衛星システム(B−SAT)を含めた総額は15.4億円、NHK受取は12.1億円となる予定です。
 5ページです。副次収入についてです。関連団体から収納した副次収入は49億円で、イベント関連収入が増加したことなどにより前年比4億円の増収となりました。
 6ページです。最後に関連団体運営基準にもとづき、監査法人に委嘱して実施した業務運営状況調査の結果です。2022年度はいずれの項目においても検出事項はありませんでした。NHK本体と各関連団体が連携してガバナンス強化に取り組んできた結果と受け止めています。
 ご報告は以上です。

 

 (5) 関連団体事業活動審査委員会報告(資料)

 (熊埜御堂理事)
 「第41回関連団体事業活動審査委員会の概要」についてご報告します。
 1ページです。この委員会の目的は、「関連団体の事業活動に関する外部からの意見、苦情等を受け付けて、審査すること」、「NHKによる、関連団体の管理・監督の適正性を審査すること」、この2つとなっています。委員会は、2月1日、放送センター内で対面にて開催され、NHKの委員、外部の委員、全員が出席しました。
 2ページです。議事は全部で3つです。1つ目、「関連団体の事業活動に対する、外部からのご意見や苦情等」についてです。2022年度の下半期、関連団体の事業活動の適正性に関する委員会の苦情、意見の受け付けはありませんでした。今回の委員会の開催が2月でしたので、3月末にあらためて状況を確認しましたが、やはり、意見、苦情の受け付けはありませんでした。
 2つ目、「関連団体業務運営状況調査の状況」についてです。グループ経営戦略局では、外部の監査法人に委託して、関連団体の関連団体運営基準の遵守状況を調査・確認しています。その結果、2022年度を通じて監査法人からの指摘事項はありませんでした。
 3つ目、「関連団体の事業活動の適正性を確保する取り組みと、それに対する、外部委員からの助言等」です。内容は次のページです。最初にNHKの委員から、グループ経営改革の取り組みの説明があり、外部委員からは、一定の評価がありました。そのうえで、NHKメディアホールディングスとNHKグループ経営戦略局が、傘下子会社の経営管理について、責任や役割を整理し、連携しなければならないという見解が示されました。NHKの委員からは、持ち株会社傘下の子会社5社の管理は両者が連携しつつも、放送法の中では引き続きNHKの「子会社等」であるから、NHKが経営管理責任を負うことに変わりはない。今後もNHKが要所でグリップしなければならないという認識が示されました。
 委員会のまとめとして、NHKの委員から、今後も経営環境に合わせたグループ経営施策を検討していく旨の発言がありました。
 NHKでは、今後も事業活動審査委員会からの助言をグループ経営改革の推進に活用していきます。
 ご報告は以上です。

 

 

17 監査委員会報告

 (5) 関連団体事業活動審査委員会等について

 (大草監査委員)
 ただいま執行部から説明がありました2点について、監査委員会での議論の状況についてご報告します。まず、各社の業績と、それに基づく配当に関してです。2022年度決算の配当と概要について、きのうの監査委員会で出た意見をご紹介します。
 NHK本体からの業務委託の量や一般競争入札の導入などが会社によって経営状況に大きく影響すると思いますが、NHKグループ全体として何が最適かを考えてグループ経営をしていただきたいということ。普通配当のほかにどのような考え方で特別配当を行っているのか、適切で外部に説明ができるような説明可能性、透明性のある配当を続けていただきたいということ。デジタル化への対応については、各社がそれぞれで行っている印象がありますが、例えば教育コンテンツについてはどの会社が扱うのか、本体も含めたそれぞれの役割の整理も必要ではないかといった意見が出ていました。
 続けて、関連団体事業活動審査委員会の概要に関しては、若干の内容の確認等はありましたが、特段の意見は出ませんでした。
 以上です。

 (森下委員長)

 ただいまの報告事項(4)(5)、監査委員会報告(5)について、ご質問、ご意見等ありますか。

 (明石委員)

 2点質問させていだきます。1点目は、NHKメディアホールディングスができて、これからいろいろな面でぜひ結果を出していただきたいと思うのですが、NHKメディアホールディングスがハンドリングしている主要5社の純利益は、100%配当としてNHKメディアホールディングスに還元されるとなると、それぞれの会社は、例えば自分たちが将来的にどのような事業計画を立てていくのかなどの予算確保をどうするのでしょうか。NHKメディアホールディングスと折衝して確保していく体制なのでしょうか。
 2点目は、NHK文化センターが3年連続赤字で、今の概況を考えると難しいのではないかと思うのですが、累損でどのぐらいになっているのでしょうか。また、あくまでも営利団体として存続をさせていくのか、それともある意味では地域貢献や文化、カルチャーの普及のような目的で、財団で吸収してしまうようなことも考えているのかお聞きしたいです。

 (熊埜御堂理事)

 1点目に関して、利益は、原則として100%親会社であるNHKメディアホールディングスに配当することになっていますが、中長期的な投資に関しては、事業計画を立てて、目的積立金を各社で積み立てることができます。

 (明石委員)

 純利益という表現になるのですか。その経費を差し引いたものというのが純利益という表現になるのでしょうか。

 (熊埜御堂理事)

 必要な積み立てを差し引いたものです。また、2点目のNHK文化センターについては、3期連続赤字ですが、利益剰余金を取り崩しており、累損はありません。2023年度に関しては、営業利益は赤字を出さない計画になっていますが、純利益に関しては、今年度も赤字の計画になっています。4,000万円程度ということで赤字幅は年々縮小してきていますが、まだまだ厳しいことには変わりはありません。ここ数年、経営状況を見て全国の支社の閉鎖など、固定費の削減には努めてきておりますが、明石委員のご指摘のとおり、今後どのような形で存続するのがよいのか、これまでNHKエンタープライズからプロデューサーが企画をサポートするということでNHK文化センターに所属をするなど、ソフト面での強化を行ってきましたが、グループの中でのフォーメーションの在り方を含めて、今後どうしていくのかは引き続き重要な課題だと認識しており、今年度も注視・検討していきたいと思っています。

 

 

18 報告事項

 (6) 2022年度NHKと関連団体との取引の公表について(資料)

 (竹村専務理事)
 2022年度におけるNHKと関連団体との取引の公表について、ご説明します。
 これは、総務省が2019年9月に策定した「NHKの子会社等の事業運営の在り方に関するガイドライン」を踏まえ、関連団体運営基準第26条に基づき、NHKと関連団体との一定金額以上の取引について、個別契約ごとの取引一覧と併せて公表するものです。NHKでは、この取り組みについては、2002年度から毎年度、自主的に公表してきているものです。
 公表するのは、「2022年度NHKと関連団体との取引について」という資料で、2枚にまとめています。また、2020年1月にNHKが策定した「インターネット活用業務実施計画」に基づき、取引一覧に掲載される契約のうち、インターネット活用業務に関連するものが含まれるものを2020年度より明示するようにしています。
 まず、「対象となる取引と金額」についてですが、国の公表基準に準じており、1件の契約金額が、例えば、工事や製造の場合は250万円を超えるもの、財産の買い入れの場合には1件160万円を超えるものなどを対象としています。
 次に、「取引の概要」です。取引は大きく分けて「競争性のある契約」と「随意契約」に整理していますが、これらをあわせて総件数が1,690件、金額は1,880億円となりました。新型コロナウイルス感染症対策の行動制限が緩和され、ロケや出張の再開が進んだことで、番組制作関連の業務委託費が増えたことなどにより、前年度に比べ11億円の増加となっています。その下に、【参考1】として競争の結果、関連団体と契約した件数と金額を、次のページでは、【参考2】として随意契約を理由別に集計した表を、それぞれ記載しています。
 次に「取引の評価」についてご説明します。関連団体との取引については、経理規程および業務委託基準に基づき、すべての取引が適正に行われているかをNHK自身で点検し、いずれの取引も適正なものであると評価しています。
 本報告の内容については、2枚目と3枚目の資料に、「1件ごとの個別の契約情報の一覧表」を併せて、NHKの公開ホームページにて、6月末に公表する予定です。
 続いて、「2022年度NHKと外部との契約の状況について」ご説明します。4枚目の「参考資料」をご覧ください。こちらは、2008年に総務省から「特殊法人における随意契約の適正化の推進について」の協力要請を受けたことを踏まえ、「随意契約見直し計画」を策定し公表してきたもので、2013年度にフォローアップを終了しましたが、2014年度以降も引き続き、競争契約率などの契約状況をとりまとめています。
 「契約状況」についてご説明します。2022年度の競争契約は1,747億円、競争契約率は65.2%となっています。当年度に新情報棟に整備するためのニュース送出システムやファイルベースシステムといった基幹システムの大規模な入札契約があったこと、また前年度までに大規模なラジオ放送所のアンテナ補修工事が完了したことや、生字幕制作業務の随意契約の一部を競争契約に移行したことなどがあり、競争契約が増加しています。また、競争契約のうち、一般競争入札の状況については、975億円となっています。
 こちらの資料についても、1件ごとの個々の契約情報と合わせて、NHK公開ホームページで公表する予定です。
 ご説明は以上です。

 (大草委員)

 この資料が発表されると、時々、外部から関連団体への随意契約率が高い、競争入札が少ないといった指摘を受けることがありますので、きちんと合理性のある説明に努めていただきたいと思います。
 また、今後の中期経営計画も踏まえると、業務効率化の観点から、何をグループ内でやって、何を外部化すべきか、もう一度白紙にして十分議論・検討する余地はあるかと思いますので、両面からよろしくお願いします。

 (竹村専務理事)

 承知しました。ご意見につきましては、まさにそのとおりです。業務のありようは、技術革新もあれば、状況もどんどん変化していきますので、これでよいだろうということではなく、きちんと委託の内容、仕様の見直しをするなどの取り組みも行い、なるべくよりよいものに、随意だからこのままでよいということではない形で進めていきたいと思います。

 

 (7) 2022年度末都道府県別推計世帯支払率について(資料)

 (小池専務理事)
 2022年度末における全国の支払率ならびに都道府県別の推計世帯支払率について報告します。
 初めに、世帯と事業所を合わせた全体の支払率についてです。第4四半期業務報告で速報値として79.0%と報告していましたが、確定値でも同じ79.0%となりました。その内訳ですが、世帯支払率は78.3%、事業所支払率は86%となりました。
 2ページです。全国値の世帯支払率の78.3%は、前年度に比べると0.6ポイント低下しました。都道府県別で見ると、この78.3%を上回ったのは39の県、下回ったのは8の都道府県でした。全国値を下回ったのは主に大都市圏で、移動が多く単身世帯や集合住宅の割合が高い地域で、支払数をいかに増やすかが課題となっています。
 続いて、都道府県別の推計世帯支払率の一覧です。前年度末から変動がない鳥取・島根の2つの県を除くほかの都道府県は、世帯支払率が低下しました。これは全国的に新型コロナウイルスや物価高の影響もあって、未収の数が増加したことなどが要因であると考えています。
 支払率が90%を超えているのは、前年度と同じく、青森、岩手、秋田、山形、新潟、富山、鳥取、島根、山口のあわせて9つの県でした。今後も都道府県別に課題を掘り下げて、対応を検討するとともに、視聴者の皆さまに公共的価値を実感して受信料をお支払いいただくため、放送と営業の連携も強化していきます。加えて、BtoBtoC、BtoBtoEなど、新たな営業施策を開発していきます。
 また、10月からの値下げが追い風となるように、視聴者への丁寧な説明に努めて、受信料の公平負担に取り組んでいきたいと思います。
 ご報告は以上です。

 (森下委員長)

 未収については、特に大都市圏対策ということで取り組まれていると思いますが、今進めようとしている計画はありますか。

 (小池専務理事)

 ダイレクトメールや支払いを勧奨するご案内などに加えて、直接お会いしてご説明する活動も重要になってくると思います。これらの施策をできるだけ早く検討して、実行に努めていきたいと考えています。

 (大草委員)

 エリアごとの分析の結果、どこに重点的に対策を打ったらよいのか検討して対策を打っていただきたいと思います。また、自動引き落としなど、できるだけ安定した契約に切り替わっていくように努力いただければと思います。

 (小池専務理事)

 割増金については、受信料の公平負担に向けて一定の効果が期待できるとは思いますが、将来にわたってその効果を精緻に見込むことは難しいと思います。
 安定財源の確保に向け、効果的な施策を打っていくことが求められると思いますので、着実に実行していきたいと思います。

 (前田委員)

 支払率が下回るところは、単身世帯や移動が多いということで、比較的年代の若い人なのかという気もしたのですが、それだけではないかもしれません。支払方法について、従来の引き落としだけではなく、もう少し手軽にできるインターネットを使ったりすることについて、案内を積極的にするということは、あまり効果がないのでしょうか。

 (小池専務理事)

 世帯の移動の捕捉という面では、電気、ガスなどのインフラの契約に併せて、NHKの契約もいただくAPI連携が効果的です。公益企業などとの連携が重要になってくると思います。受信料のお手続きやお支払いについては、デジタル広告の掲載やNHKホームページ上でのわかりやすいご案内に努め、効果が最大限現れるような施策を講じていきたいと考えています。

 

 (8) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 (森下委員長)
 報告事項(8)について特段の質問などがなければ、資料の確認のみで報告に代えさせていただきます。

 

<稲葉会長、井上副会長、専務理事、理事 退室>

 

 

19 視聴者のみなさまと語る会(関西・学生)登壇者報告

 6月22日に開催された「視聴者のみなさまと語る会(関西・学生)」に登壇した井伊委員、大草委員、前田委員から報告を受けた。

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2024年1月23日       

森 下  俊 三 

 

 

大 草  透